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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

コラム

来月から一般社団法人に相続税課税へ!? 

終活~相続に関する問題

2018年3月28日 / 2018年9月19日更新

【今日のポイント】

 今春からの税制改正の中で、あまり一般家庭にはピンとこない相続税節税の策であった「一般社団法人を利用した節税が今後は安易に利用出来なくなることになりそうです。



【法人設立による節税とは?】

 まず一般社団法人とは何かから説明しましょう。
設立には理事が一人、社員が二人、そして法人の定款を作成し、登記すれば法人として設立されます。監督官庁もないため活動内容や収支状況の報告、開示といった義務もありません。

 流れとしては、法人の設立後に親が理事に就任し、自分名義の株式や不動産等を法人の試算として移転、理事がその財産を管理するという形式にするのです。

 その後、親が死亡した時点で子が理事の跡を継げば資産は「理事の管理下の法人の財産として」継承出来るわけです。このような場合、詳細は省きますが、従来は相続税の課税対象とはなっていなかったのです。

 この為、堂々と法人を設立し、親子間での事実上の財産承継が「相続税非課税で」可能だったのです。

 現実の傾向として、2016年データでは社団法人の設立数は約6,000団体で、ここ数年毎年前年越えの増加数だそうで「正々堂々とした相続税節税策?」として大いに活用されているようです。


【改正ポイントは?】

 今回の改正では一律に一般社団法人を「課税対象」にするのではありません。 以下の様な場合に「課税対象」とすることになります。 さらにこの対象となる法人は「特定一般社団法人等」と呼称するようです。

・相続開始の直前に総役員数の中で同族の役員の人数が1/2を超えている。
・相続の発生前の5年以内で総役員数に占める同族役員の人数が1/2を超える期間が合計で3年以上の場合。

 ここで挙げた「同続役員」とは被相続人、その配偶者、又は3親等以内の親族に加えて、その他当該の理事と特定の関係にある者(被相続人が役員に就任している会社の従業員等)が該当します。

 上記に該当した場合の課税対象額は 以下の算式で計算され、課税されます。

 当該の特定一般社団法人等の純資産額 ÷ 相続開始時の被相続人を含めた同族役員の人数 

 

【相続税法施行令33条3項】

 また、設立時の個人の財産を法人に移転する際には従来から別の定めがありました。
相続税法施行令33条3項にある4要件を満たす場合は、「みなし贈与」と見做されずに課税対象にならないというものです。 その要件とは、以下の4要件です。 逆に言えば、この要件を満たさない場合は課税対象になるという事です。

1)その組織運営が適正であるとともに、親族等の割合が1/3以下とする旨の定めがあり、かつ、実行すること。
2)法人に財産を贈与した者や役員やその親族等に対して特別の利益供与を与えないこと。
3)定款等で解散した場合に残余財産が国等に帰属する旨の定めがあること。
4)その法人に法令違反や帳簿書類に仮装隠ぺい行為がないこと。

 ポイントは1)と2)の要件です。

 仮に1)の要件はクリアしていたとしても、2)の要件が焦点になります。 特別の利益供与とは具体的にどの範囲から該当することになるのか? 

 この辺りの具体的な内容が判明した時点で改めて紹介したいと思います。


 【施行開始は?】

 さてこの改正は何時からスタートとなるのでしょうか?

 原則として今年2018年の4月1日からとなる予定ですから、来月からの施行となります。 4月1日以降に当該の法人で相続が発生した場合は、ここに挙げた改正後の法律で判断が下されます。

 但し、経過措置として2018年3月31日以前に設立された一般社団法人等については2021年4月1日以降の相続に適用されるとのことです。

 貴方が、相続税節税の為、社団法人の設立を検討していたのであれば、これらの改正内容をよく吟味してから結論を出すことをお勧めします。

この記事を書いたプロ

寺田淳

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2018-09-19
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