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上野誠

10年のFP実務経験を持つ行政書士

上野誠(うえのまこと)

うえの行政書士FP事務所

コラム

ご遺骨の取り扱い 「行き先」を検討していますか?

終活 遺言 相続

2018年4月17日

こんにちは。
練馬区の行政書士・ファイナンシャルプランナー上野誠です。
今日は「ご遺骨の行き先」について考えてみます。

「ご遺骨の行き先」をめぐるトラブル

1年以上前のことですが、昨年2017年1月に時事通信社が配信した
「コインロッカーに妻の骨つぼ=死体遺棄容疑で74歳男逮捕―警視庁」
という記事がありました。

逮捕された男は2014年の夏に亡くなった奥様の遺骨を自宅で保管していたところ新しい交際相手の方と同居する家にこの遺骨をもっていけず、記事の言葉を借りれば「処分に困った」ことでこのような事態になったようです。
他にもやりようはあったと思いますし、奥様のご遺骨を「処分に困った」という、本当にそういう表現で供述しているのであればせつない話かなと思います。

さらにもう少し前の2015年のことですが、ご遺骨が商業施設などで遺棄される事件がありました。
このケースでは妻のご遺骨を遺棄した夫が「生前、苦労をかけられ、憎んでいた」という趣旨の供述をしていたという報道もあったようです。

最近では核家族化や単身世帯の増加などで付き合いのない親類のご遺骨を預からざるを得ないケースやシニア婚などによって墓を一緒にするのが難しいご夫婦のケースなど親族関係でおさめられないご遺骨もあるようです。
このようにおさめてもらえないご遺骨の存在が明らかになり始めています。

またよく女性の方で「主人と同じ墓には入らない!」という方がいらっしゃいます。
数年前からよく聞くようになったお話しで、私自身も時折耳にしております。
最近では「女性専用の共同墓」なるものもあるようです。
以前お話ししているいわゆる「死後離婚」こと姻族関係終了届にも絡んで「亡くなってまで夫と同じ墓はイヤ」とか「亡くなってまで舅姑といっしょなんて」という昔からある家族観というか家制度的なものに対してはっきりとNOと言えるような時代にはなってきたのかもしれません。
「ご遺骨の行き先」ということはきちんと考えておくことがとても大切だと感じています。

ご遺骨は自宅の庭でも埋蔵できない

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ご遺骨の取り扱いを間違えると刑法に触れることになります。
これは刑法第190条に次のような規定があるからです。

  「(死体損壊等)
    第190条
      死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、
     3年以下の懲役に処する。」

冒頭の記事文中では「死体遺棄容疑で逮捕」ということになっていますが、現実的には「遺骨」を「遺棄」したことになりますでしょうか。
またこれもご存知の方が多いと思いますが、ご遺骨は勝手にどこにもっていってもいいわけではありません。
このコラムで何度かお話ししている「墓地、埋葬等に関する法律」では第4条第1項で次のように規定されています。

   「第4条  
     第1項 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」

また納骨堂については「墓地、埋葬等に関する法律」の第2条第6項で次のようになっています。

   「第2条
     第6項  この法律で「納骨堂」とは、他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、
         納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設をいう。」

つまり原則としてご遺骨をおさめる場所というのは墓地や納骨堂ということになります。

私の父の遺骨がそうですが、おさめるまでの間自宅で安置していることは問題ありません。
その際一般的には火葬執行済みの印などがある火葬許可証、いわゆる「埋蔵許可証」と言われるものをお手元に一緒に持っておくことになるでしょう。
ただ仮にもしこれを自宅の庭に埋めるとなれば、「焼骨の埋蔵」を「墓地以外の区域」に行ったことになりますから先程の「墓地、埋葬等に関する法律」の規定によってルール違反になるわけです。

誰もが亡くなった方のお手続きとして火葬の後いずれかの時点で焼骨すなわちご遺骨をお墓などにおさめることが当然のことと思っているのではないでしょうか。
が、法律上の理屈づけはきちんとなされているということを知っておいていただきたいなって思います。

送骨、合同墓、納骨堂など選択肢を考える

さて冒頭の記事の件ですが、何か方法はなかったのでしょうか?
そもそもご遺骨をどうしたらいいのかわからないケースも人それぞれかと思います。
ご存知のように墓地や納骨堂におさめるにもそれなりの金銭が必要ですが経済的に難しいという方もいらっしゃるでしょう。

いろいろな理由でご遺骨の取り扱いに悩む方はいらっしゃるでしょうが、だからといってどこにおいてもいいというものではありません。
いろいろあっても「ご遺骨の行き先」を考えるということが必要になってきます。

以前にこのコラムのお墓か納骨堂か、それとも・・・ 様々な供養の形無縁遺骨と送骨のはなしなどでお話しした自治体のガイドラインにのっとった範囲での散骨やお寺さんなどで行っている送骨を利用するなど方法はあります。
いずれも費用のことは検討の必要がありますが、それにしてもご遺骨をどのようにおさめるのか何かしらの方法はあるはずで、「処分に困った」と言って遺棄していいようなものではありません。

軽々しい判断で今回の記事のように逮捕されては大変ですので、わたくしの事務所でもご相談はお受けしていますし、お近くの専門家の方々でもいいと思いますので一人で抱えずにお話しすることが大切です。
いろいろな想いはあるでしょうが、最後の供養と思ってご遺骨の行き先を考えてもらいたいものです。

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