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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

コラム

デジタルファースト法案と行政書士

最近の話題から

2018年6月15日





【今日のポイント】

 あまり大きな話題にはなっていませんが、この秋にも法案提出が噂されている「デジタルファースト法案」とは何か? 何が変わるのか?その結果は行政書士に関係してくるのか? これらについて紹介したいと思います。




【法案の概要】

 ひと言で言いますと、企業や個人の行政手続きを原則全て電子申請に一本化するというものです。

 法案には「行政手続きについてはオンラインを原則にする」と明記されたようで、これによってインターネット上で本人確認を行い、従来のような住民票の提出や関連する書類添付の用意などの手続きを省略出来るものとなるようです。

 他にも、パソコン機器を通じて転出、転入時の住居変更、法人設立の手続き等も可能にすることで、書類作成や収集、提出の手間を省くことを目指しています。

 マイナンバーカードも当然一役買っており、本人確認も書類による確認からカードでの確認が可能になるようで、ますますマイナンバーカードの利用範囲が拡大されるようです。

 検討段階ではありますが、転居の際に電子申請を選択すれば住民票の移転だけでなく、電気やガスと言った公共料金の契約変更時に欠かせない住所変更手続きも同時に済ませられるようになるとありました。

 他にも行政機関同士で必要な書類をオンラインでやり取りできるシステムを構築し、住民の行政に関連する手続きの手間を最大限軽減できるシステム展開を目指すとありました。



【変わる? 変える? 行政書士業務】

 ざっと見ても、実現すれば利用者の立場からは手間が省け、いいこと尽くめの法案です。 とはいえ、官公署への書類提出代行や許認可業務を主な取扱業務としている我々行政書士を始めとする士業従事者にとっては痛しかゆしというのが偽らざる心境でしょう。

 私の経験上、この手の業務依頼の動機として、作成は自分でも可能だが「申請や提出に時間が割けない」為の依頼というケースは少なくなりません。 中には依頼ついでに作成もお願い・・・ という余禄もあったことも。

 ですが今後、この流れの中では大幅にこの手の依頼は減少するとみるべきでしょう。 どこまで、いつからオンライン化されるのかがまだ流動的なようですが、必ず実現するとみて、将来の主任業務の見直しを図るべきでしょう。

 今までも規模は小さいですが、類似の変化はありました。 私が学生の頃、自動車免許を取得し、運転免許試験場に赴いた時には駅前から会場までの通路の両脇には行政書士事務所が林立し、和文タイプで書類作成代行を謳っていましたし、所謂「客引き」に近いような勧誘も飛び交っていました。 「免許証の名前は自筆です、悪筆な方、自書でいいんですか?」「和文タイプなら人前に出しても安心?」「作成は5分!」など等、ヤリ手?の事務所前には行列も出来ていた記憶がありました。

 それが今や、この手の仕事は「絶滅」と言ってもいいでしょう。 数十年ぶりに訪れたその場所にはきれいに事務所の姿が消えていました。

 既得権に依存しすぎますと、士業によらずこのような大変革の時に対応が困難になります。 環境に依存し過ぎた恐竜のように新時代には化石でしか存在できなくなる・・・?

 こうならない為にも、常に新しい業務との連携や新規開拓、行政書士本来の業務以外でのビジネスチャンスの獲得等に積極的な行動を起こすべきなのです。

 特にこれから資格起業を目指す方は、これからの10年を視野に入れた専任業務の選定をすべきです。今流行っているからではなく、今後流行るのは?に目を向けて市場開拓やリサーチに励むように心がけて欲しいものです。
 

この記事を書いたプロ

寺田淳

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