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コラム

農林水産分野における知的財産研修(その1)

知財諸々

2017年4月5日

先日、農林水産省主催の「農林水産分野における知的財産研修」に丸一日参加し、次のような内容について講義を受けてきました。
(1)種苗法による品種登録制度及び育成者権
(2)地理的表示(GI)保護制度

そこで、今回は、(1)についてご紹介したいと思います。(自身の備忘録も兼ねております。。)

「種苗法による品種登録制度」というのは、
知的財産の一つである新たな植物品種を育成した者は、その植物品種を国に登録することにより、「育成者権」を取得することができ、登録品種の種苗、収穫物及び加工品の販売等を独占できるという制度です。

育成者権は、登録品種の種苗だけでなく、その収穫物及び加工品も独占できるため、強力な権利です。

このような「育成者権」と組み合わせて、他の知財権(特許権や商標権など)を取ることで、強力な知財保護網を構築できます。例としては、有名な「あまおう」や「つや姫」といったイチゴの品種登録例などがあります。
育成者権は登録から25年(樹木は30年)しか存続しませんが、商標権は更新により永遠に存続させることができます。商標権でブランド化することで、品種転換したものに対しても同一ブランド名を付すことも可能となります。
なお、登録商標と同一又は類似の品種名称では登録できないといった制約もあるため、十分な名称戦略を練る必要があります。

また、本研修において、私が新たに気付かされたこととして、「海外での育成者権保護の必要性」がありました。

近年、日本の品種が海外へ送られ、現地で栽培可能とされ、販売や輸出されるといった事例が生じているそうです。
例として、紅ほっぺ、シャインマスカットが中国に移入して、栽培成功し、日本原産として高値で苗木取引され、中国で産地化されていた例が紹介されておりました。
広大な土地を持ち人件費も安い外国で同等の品種が育成されてしまえば、日本の真正の品種がどうなるかは容易に想像できます。

ただ、新たな品種を育成したからといって必ずしも売れる保証はないため、海外での登録までは考えられないのが通常だと思います。
更に、海外で育成者権を取得するためには、国内で譲渡が開始されてから4年(木本は6年)以内に海外での出願を行わなければならないといった時期的制限もあります。

そのため、海外での品種登録をどうするのかを検討する中で、海外にその品種を容易に持って行かれ栽培されることを防ぐ手立てがあるのかなども検討する必要がありそうです。ホームセンターなどの誰でも購入できるような量販店には種苗を置かないようにすることも策の一つかもしれません。
海外品種登録経費の支援制度(1/2補助)などを利用して、できる限り海外でも品種登録したいところです。

いずれにしても、労力して創出した新たな植物品種という大事な知的財産が容易に模倣されないようにする手立ては必要です。

ちなみに、
種苗法による品種登録の出願件数ですが、
2006年の1年間、国内で1347件の出願がなされておりました。
鳥取県からは11件出願されており、島根県からの出願はないようでした。(私の検索が間違っていなければ)
山陰地方の出願件数の少なさは際立っております。。。。

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