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岡田宏之

中小企業の知財を守る弁理士

岡田宏之(おかだひろゆき)

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コラム

何のために、特許をとるのか

特許

2017年8月22日

 前回、“一番大事なのは、「何のために、特許を取るのか?」です。言い換えれば、「特許を取ればどうなって、特許を取らなければどうなるのか?」ということです。”と、書きました。
 多くの方は、“特許=独占”という、イメージを持たれているかもしれません。確かに、特許は、独占(参入障壁の構築)に大きな力を持ちえます。しかし、特許取得は、この独占のための唯一の手段ではなく、多くの手段のうちの1つです。

 例えば、新規開発の製品を市場に出し、高シェアを獲得したい場合、特許による参入障壁の構築の他に、
・原材料の入手ルート(入手価格)や既存の設備の転用等で、他者より価格の面で優位に立つ、
・自社の既存製品や自社自体に知名度がある、既存製品や既存サービスとの組合せなどによる顧客誘引力を利用する
など、いくつかの手段が考えられます。
 これら、複数の手段の中で、特許取得が最も好ましいとなれば、特許出願を考えることになりますし、他の手段の方が好ましいとなれば、特許取得に固執する必要はありません。

 特許は、独占のための唯一の手段ではありませんが、逆に、参入障壁の構築が、特許による唯一の効果ではありません。
 参入障壁は、競合となる他者に対するものですが、新規開発の製品の購入者(顧客)に対する効果もあります。例えば、その製品が特許取得技術を利用しているのであれば、「これまでにない新しい機能を有する」「他社製品では得られない効果を奏する」など、自社製品に対する顧客の購入意欲を刺激することになるかもしれません。また、「元祖」「先駆者」といったイメージにつながることもありそうです。

 さらに、特許取得の過程でも様々な効果を得ることができます。特許取得の際には、「より広く、より強い」権利を目指すのが一般的ですが、この過程で、
・想定している事業よりも上流側に事業領域を広げられる、あるいは、上流側の企業に対して優位に立てる可能性
・想定している事業よりも下流側に事業領域を広げられる、あるいは、下流側の企業に対して優位に立てる可能性
・想定している領域とは異なる領域に事業領域を広げられる、あるいは、異なる事業領域の企業と共同開発を行える可能性
・自社製品の高性能(高付加価値)化、廉価版の可能性
・競合他社の動向
などの検討も系統的にできることがあります。

 このように、特許取得は、経営戦略の中で、唯一の手段でもありませんし、特許取得の効果も1つではありません。ある弁理士さんが言われていた言葉に、「たかが特許、されど特許」というものがありますが、正にその通りだと思います。

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