まちの専門家をさがせるWebガイド マイベストプロ東京
向井了一

病院・クリニックの人事労務管理に強い社会保険労務士

向井了一(むかいりょういち)

向井了一社会保険労務士事務所

コラム

固定残業代とはなんですか?

残業代

2015年3月17日

固定残業代とは?

固定残業代とは、一定時間分に相当する残業代をあらかじめ定めて、「手当」として支給するものです。
残業が毎月のようにある会社をイメージすると分かりやすいと思います。
毎月毎月残業計算するのも繁雑な作業となるので、一定時間の残業代をあらかじめ手当として払う、と決めておくことです。

■会社にとってのメリット、デメリット

メリットは、前述の残業代にかかる繁雑な作業を改善できる点にあります。
社員数の多いところなどは、これによってかなり時間を省略することが可能です。

一方、デメリットは、あらかじめ手当として払う、と就業規則や契約書に規定するために、残業時間が一定時間を下回ったとしても、下回った時間分を控除することなく定額を支払わなければなりません。控除してしまうと、賃金の全額払いに反することになり、労働基準法違反となります。

■社員にとってのメリット、デメリット

会社にとってのデメリットが、社員にはメリットになるかもしれません。
つまり、一定時間に満たない残業時間であっても、あらかじめ定められた金額を受け取ることが出来る点です。

デメリットは、固定残業代の運用がきちんとなされていれば、ないでしょう。


固定残業代の運用上の注意点

「固定残業代の運用がきちんとなされていれば」という点に注意が必要なのです。

■導入するには

固定残業手当を導入するには、あらかじめ就業規則や契約書に規定することが必要になります。

また、固定残業手当の支給が残業代の支払いと認められるためには、『割増賃金相当部分とそれ以外の賃金部分とが明確に区別され、さらに、労働基準法による額がその額を上回るときは、その差額を当該賃金の支払い期に支払うことが合意されていることが必要である』とされています。
(小里機材事件最判昭和63年7月14日労判523号6頁参照)

つまり、基本給の中に固定残業手当が含まれていると言われるけども内訳が明確でない、いくら残業しても含まれているから、と言われてしまう、などのケースは、固定残業手当と認めらません。


■運用上の注意点

契約書に規定するというのは、例えば、30時間分を固定残業手当として支給する、と規定した場合、30時間分に相当する金額は、社員によって異なる金額になります。

社員によって基本給が異なるのに、固定残業手当が一律20万などの場合には、それぞれの社員に合った固定残業手当に相当する時間を超えた残業時間分の手当を、別に支給しなければなりません。

また、それぞれの社員ごとに固定残業手当を規定していても、固定残業手当に相当する時間を超えた場合には、やはり超える分を支払わなければなりません。

そして、デメリットの点で述べましたが、固定残業手当に相当する時間を下回ったとしても、規定された金額を支払わなければなりません。

最後に、何より前提として、就業規則に規定しておくことが必要になることに注意しなければなりません。


まとめ

運用上の注意点が守られれば、固定残業手当は会社にとっても社員にとってもメリットのあるものとなるのです。

固定残業手当を採用している会社が、即ブラック企業となるわけではなく、きちんとした運用がなされているかを確認することが必要です。

この記事を書いたプロ

向井了一

向井了一(むかいりょういち)

向井了一プロのその他のコンテンツ

Share

向井了一プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
03-6754-5810

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

向井了一

向井了一社会保険労務士事務所

担当向井了一(むかいりょういち)

地図・アクセス

向井了一プロのその他のコンテンツ