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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

コラム

副業したら確定申告

最近の話題から

2018年4月3日 / 2018年9月25日更新

【今日のポイント】

 確定申告も昨日を以て申告期限が全て満了となりました。
最近は上場企業でも条件付きで副業を認可するケースが増加中で、別の会社でパートタイムで働いたり、土日にかけて自営業などで臨時収入を得ている方が少なくありません。

 そんな中、副業と確定申告の兼ね合いについての問合せも次第に増えてきました。

 今日は副業と確定申告に関して基本中の基本項目に絞って紹介していきたいと思います。


【収入と所得は違います】

 意外に取り違えられて理解されていることに「収入と所得」の違いについてでした。
 
 ざっくり言えば、収入から必要経費を控除したものが所得となります。

 サラリーマンでしたら経験済みでしょう給与明細で言えば「額面と手取り」の関係に似ていますね。 額面では月収100万円でも社会保険料やら住宅ローン、住民税等々、いろいろな控除がされた結果が、手取り額というものです。

 次項で説明する「103万円の壁」の103万円は「収入額」なのです。


【103万円の壁とは?】

 既にご存知の方は多いでしょうが、サラリーマンの奥さんがアルバイトやパートで働く際に103万円の壁という言葉が出てきますね、ではこの103万円の内訳はご存知でしたか?

 まず、給与所得がある場合は、「給与所得控除」という制度によって年収が162万5千円までなら、一律65万円の控除が認められています。 さらに、「所得税の基礎控除」が一律38万円とされています。 65万円プラス38万円で103万円となっています。

 ですから、収入が103万円までであれば、2つの控除によって、所得は0となり、所得税の課税対象ではなくなるのです。

 ※平成30年以降、この所得控除の金額が改正されます、ここに記載した金額はあくまでも平成29年までの数字であることにご注意下さい。


【自営業は38万円の壁?】

 では、副業が会社勤めでない=給与所得でなければどうでしょうか?

 例えば奥さんが趣味を活かして手作りのアクセサリーを自宅で販売したり、自宅のキッチンで料理教室を開いて収入を得ているような場合です。

 この様な場合には、当然ながら65万円の給与所得控除の対象とはなりません。 計算式としては、収入から「実際にかかった経費」を差し引いた金額が「所得」となります。 

 ですから結果として所得が38万円以内であれば 所得税基礎控除38万によって所得税非課税になるのです。

 この場合のポイントは、収入と必要経費の兼ね合いです。 仮に60万円の収入であれば、22万円の経費がかからなければ所得税が発生するという事になりますね。 

 自営業等の収入の場合は「103万円(収入)の壁」、ではなくて、「38万円(所得)の壁」を意識しなくてはいけません。


【給与所得者で確定申告が必要なケース】


 いきなり結論から書きますと、アルバイト、パートなどを含めて2つ以上の収入先を持っている場合は、確定申告しなくてはいけませんということです。

 国税庁のHPに確定申告が必要な場合が掲載されています。 その中から該当する箇所だけを紹介します。

〇一か所から「給与の支払い」を受けていて、「給与所得、退職所得以外の所得」の合計額が20万円を超える場合

 給与所得、退職所得以外の所得とは、先に書いた自営等による収入からの所得です。 例えば、サラリーマンが土日に副業で自作の品を販売したり、投稿写真や記事によって受け取った謝礼金等で年間30万円の「所得」があったら、給与所得の金額に関係なく確定申告が必要になります。

〇二か所以上から給与の支払いを受けていて「主たる給与以外の」給与の「収入金額」と「給与所得と退職所得以外の所得」の合計額が20万円を超える場合も確定申告が必要になります。

  このケースは例えば、A社で正社員として働きB社でアルバイトとして給与収入がある場合、低い方の給与収入(アルバイト)と先述したような自営等で得た「所得」の合計が20万円以上の場合を指します。 また自営等していなくても低い方の給与収入だけで20万円を超えていれば同じことになります。


  冒頭に書いたように、主たる給与所得以外の所得が20万円を超えたら確定申告は必ず必要になる。と認識して下さい。 相談者の中には「フリマで直接販売していて領収書も発行していないから申告しなければわからないのでは?」等という問いかけ?もありましたが、後日何らかの理由からこの件が露見した時にはそれ相応の覚悟が求められます。


  また給与所得には「給与所得の源泉徴収税額表」という様式があり、これによって月額の税額が決まっています。
 参考) 給与所得の源泉徴収税額表

 この表にある「甲」というのが主たる給与であり、右端にある「乙」が従たる給与となります。 ここで注意する点は「甲」欄では給与金額が88,000円未満であれば税額は0ですね、ですが乙は該当する金額に3,063%を乗じた額の所得税を徴収するとあります。 乙の給与が80,000円でも 10,000円でも 課税されるのです。

 ですから年収が103万円以下であっても2社以上から給与を得るような形態の場合、何もしなければ乙欄の所得に対して課税されることになります。 ここで乙に関して自分で確定申告をすれば、所得税分が還付されます。 しなければ、本来払わなくていい税金を納付することになるのです。 

 なぜ自分で確定申告をするのか?  これは年末調整は「甲欄」に対してしか行えない為です。 源泉徴収は共に実施されますが、年末調整は乙欄の給与には行えないのです。 課税基準が厳しい方が自己責任で年末調整=確定申告をすることになるのです。

 なぜ乙には厳しい課税基準が設けられているのか?  甲欄の基準しかなければ、仮に88,000円未満の給与で2社で働いた場合、どちらも非課税枠に収まってしまいます。 1社で16万円の給与を貰うことと2社で8万円づつ給与を貰うことは収入で見れば同一なのです。 ですが片方は相応の課税対象とされ、片方は非課税とされる。 これではあまりに不公平という事から乙欄を設け税率を高めに設定しているのです。

 正しい確定申告を行うことで税金が還付されるケースもあるのです。 

 どのような形態にせよ、一定水準を超える副収入を得ている場合は確定申告の必要性について過敏なくらいの注意をして下さい。

 

この記事を書いたプロ

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2018-09-25
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