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中村正巳

生産性を劇的に向上させる組織開発コンサルタント

中村正巳(なかむらまさみ)

オフィス中村

コラム

働き方改革と組織開発(3)

経営・人事戦略

2018年3月7日 / 2018年8月27日更新

組織開発の手法としては、組織の明文化できないソフト面(社会関係資本や人的資本)に働きかけていくこと、特に組織の人間的側面にフォーカスしたさまざまなアプローチが研究され、実践されてきています。経営学はもとより脳科学、神経科学、行動科学、組織心理学、特にポジティブ心理学の知見などを活用して、単に知識の吸収による理解ではなく、一人ひとりが自らの内面と向き合うところから出てくる「気付き」と自律性を大切にしていきます。

組織開発のベースとなるチームビルディング、リーダーシップ開発、課題解決会議などにおいては、ワークショップを中心としたグループワークが中心となりますが、代表例としては、いずれも訓練された専門のファシリテーターにより、アクションラーニング(数名の小グループによるワークショップ。気付きを促す「質問会議」など。問題の本質、解決策などを決められた時間の中でメンバーと共に考え決めていく手法)、AI(Appreciative Inquiry;ポジティビティをベースとして、人や組織の強みを共同で探して課題を解決し、新たな可能性に全員でチャレンジしていく手法)、レジリエンス・トレーニング(過去の困難な体験から、自分自身の考え方のクセやその時発揮された強み・価値観などを他のメンバーと共同して再発見する手法。ダイバーシティトレーニングにも有効)などがあります。

先日モニターをさせていただいた早稲田大学の一般教養課程においてもアクションラーニングの講座があり(リーダーシップ開発プログラム担当日向野幹也教授)、1、2年生を中心に、安全な環境の中で毎回提示される異なった問題に対し、「質問会議」を繰り返し開催し、順番にファシリテーションの技術を磨きながら、問題の本質を探究し、実行可能な解決策を共同で導き出す実践的な訓練を行っていて、問題を俯瞰して客観的に本質を捉えていくメタ認知能力やリーダーシップ開発など、経験値の高い社会人をもうならせる優れた能力開発を20代前後から身につけさせていることに驚きと高い将来性を感じることができました。

組織開発のフェーズとしては、まずはエントリーして、組織開発を始めるコンセンサスを得る必要があります。第三者のコンサルタントや社内のOD担当などが中心スタッフとなり、まずはデータ収集、分析から始めます。この際、ODスタッフは関係者へのヒヤリングやアンケートなどを通じて、おおよその問題の所在などは見当を付けておくことが重要です。一般的には開発しようとする職場の構成員全員の参加が望ましいのですが、選抜してチームを編成する場合でも、現場のリーダー・管理職が問題の源泉となっているケースや、古くはホーソン実験などでも確認された影響力のあるインフォーマルな組織(職場で特に強い影響力を持つ仲良しグループやそのボス。陰の人事部長?お局?)の存在も多く、メンバー同士の関係性の問題まで踏み込んでいくアプローチをしていくことから、その辺りは注意する必要があります。

キックオフ後は、チームで何が起きているか(プロセス)を確認・把握するところから始め、それについて全員で考え語りあっていくことが重要となります。その中から、問題の本質を把握・理解し、変革に向かってメンバー全員で自ら計画して実行していきます。そのためにも、会議の場が何でも語り合える安全な場である必要があり、職場の管理者は日ごろから日常的に信頼関係が生まれるよう配慮したり、ファシリテーターは会議の場において、安全にお互いの自己開示が進み素直に議論が進むよう、またポジティビティをベースに議論がネガティブにならないようファシリテートしていくことが重要となります。

このようにして自ら(チーム)の問題に気付き、お互いの知恵を集めて建設的にその解決策が検討され、実行されていくプロセスが組織開発の重要なプロセスとなります。もちろん会社・管理者は積極的に支援し、解決策の実行を真剣に検討し実現させたり、また組織全体に反映するよう標準化したり、その成果に対しては積極的にチームを褒め称えるフィードバックを実行するなどの体制をとらなければなりません。一人ひとりが現場の問題を「自分事化」し、また組織全体で解決に向け取り組んでいく活動となるのが理想です。このようなプロセスは、いわゆる「現場力」そのものとも言え、従来日本の組織・職場では得意分野でありました。ところが、改めてこの領域にスポットが当たるようになったのは何故でしょうか。現場力が落ちているのでしょうか?

これは前述の通り、労働人口は減っているのに一人ひとりに求められる成果は増大していることなどからくる負担感・ストレスの増大。パソコンの普及などによる個業化とチームワークの難しさ。プレイヤー化ならざるを得ないマネジメントによるコミュニケーション不足やサポートの希薄化。MBO(目標管理制度)の弊害でもある短期的な成果の重視などから、チームとしての職場の健全性、まとまりが大きく毀損して、労働の質を決める一人ひとりのメンタリティ、仕事への熱意といったエンゲージメントが大きく後退している現状があるからに他なりません。そのようなことから言えば「現場力」は確かに落ちていると言わざるを得ないでしょう。日本全体の生産性の低迷も説明がつきます。

真の働き方改革は長時間残業の制限など制度面の整備以上に、そこで働く一人ひとりのメンバーの内面の充実、チーム力・現場力そして生産性の向上を目指したものでなければなりません。女性活躍社会の実現!当然であります。組織開発の必要性が強く求められている理由がここにあります。
以上
                                                                 

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