まちの専門家をさがせるWebガイド マイベストプロ東京
岡部眞明

人と共に成長する会社を支援するコンサルタント

岡部眞明(おかべまさあき)

岡部コンサルタンツ

コラム

補助金の使い方を規制する補助金等適正化法にまつわるお話~中小企業の経営者のための補助金講座②~

2018年1月31日

前回は、補助金を巡る言葉の使い方、特に霞が関界隈で使われる言葉の意味の微妙な違いについて解説しました。
今回は、国の補助行政の一般法であり基本法、原則法とされ、私たちが補助金等に係る仕事をする場合に、お金を出す国の機関だけでなく、受け取る私たちをも規制する法律「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」(以下「補助金等適正化法」)と、前回開設した微妙な意味の違いの「意味」を解説します。

国のお金は、私たちの税金で賄われていることは皆さんご存知ですよね。私たちの税金は、確実に管理され効率的に使われなければならないことは、当然なことです。
その為、財政法や会計法など多くの法律が定められていて、国がお金を使う場合はこれらの法律に従うこととされています。補助金等適正化法は、そのうちのひとつですが、国のお金を国以外の人が使う場合のことも決められているのが特徴です。

この補助金等適正化法は、それまで補助金に関する不正事案が、1,000件以上に上っていたことに対応するために、昭和30年に作られました。その後、不正事案の件数は1/3以下に激減していますが、全体件数も減っているため
依然として全体の60~90%を占めています。
ということで、このところのM友学園やPコンピュターは論外で、両者の起訴事由の詐欺罪までいかなくとも、刑事罰が用意されている戦後生まれのこの法律は、まだまだ現役といったところです。
 
16「補助金の類」は、予算上、14「委託費」とともに「国以外の者を通して一定の政策目的を達成するための経費」として、「補助金等」と呼ばれています。(前回参照)

一方、補助金等適正化法が適用される「補助金等」は、「交付する相手側に相当の反対給付を求めない」経費として、法第2条及び同法施行令第2条に定義されています。
両者の関係は、図-1に示すように「国以外の者を通して、政策目的を達成する」予算上の補助金等より、「反対給付を求めない」補助金等適正化法上の補助金等の方が、小さな集合になっています。
図1補助金等の分類の違い


前者と、後者のうち民間企業が関係する機会が多い「委託費」の事務処理上の取扱の違いを整理すると、表-1のようになります。
表1補助金と委託費の違い

補助金等適正化法上の補助金等には、「反対給付を求めない」、「相手方が利益を受ける」、(確実、効率的執行のため)「使途が定められている」という共通した性格があります。

そうした性格を踏まえて、補助金を使う場合、交付要綱に則った取扱をすることとされ、さらに、その取扱いの詳細について「事務取扱規則」を定めて、国及び補助事業者に厳格な取り扱いを求めています。

一方の委託費は、国と相手方との関係は、あくまで私法上の双務契約が基本であり、その効率性や確実性は国の会計法規に則った取扱により担保することになっています。

しかし、実際の取扱は、委託費は予算上、「補助金等」となっていて、一部が実際に「補助金等適正化法上の補助金等」(図-1)となっていることもあり、相手方との関係は「委託契約書」の他に、補助金とほぼ同様の「事務取扱規則」よって、双方を規制している場合がほとんどです。

たとえば、委託契約を行う場合、一般の契約は会計法の規定により、価格等による競争契約に付して、契約相手を決定しますが、「事務取扱規則」あるいは「委託契約書」には、補助金等適正化法と同様、「額の確定規程」や「利益の排除」「経費の流用制限」等の規定によって、事業完了後に支払額が減額される場合が多くあるのです。

特に、研究開発事業の場合、当初計画通りに進まないという事態はありうることであり,そのたびごとに流用の許可などの事務手続きを行うことは、受託成果達成のための時間的制約等から現実的でない場合や、成果達成の妨げになることもあるため、相手方は、受託成果と受託金額減額の板挟みになることもしばしばという実態があるのです。

勿論、税金を使うのですから、その処理は確実、適正に行うことは当然のことであることは言うまでもないことですが、これ支出する側においても、その経費の性格に合わせた執行を行うことによって、相手方に過大な負担をかけることなく、「国以外の者に行わせる」という民間の力を大いに活用し、十分な政策目的を達成できるような措置が必要なのではないでしょうか。

(不当干渉等の防止)
第二十四条  補助金等の交付に関する事務その他補助金等に係る予算の執行に関する事務に従事する国又は都道府県の職員は、当該事務を不当に遅延させ、又は補助金等の交付の目的を達成するため必要な限度をこえて不当に補助事業者等若しくは間接補助事業者等に対して干渉してはならない。

補助金等適正化法では、必要以上に補助事業者に干渉することを諌めています、この厳しく法律が有効に機能するには、この条文が重要な位置を占めていることを忘れるべきではないのではないでしょうか。

※反対給付とは、たとえば、物を買う場合に私たちが支払う代金に対して、お店の方が渡してくれる商品や、宅配業者に支払う料金の見返りに、孫にプレゼントを届けてくれるというように、相手の行為の対価の意味を持つ他方からの給付のこと。

中小企業にとって最大の経営資源、「人と組織」から考えます。
http://www.oka-masa.info/

外国人研究者のための法人を立ち上げました。留学生やワークショップにも大手不動産会社と連携して支援します。
また、地域文化と外国人、地元企業と首都の企業の協働をプロデュースして、地域から日本を発信します。
http://www.glcc.or.jp/

私の愛読書が紹介されました。よろしかったらどうぞ。
https://my-best.com/lists/324/

この記事を書いたプロ

岡部眞明

岡部眞明(おかべまさあき)

岡部眞明プロのその他のコンテンツ

Share

岡部眞明プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
090-6959-9897

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

岡部眞明

岡部コンサルタンツ

担当岡部眞明(おかべまさあき)

地図・アクセス

岡部眞明のソーシャルメディア

facebook
Facebook

岡部眞明のソーシャルメディア

facebook
Facebook

岡部眞明プロのその他のコンテンツ