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森ゆき(もりゆき)

森 ゆき

コラム

中小企業のワークライフバランス、発注企業の責任大、大企業の取り組みに期待

ワークライフバランス

2016年9月19日 / 2016年9月22日更新

 企業での長時間労働が問題視されている。日本で女性管理職が増えないのも、男性の家事育児時間がのびないのも、メンタルヘルス不調者が増え続けているのも、ワークライフバランスがなかなか現実味を帯びてこないのも、すべては「長時間労働」が原因だと言われている。

中小企業の長時間労働、仕事を発注する側のモラルに問題あり

 なぜ長時間労働は減らないのか?さまざまな理由がありますが、原因の一つに「仕事を発注している側の企業のモラル」の問題がある。特に、私が10年間勤めていたIT業界では、発注側の企業の都合で作業を受託した企業が残業を強いられることが非常に多い。

 例えば、IT業界においては、システム開発を発注している企業側の都合による急な仕様変更がよくある。また、システム開発にはトラブルがつきもの。予期せぬ不具合が見つかり、やり直しが必要になることもある。

長時間労働

仕様変更でも納期はそのまま、しわ寄せは受託企業に

 問題は、仕様変更や開発の出戻りが生じたときでも、「納期はそのまま」とされてしまう場合が多いこと。本来はスケジュールの再検討がされるべきところを、発注企業がこれに応じない。従って、受託企業側で開発に関わっているエンジニアたちは、徹夜や休日出勤をして増えた作業をこなすことになる。受託企業は、発注企業から時間外労働を強制されているのです。

 こうやって予定外の時間外対応を強いられる状況は、たいていの場合一時的な対応にはとどまらず、開発プロジェクトが終了するまで続く。プロジェクトが進むにつれて、すなわち納期が近付くにつれて、長時間対応は激しくなっていく場合が多い。

 発注する大企業が、人手不足だったり、社員の残業時間を制限していたりすると、その分のしわ寄せは全て、受託した企業が負うことになってしまう。今後はますます、その傾向が強まるでしょう。

長時間労働2

政府が下請法を強化、「値引き」だけでなく「残業の強制」も取り締まるべき

 政府はこのほど、中小企業の賃上げと環境整備を目的として、「下請代金支払遅延等防止法(通称:下請法(したうけほう))」を強化する方針を打ち出した。下請法は、大企業が下請け企業に対して、有利な立場を利用して無理な値引きをしたり、支払いを滞らせたり、発注後に発注を取り消したりするなどの行為を禁止している法律。下請け企業を「金銭面で」守る法律です。これに違反する発注元企業は、指導を受けたり企業名を公表されたりする。

 私は、下請法のように「金銭」を取り締まる法律だけでなく、これからは「時間」を取り締まる法律が必要だと考えている。つまり「委託企業への時間外対応の強制の禁止」を明確に定める法律が必要です。

 特別な場合(社会的に影響の大きいシステムのトラブル対応など)を除き、増えた作業時間に応じた適正な納期の変更を発注企業側に義務付けなければ、作業を受託した中小企業の残業は減らない。

 開発プロジェクトの途中で発生するトラブルは、誰のせいであるかが曖昧なものが多い。予定外に増えた作業が、受託企業にも責任がある場合であっても納期の延長を義務付け、違反を取り締まるべきです。

ワークライフバランス、自社のみならず業務委託先企業にも配慮を

 大手企業では昨今、自社内の残業時間の削減や、自社の社員のワークライフバランスに配慮をする企業が増えてきている。しかし、自社の社員は定時に帰宅させ、業務委託先企業(外注先)の社員には無理な長時間労働を強制するようでは、CSR(社会的責任)上も問題がある。

 今後は、大手企業は自社だけでなく、業務委託先の中小企業の労働環境にも配慮をしていくべき。法的な取り締まりも必要ですが、大手企業の「モラル」の向上にも期待したい。

花とこども

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