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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

コラム

成年後見制度と欠格条項について

終活~後見制度を知ること

2018年3月19日 / 2018年9月25日更新

【今日のポイント】

 今日はやや簡単な内容です。 ほとんどは新聞やニュースの内容の紹介となっていますが、成年後見制度の利用の障壁になっていると言われている問題の一つについて、採り上げてみました。



【欠格条項の削除】

 去る3月13日の閣議決定で これまで成年後見制度の利用者となると、被後見人の職が公務員や弁護士、社会福祉法人の役員職等であった場合は、その資格を失うこととされていた各種法律に謳われている「欠格条項」を原則削除するとしたのです。 従来は前述した職種というものは極めて正確な判断力を求められる職務であり、その裏付けとなる公的資格の保有にいささかの不確定要素も認めないというスタンスでした。

 とは言うものの、従来から問題として指摘されてきたことに、極言すれば「その任に堪えない」程度の資質であっても(または加齢によって資質が低下していた)、成年後見の対象でなければ何ら問題とならずに職を続けることが認められており、仮に同程度の判断能力(の持ち主)であっても、成年後見制度を利用した者は制度利用の事実のみで一律に資格を失うことになるのです。


【今回の改正の意味】

 「後見制度さえ利用していなければ」 資格は保有を許され、今の地位が保証される。 であるならばその選択を迫られた人間はどういう判断を下すでしょうか?

 従来から成年後見制度の対象者数と実際の制度利用者数には大きな乖離が見られていましたが、その一因がここにあったのではと言われています。 「もしも後見制度適用と言われたら、今の職を失う、今の地位を去らねばならない・・・」となれば、この欠格条項の存在のせいで後見制度の普及が阻害されている=隠れ認知症患者の増加 という見方も出来てしまうのです。

 制度の利用者の状態は決して一律なものではありません、今回の改正によって制度の利用者の資格の保有の可否については、個々の面談や試験等による個別判断で決めていくことになります。 「個々の人を見て判断する」という今回の制度の見直しは大いに評価されるものでしょう。

 ですが、今度は先に書いた個別の面談、試験の内容とその基準の設定に大きな責任が課せられるという事です。 その判断基準はどこが、誰が、どのように、いつまでに想定していくのかまではまだ明らかになっていないようです。

 「個人の権利と公的責任のバランス」は今後も検討を重ねていくことと思われます。

 
 ちなみに、新聞の記事によりますと、欠格条項を有する法律は現在188本あるとのことで、これらすべてから条項を削除することになるそうです。

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2018-09-25
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