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中村正巳

生産性を劇的に向上させる組織開発コンサルタント

中村正巳(なかむらまさみ)

オフィス中村

コラム

チームをまとめるのに大切なことは何か?

経営・人事戦略

2018年6月6日 / 2018年6月7日更新

サッカーのワールドカップ開催までいよいよあと2週間となりました。開催直前の2か月前にハリルホジッチ氏から西野朗氏に電撃的に代表監督交代となった侍ジャパン。果たして結果は吉と出ますでしょうか?ここではハリル氏のめざした戦術論や選手起用などの問題を論ずるのではなく、組織開発の視点から「チームをまとめるのに大切なことは何か?」というテーマで語ってみたいと思います。

ハリル氏の解任理由の第一に、日本サッカー協会は「コミュニケーションの問題」を挙げていました。もちろん、日本語が通じない外国人監督は今までも経験があり、言葉の壁があることは当初より分かっていたことです。それ以上に、コミュニケーションの問題があったということは、現場の選手サイドから言葉の壁以上に戦術・選手起用・指導法など、代表監督の存在価値とも言える指導面において、選手自身が納得できるリーダーシップが取れていなかったということへの不満が蓄積していた、結果としてコミュニケーションのベースとなる監督との、そして選手同士の信頼関係が築けず、チームがまとまらなかったということが考えられます。

言うまでもなく、サーカーはチームプレーが生命線です。グランドの選手が別々に動きながらも、全選手が戦術を叩き込んで一丸となってゴールを狙っていく。また、同時に自陣ゴールを守る。こうした攻守にわたる連携プレーの優劣が勝敗を決するゲームです。そして、試合中にピッチに立って監督に代わって状況を冷静に判断し、ゲームをプランニング・コントロールするゲームキャプテンの役割は特に重要となります。

キャプテンには、メンバーや敵チームの選手の動きを見て瞬時に状況を判断する状況認識力と、戦術を組み立てる発想力。そしてその意図を実行する展開力が求められます。さらに、強いチーム・まとまりのあるチームに求められるのは、キャプテンに限らず、ピッチに立つ全選手が同じように相手の動きを予測して動き回り続け、チャンスを作っていくということです。相手の裏に球を出すオフサイドぎりぎりのキラーパス。ゴール前に飛び込んでくる味方を予想したサイドからの絶妙のクロスなどは、このような暗黙知の連携の中で生み出されていますが、こうした以心伝心のプレーを多くできるチームが常勝チームとなっているということが言えます。その意味で、真にコミュニケーションの取れるチーム、まとまりのあるチーム作りが常勝軍団への第一歩となることは間違いなさそうです。それが、ハリル前監督の下では実現できなかった。

今回のワールドカップに臨むに当たりキャプテンの長谷部誠選手はインタビューに答えて、チームをまとめるために大切なことは「価値観の違うことを受け入れて、お互いを尊重すること」と話しています。また、2010年の南アフリカワールドカップでベスト16躍進に導いた元全日本監督の岡田武史氏は選手たちに、「お互いに好きでなくて良いから、リスペクトしろ」と強調していたそうです。

共通して言えることは、考え方・価値観は皆違う。育ってきた環境もしたがって個性も違う。そんな中でもお互いを尊重し合える環境を作ること(職場作り)が大切。縁あって同じチーム(職場)で戦う(働く)ことになったメンバーが、その違いを乗り越えてお互いを認め合いながらお互いの強みを活かし、ポジティブに高め合って成長し合い、同じゴール(目標達成)に向かって力を合わせていく。ゲーム中に心を合わせお互いに次の動きを瞬時に理解し合えることができる、そういうことができる環境・メンバーを育成することが大切だということです。

団体競技スポーツの原点がそこにあります。そしてそれは、ビジネスの現場においてもピタリと当てはまる原点とも言えます。チームの監督(経営者)が、コーチ(管理職)が、そしてキャプテン(現場リーダー)がメンバーを巻き込んでどのようなチームにしていくのか、どのように常勝軍団にしていくのか、スポーツから学ぶ指導者(経営者・管理職・リーダー)のあり方(チーム・ビルディングの方法)には非常に参考になるものがあります。

本番前の強化試合はボロボロでした。時間がない中、西野新監督そして代表メンバーは何を思い、また行動しているのでしょうか?結果を求められる厳しい状況ではありますが、火事場の馬鹿力を発揮して立て直し、是非頑張ってもらいたいものです。日本代表の奮闘に期待したいものです。

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