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上野誠

10年のFP実務経験を持つ行政書士

上野誠(うえのまこと)

うえの行政書士FP事務所

コラム

法定後見における後見人の報酬の考え方

終活 遺言 相続

2018年3月4日

こんにちは。
練馬区の行政書士・ファイナンシャルプランナー上野誠です。

今日は前回の続きでいわゆる「法定後見」制度における報酬についてお話していきます。
前回同様あくまで基本的なお話ですので、主に制度をこれからご利用しようと考えておられる方が参考にしていただければと思います。

法定後見の報酬の目安

この報酬ですが被後見人の財産から支払われることになりますので、後見が続く限りランニングコストになる、という点には注意が必要になります。
東京家庭裁判所では平成25年1月1日付で「成年後見人等の報酬額のめやす」というものがウェブサイトに公表されています。
(リンク先はPDFでの表示になりますのでご注意ください。)
これをご確認いただければ幸いですが、簡単に言うと次のようになります。

 ・基本報酬 月額2万円
 ・管理財産額が1000万円を超え5000万円以下
  基本報酬額 月額3万円~4万円
 ・管理財産額が5000万円を超える場合
  基本報酬額 月額5万円~6万円

となっています。
なおここでいう「管理財産額」というのは「預貯金及び有価証券等の流動資産の合計額」とされています。
つまりいわゆる「金融資産」のことを指しています。
ですからこの管理財産額には土地建物などの「固定資産」は含まれていないことになるわけです。
通常の後見に関する事務についてはこの基本報酬額が基準になってくるでしょう。

ただしこの基本報酬とは別に「付加報酬」と呼ばれるものがあります。
先程の裁判所ウェブサイトの「成年後見人等の報酬額のめやす」では以下のように書かれています。

「成年後見人等の後見等事務において,身上監護等に特別困難な事情があった場合には,上記基本報酬額の50パーセントの範囲内で相当額の報酬を付加するものとします。
また,成年後見人等が,例えば,報酬付与申立事情説明書に記載されているような特別の行為をした場合には,相当額の報酬を付加することがあります」
(裁判所ウェブサイト内 東京家庭裁判所平成25年1月1日付「成年後見人等の報酬額のめやす」より引用)

この「付加報酬」が後見の内容によっては発生することがあります。
例えば成年後見人名義の不動産を売却する必要が出てきたようなケースにおいて、その事務手続き等は通常の後見事務とは言えないわけで「付加報酬」の対象になってくるでしょう。

申立を受けて裁判所が決定

そしてこの報酬額ですが、誤解のないようにお話ししておくと、後見人が決めることのできるものではありません。
後見人は1年間後見事務を行いその報告書とあわせて、報酬付与の申立を行います。
なお申立をしないことも可能ですから例えば親族の方が成年後見人になっていれば申立をしないで報酬を受領しないということもありえます。

さて私も以前に報酬付与申立書を書いたことがありますが、この申立書には報酬額を記入する欄がありません。
東京家裁の申立書には以下のようにあらかじめ印字されています。
「申立ての趣旨   申立人に対し,相当額の報酬を与えるとの審判を求める。」
つまり相当額というものは裁判所が決めるものであって後見人が決めるものではないのです。
確かに後見人が付加報酬を与えてほしい場合はそのための資料を添付する必要があります。
が、それも資料を確認して裁判所側で決めることになるわけです。

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