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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

コラム

おひとり様を守る「契約について」

2019年9月11日 公開 / 2019年9月19日更新

テーマ:おひとり様の終活


【今日のポイント】

 おひとり様でこれまでは自由気ままに人生を謳歌してきた方も、歳を重ねるに連れ、いろいろと日常生活に支障を生じることが増えていきます。
 今回は、今後遭遇するであろう人生の節目に備える「おひとり様にとって」必要な契約について紹介したいと思います。

【見守り契約】

 まだまだ心身ともに元気、今のところ心配することはないものの、何かあった時の備えはそれなりに考えておきたい。とりあえず何かの時に連絡出来る相手を見つけておきたい。

 過去に一度でも事故や大病を経験したおひとり様は、60歳前後になると一層この想いを強くするようです。 かといって、友人や知人に病院への付き添いや定期的な安否確認をお願いするのは「重い負担」を強いるようで気が引けて躊躇しているまま、さらにはそういう話が出来る知り合い自体が近辺にいないのが実状というケースが目立ちます。

 こういう時に有効なものが「見守り契約」です。

 一般的には、一人暮らしの高齢者の安否確認が代表的で、定期的な電話連絡や可能であればメールのやり取り、自宅訪問といった各種の方法で「生存確認、安否確認」を行う契約です。 契約によっては、事故や病気、怪我等の際の病院への付き添いも依頼出来るようになります。

 所謂契約となれば、報酬が発生しますが、平均的な報酬額としては月額で上限で5千円が目途となっています、年間では5万円台といったところでしょうか。

 契約先としては私のような士業従事者の他にも、最近では社会福祉協議会やNPO団体でも積極的に契約に応じており、契約先は拡大しつつあります。

【財産管理契約】

 見守り契約の次の段階になりますと、何かしら生じてきた問題への対応の為の契約が必要となります。

1)身体的な問題
2)判断能力の問題 

 概ね、この2つの問題が契約対象になってきます。

 財産管理契約は、このうちの1)身体的問題の場合への対応となります。 例えば不慮の事故や病気で歩行に支障が生じてしまった等、判断力には問題がないものの自分で金融機関や役所の窓口に出向くことが出来なくなった場合にこの契約が有効となります。

 財産管理契約の場合、先と同じく当人の判断能力には何ら問題がないので、当事者間の契約だけで成立しますし、契約内容についても当人が自由に決めることが出来ます。一例を挙げれば、生活費の引き出し、定期的な振込み、買い物等に関係する項目を決めることが出来ます。

 これも見守り契約と同様に、士業従事者や社会福祉協議会、NPO団体で行うことが可能になっています。

 平均的な報酬額は、概ね月額で3万円から(管理項目の多寡等で変動します)が目安のようです。

【任意後見契約】

  上記した問題の中で、2)判断力の問題の場合に対するのが、この任意後見契約となります。 既にかなり認知は広まっているようですが、2つある成年後見の中のひとつです。(もうひとつは法定後見)
 
  この契約は「財産管理と身上監護」の2本柱が原則となっており、自分にまだ正常な判断力があるうちに、将来の認知症発症や不慮の事故、病気での判断能力の喪失に備えるものとなります。

 詳細は既に何度もここで紹介してるので省略しますが、重要なのは「判断力が正常な期間に」契約することが必須の契約であるという点です。

 さすがに50代で認知症に備えるという用心深い方はまだまだ少数派ですが、先に書いたように交通事故や脳疾患等は年齢を問いません、契約の判断はあくまでも自己責任となります。

 この契約は、公証役場で公正証書とすることが定められており、家裁による任意後見監督人の選任を必要とする等、手続きは今までになく煩雑にはなります。 また、それなりの費用も発生することも事実です。

 但し、契約内容は当人に判断能力があるうちに契約するため本人の希望を基にした内容にすることが可能です。

 多くの場合、士業従事者が契約対象になっていますが、最近は再び親族後見人も増えてきているようです。

 報酬額ですが、専門家との契約の場合は月額で5万円前後が目途で、契約の発効=判断能力の喪失から費用が発生する仕組みとなっています。 仮に50歳で契約し、発効が80歳という場合、この契約の報酬の発生は80歳からとなります。

  今回のテーマはおひとり様なので、説明は省きますが「家族信託」も判断力低下の際の当事者の財産管理や資産運用まで可能な契約となります。

【自分の死後の為の契約】

 いよいよ最終段階=死亡時から死後にかけて必要になる契約です。
 
 自分の財産を、自分の意向に沿った形で処分したいのであれば、まずは遺言書の作製です。 公正証書遺言か自筆証書遺言か、また遺言の内容を実行してくれる「遺言執行者の選任」も忘れずに決めておかなければいけません。 また遺言書に加えて、別にエンディングノートの用意も必要かと思います。肝心の遺言書の種類や保管場所をここに記載しておけば、死後の手続きがスムースに進められるからです。

 そして最後の最後が「死後事務委任契約」です。

 これによって、今まで入院していた病院での未払い費用の清算や葬儀の手配から実施、自治体への届け出、他にも公共料金を始めとする各種の契約の解約や清算、さらには死亡連絡などの手続きを委任することが出来ます。また遺品整理や秘匿品の処分なども契約対象になるので人目に晒したくない物品の処分等も契約の対象になります。

 この契約の場合、その契約内容によって報酬額はかなり変動します。 それなりの家財を持っているであろう60代以上の場合であるならば、概ね報酬額の目安として50万円以上は覚悟したほうがいいかもしれません。

 以上が、シニア世代のおひとり様が今後考慮すべき各種の契約の流れですが、各契約は個々に締結しなくてはいけないというものではなく、連携した内容での契約も可能なケースがあります。詳細について知りたい場合は、お気軽にご連絡下さいますようお願い致します。

この記事を書いたプロ

寺田淳

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