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1/3オクターブバンド音圧レベルについて

浦山英樹

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今回は低周波音の評価に必要な 1/3オクターブバンド音圧レベルについてお話したいと思います。

音は複数の周波数成分が複雑に混在していますが、その周波数ごとの成分の大きさ(レベル)を調べることを周波数分析といいます。

音の周波数分析には 1/1オクターブバンド分析(単にオクターブバンド分析)と、1/3オクターブバンド分析ががあり、それぞれの中心周波数には以下の関係があります。

オクターブバンドとは

オクターブバンド(1/1 オクターブバンド)とは周波数比が2倍になる音程をいいます。
音圧レベルでは 1000Hz を中心として 2倍(1/2倍)することで求められます。

500×(1/2)=250Hz1000×(1/2)=500Hz 1000Hz 1000×2=2000Hz2000×2=4000Hz

可聴範囲の 1/1 オクターブバンドは 31.5Hz ~ 16000Hz までの 10 バンドです。

1/3 オクターブバンドとは

オクターブバンドを 1/3 に分割すると 1/3 オクターブバンドになります。
オクターブバンドの中心周波数に対し 1.25倍(1/1.25倍)することで求められます。

1000×(1/1.25)=800Hz 1000Hz 1000×1.25=1250Hz

可聴範囲の 1/3 オクターブバンドは 20Hz ~ 20000Hz までの 31 バンドです。
人の可聴範囲は 20Hz ~ 20000Hz ですが、これは 1/3 の周波数範囲と一致します。

1/3オクターブバンドの方がより詳細な周波数成分を知る事が出来ますが、どちらが良いといった事ではなく、目的に応じたバンド幅を選択しなければなりません。

1/3oct 低周波音、研究・開発用など
1/1oct NC値やN値の評価、遮音計算のデータなど

目的に合った分析方法が分からない場合は、1/3オクターブバンド分析を行う事で、後から 1/1オクターブバンド音圧レベルを求める事が出来ます。

1/3oct800Hz:63dB、1000Hz:62dB、1250Hz:62dB
1/1oct10×Log10(10^(63/10)+10^(62/10)+10^(62/10))=67dB

特に指示がない限り、オクターブバンド分析は Z特性(FLAT)で行います。

騒音計は機種ごとに測定範囲が決まっているので、A特性では一部の周波数範囲が最小測定範囲を下回ってしまう恐れがあるためです。 最小測定範囲を下回ると、機材の内部雑音の影響で正しい結果を得る事が出来ません。 Z特性(FLAT)であれば補正が無いので最小測定範囲を下回る可能性は小さくなります。 また、分析後に補正を行う事により、簡単に A特性オクターブバンド音圧レベルを求める事が出来ます。 Z特性(FLAT)による 1/3オクターブバンド音圧レベルは、様々な計算の基礎データとしてとても重要です。

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