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上野誠

10年のFP実務経験を持つ行政書士

上野誠(うえのまこと)

うえの行政書士FP事務所

コラム

遺族年金の基本的な概要

ライフプラン

2018年2月6日

こんにちは。
練馬区の行政書士・ファイナンシャルプランナー上野誠です。

今日から数回、遺族年金についてお話しします。
よく「日本人は保険が好きである」というお話しをよく聞きます。
確かに万一の事態が発生した場合に保険金は必要になります。
ですから保険をまったく否定するわけではありません。

ただすべてを保険金でまかなう必要はありません。
なぜなら万一の事態が発生してもいろいろな収入が入ってくることも見込まれるからです。
以前に「必要保障額」のお話しをしていますが、万一の事態が発生した場合以後の収入と支出の差額を保険でまかなえばいい、というのが基本になってきます。
そしてその収入の柱になるものが「遺族年金」の制度です。
今日はその基本的な概要についてお話しします。

遺族基礎年金の概要

「遺族年金」は公的保障といわれていますが、年金の加入者が亡くなられた場合に遺族に支給される年金です。
この遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金という二つの仕組みがあります。
まず遺族基礎年金から見ていきましょう。

遺族基礎年金は以前の「母子年金」がそのもとになっています。
つまり夫が亡くなり、残された遺族が妻と子供の場合に支給される年金でした。
もう10年以上前になりますが、私がFPの試験勉強をしていたころは、まさに「母子年金がそのもと」であったために「子のいる夫」のケースでは支給されませんでした。
しかし平成26年(2014年)4月1日以降に妻が亡くなった場合においては要件を満たす「子のいる夫」にも支給されるように変わりました。

また「母子年金がそのもと」と申し上げましたが、この制度は残された遺族に原則として「18歳到達年度の末日までのこども」がいないと支給されません。
ということは「子のいない配偶者」は遺族基礎年金をもらえない、ということになります。
また残された遺族が「18歳到達年度の末日までのこども」だけ、つまり配偶者がいない場合はこの「子」が遺族基礎年金の支給をうけることになります。
このあたり「遺族基礎年金」は残された遺族、とりわけ残された「子ども」のための制度であると考えていただけるといいと思います。

ところでこの「18歳到達年度の末日までのこども」という表現がいささかわかりにくいところです。なるべくシンプルに言えば高校卒業までのお子さんだと思っていただければ結構です。
たとえばある年の9月7日に18歳になったお子さんがいる場合、翌年の3月31日までがここでいう子供としての定義になります。

遺族基礎年金の支給要件ですが、基本的には亡くなった人について
・被保険者または老齢基礎年金の受給資格期間が25年以上あること
(ただし亡くなった方の保険料免除期間を含む保険料納付済期間が加入期間の3分の2以上あること。)
となっています。
ただし亡くなった日に65歳未満の方の場合、亡くなった日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がないことというルールが平成38年4月1日前の死亡という条件付きで認められています。

遺族厚生年金の概要

もうひとつは遺族厚生年金です。
遺族厚生年金は亡くなった方が厚生年金に加入していれば、お子さんの有無にかかわらず支給されます。
ということは基本的に亡くなった方が会社勤めをしていた場合に支給される年金ということになります。
つまり厚生年金に加入していない人、一般的に自営業者やフリーランスの方が亡くなった場合残された家族の方にはこの遺族厚生年金は支給されないことになります。
これがよく自営業の方のご家族は遺族保障を手厚くする必要があるというお話しと関わってくる理由になるわけです。

遺族厚生年金の支給要件については亡くなった人について
・被保険者つまり在職中の方が亡くなったとき、
・被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に亡くなったとき。
という要件に先程の遺族基礎年金の支給要件もあわせて必要になってきます。
また老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある方が亡くなったときも支給要件に当てはまります。

遺族厚生年金については遺族基礎年金よりも支給されるご遺族の範囲が広くなります。
細かい要件もありますが、基本的には配偶者や子(18歳到達年度の末日までのこども)のみならず55歳以上の父母、祖父母なども含まれますが、亡くなった方によって生計を維持されていた必要があります。
また遺族基礎年金と違って「子のいない妻」にも支給されますが、30歳未満の子のいない妻については5年間の有期給付となる点には注意が必要です。

なおより正確な支給の要件は日本年金機構のホームページなどでご確認ください。
さて次回はもう少し細かく受給金額の例を見ていきましょう。

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