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上野誠

10年のFP実務経験を持つ行政書士

上野誠(うえのまこと)

うえの行政書士FP事務所

コラム

後見制度支援信託の基本的なお話し

終活 遺言 相続

2018年3月8日

こんにちは。
練馬区の行政書士・ファイナンシャルプランナー上野誠です。

このところ成年後見制度についてのお話をしています。
今日は「後見制度支援信託」という制度についてお話しします。 
前回同様あくまで基本的なお話ですので、主に制度をこれからご利用しようと考えておられる方が参考にしていただければと思います。

どのような制度か?

「後見制度支援信託」はごく簡単に言えば日常生活に必要な金銭を後見人が管理し、それ以外の金銭については信託銀行に信託するという制度です。
「保佐」や「補助」そして「任意後見」では利用できない制度であることにもご注意ください。
信託銀行に預けた財産は元本が保証され預金保険制度の対象になっています。
なお預けることのできる資産は金銭に限られます。
有価証券などもそのままでは預けることができません。

この制度が生まれた背景として当時問題視されていたのが相次ぐ後見人の横領でした。
そこで対策として裁判所が信託協会と一緒に2011年2月に制度導入を発表しました。
ただ当初は専門職後見人の関連団体から厳しい意見があがりました。
その理由として挙げられていたのがこのコラムでの成年後見のお話しの最初でお話しした「ノーマライゼーション」「自己決定の尊重」さらには本人の身上面に関する利益の代弁という意味をもつ「アドヴォカシー」と言う考え方はどこにいったのか?という指摘でした。
とはいえやはり後見人の横領という問題は看過できないということもあり、関連団体との協議の上2012年2月よりスタートすることになりました。

裁判所ホームページ内の「後見制度支援信託の利用状況等について平成28年1月~12月」によれば平成28年1年間の利用人数は成年後見及び未成年後見をあわせて6941件、金額は約2144億円となっています。
また制度導入時からの累計利用人数は16950人、累計金額が約5520億円となっています。

制度利用の手続き等

東京家庭裁判所管内では現在金銭のみで500万円程度の所有者を主な対象としてこの制度の導入をすすめているようです。
この制度を導入するケースにおいてはまず専門職後見人が財産の調査などを行い制度の利用が必要であると判断すれば金融機関等と口座開設などの手配を行います。
このため手続きの手配を行った専門職後見人に報酬が支払われることになります。
その契約後専門職後見人は離職し親族後見人に引き継がれることになるのが基本形です。

その後は信託銀行からは信託財産状況報告書が定期的に送られてきます。
また信託契約後の後見事務としては普通考えにくいのですが定期交付金の変更や相続の発生や保険金の収入などによる追加信託などを行うことになります。
また逆に自宅介護における小規模なリフォームなどなどの際には一部を引き出したり大規模リフォームなどを行うことになれば解約したりということも起こりうるわけです。 
こういった事情が発生した場合、後見人は家庭裁判所に何にいくら使うのかを報告します。報告を受けた裁判所が内容について問題ないと判断すれば「指示書」という書類が出てきます。
これを被後見人の財産を預けている信託銀行に持参して必要な手続きを行うことになるわけです。
このように被後見人の言ってみれば普段使用しない金銭について日常費とは別に管理していく制度がこの「後見制度支援信託」ということになります。

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