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  1. クラウド・IoT時代に強い特許とは?→①データ構造特許,②UI特許
諌山太郎

スタートアップ、個人向けに発明コンサルティングを行う弁理士

諌山太郎(いさやまたろう) / 弁理士

いさやま特許事務所

コラム

クラウド・IoT時代に強い特許とは?→①データ構造特許,②UI特許

2019年12月3日 公開 / 2019年12月13日更新

テーマ:IoT

コラムカテゴリ:法律関連

要約

クラウド・IoTが隆盛の今日では、ソフトウェア系のIT特許を取得しても、サーバが海外にあったり、処理を行う機器が分散化しているために、特許侵害の発見が困難という問題が生じます。
そこで、①データ構造の特許や、②ユーザーインターフェイス(UI)の特許を取得することで、特許侵害を発見しやすい強い特許にすることができます。


導入

東芝は、様々なIoT機器を簡単に連動させることができるプラットフォームifLinkでオープンコミュニティを設立し、京セラやソフトバンク、デンソー、KDDIなどをはじめとした100社のIoT連合を目指すと発表しました。

このように、IoT分野やAI分野での協業や技術開発は活発化し、第四次産業革命が起きると予想されており、IoT関連の特許出願も年々増加しているため、特許庁から、IoT特許の審査基準となる事例が相次いで発表されました。

そこで、本稿では、クラウド・IoT時代の強い特許を取得する2つの方法を解説したいと思います。


その1.データ構造特許


データ構造特許

 説明のための簡単な例として、上の図では、スマートフォンなどの端末が、画像などのデータをクラウドに送信して、クラウド側で自動画像編集などの処理を行い、編集画像データを端末に返送する例を示しています。
 ここで、自動画像編集のソフトウェア特許が取得できたとします。しかし、サーバが分散化されクラウド化されていたり、サーバが海外にあったりすると、このソフトウェア特許では、侵害の発見が非常に困難になります。サーバ内部のアルゴリズムを直接見ることができないからです。
 すなわち、このソフトウェア特許は、クラウド時代には弱い特許といえそうです。
 そこで、強い特許を取る1つ目の方法としては、スマートフォンなどの端末が、送受信する画像データや編集画像データなどのデータ構造で特許を取得する方法があります。
 このデータ構造特許が得られれば、サーバの内部アルゴリズムが分からない場合であっても、端末内部にあるデータを見ることによって、特許侵害を特定することができます。

 なお、上記は、クラウド型スマホアプリの例ですが、3Dプリンタや、スマートホームIoT機器などでも考え方は同じです。
 このように分散化・クラウド化されていても、データ構造に特徴があれば、データ構造特許とすることで、強い特許が得られます。


その2.ユーザーインターフェイス特許(UI特許)


UI特許

 強い特許を得る2つ目の方法は、ユーザーインターフェイス(UI)の特許を取ることです。
 上の図は、前述したのと同じ状況を示しており、ソフトウェア特許では、侵害の特定が困難です。
 そこで、サーバ側のアルゴリズムではなく、端末側の操作方法や画面遷移を特定したユーザーインターフェイス(UI)の特許として取得するのです。
 このUI特許ですと、サーバ側の内部アルゴリズムが不明でも、スマホなどの端末を操作してみるだけで、特許侵害を特定することができ、強い特許になります。

 3Dプリンタや、スマートホーム、IoT機器などでも考え方は同じで、一般ユーザが行う操作方法や画面遷移でUI特許を取得すれば、強い特許になります。


結論

強い特許を得る手段として①データ構造特許と②UIの特許の考え方は、クラウド、IoT分野に限らず、AI分野やロボット分野などにおいても、広くIT分野全般に応用できる考え方です。
特許を取得する場合には是非参考にしてみて下さい。


参考文献:
特許庁・IoT関連技術の審査基準等について

この記事を書いたプロ

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諌山太郎(いさやま特許事務所)

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