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上野誠

10年のFP実務経験を持つ行政書士

上野誠(うえのまこと)

うえの行政書士FP事務所

コラム

「死後事務委任契約」の注意点

終活 遺言 相続

2018年1月5日

こんにちは。
練馬区の行政書士・ファイナンシャルプランナー上野誠です。

前回死後事務委任契約の概要についてお話ししました。
今日は前回に続いて注意すべき点について触れていくことします。

預託金に関する注意点

まず一番の問題はお金の問題です。
死後事務を行うのにあたっては例えば葬儀等の費用など実費が大きくかかるものもあります。
しかし死後事務を相続人以外の第三者に依頼する場合はこれらに関するお金を事前に当該第三者へ預けておく必要が出てきます。
ここまでは前回もお話しした「預託金」のお話しですが、この「預託金」を事前に受任者にきちんとあずけないと死後事務が行われない可能性がでてきます。
というのも委任者のお金は委任者の死後、相続財産となりますから相続人のものであり死後事務を受任した方でも受け取ることが難しくなるからです。
なお相続人がいない場合でも相続財産にはなります。
この場合はその相続財産は前回少し触れましたが、相続財産管理人が家庭裁判所によって選任されその管理を行うことになります。

さて委任者は生前に預託金を第三者に預けるわけですが、もし預けられた第三者がそのお金を不正に流用したりすると大きな痛手を伴うことになります。
以前に高齢者の身元保証や生活支援、そして事後事務などを請け負っていた団体が預託金を流用し破産した事例もあります。
したがって前回の繰り返しになりますが、あまりにたくさんの費用がかかる死後事務の依頼は避けることが重要です。
特に大きな葬儀や法要などは費用のかかることがあります。
これらを預託金でまかなってもらうためには相手方がよほどに信頼できるものであるかをしっかり確認することが大切です。
とはいえそこをしっかり見抜くことがまた難しいところでもあるのですが・・・。

任意後見契約や信託の併用も検討する

また死後事務委任契約においては死後事務を託された人を監督する人がいません。
したがって死後事務を託された人がもし預託金を流用してしまったとしても気づかれない可能性があります。
本人に判断能力がある場合は定期的に預託金の状況の報告義務を課せばいいのですが、仮に認知症等で本人の判断能力が厳しい状況になると報告されても理解できない可能性があります。
こういったことを防ぐためには任意後見契約を別途締結し、死後事務を託した人を任意後見人とすることを検討するといいでしょう。
なぜならば任意後見契約は任意後見監督人がつかないと後見が開始しないからです。

ただ相続人はおろか信頼できる人があまりいない場合に死後事務を託した人が任意後見の契約だけをしておいて実際に本人の判断能力が低下しても任意後見開始に必要な申し立てをしない可能性も残されています。
ここまでくるととにかくどれだけ信頼できる人間関係があるかというお話しにはなってくるところが悲しい部分ではあります。

この死後事務については最近取り上げられる機会の多い民事信託を利用する方法もあります。
死後事務を託した人を受託者とする信託契約を締結し、死後事務に必要な資金を信託財産とすることで委任者の財産から切り離すことができるようになります。
死後事務を託された人、すなわち受託者は預かった信託財産をもって委任者の方が亡くなったあとに受益者に資金を給付する形が基本になります。
ただしその際には信託契約の内容及び信託の特性などをしっかりと理解することが大切になります。
また受託者を誰にするのか、そして受益者を誰にするのかなどもあわせて検討すべき大事なことになります。

死後事務委任契約は様々な工夫をしつつも利用を検討するに足る契約です。
詳細なことをお聞きになりたい方は是非一度お問い合わせ頂ければ幸いです。

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