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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

コラム

民法改正 ~成人年齢の引き下げ

新橋事務所日記

2018年3月16日 / 2018年9月19日更新

 【今日のポイント】

 民法大改正の流れの中、成人の規定について大きな変化がありました。
今日は現時点で公表されている改正の要点について紹介したいと思います。


【主な改正点】

 この3月13日に民法改正案が閣議決定されましたが、その中で特に身近で日常生活に密接に繋がっている成人年齢の新たな規定に関する項目だけを以下に紹介していきます。

 成人年齢を従来の20歳から18歳への引き下げる。 既に周知のとおり、選挙権に関しては18歳選挙権は実現していますが、今回の「成人=18歳」によって具体的な制度改正が生じています。

1)公的資格の資格取得可能年齢
 いきなり私的な立場からの紹介で恐縮ですが、我々士業従事者に最も関係が深いものとして(影響が大とも言えます)はこれだと思います。

  「未成年者は資格取得が出来ない」 という規定にある未成年者は「20歳未満から18歳未満」に変更されます。 この結果、高校在学中に資格取得の機会が設けられると共に、高校生資格取得者が出てくることとなります。

  この資格に関係するものとして行政書士、司法書士、公認会計士は全てこの規定に該当します。

 施行後数年、あるいはその年にでも「学生書士」が誕生するという事になるでしょう! 新しい血の流入による競合激化は望むところです。 状況次第では柔軟な発想からの新たな市場の発見や業界の活性化も期待出来るかもしれません!。

2)結婚年齢の引き上げ
 これは女性のみの改正となりますが、従来の16歳から18歳へ引き上げられ、男女ともに18歳に統一されることになります。

3)有効期間10年のパスポートの取得
 従来の旅券法では10年パスポートは20歳以上で取得可能という規定でしたが、今回の改正によって18歳からとなります。


 これに対し、成人規定を20歳のままとするものもあります。

・飲酒、喫煙
 条文にある文言を「未成年者」ではなく「20歳未満の者」に変更して対応するようです。

・公営ギャンブル全般
 上記同様「未成年者」から「20歳未満の者」に変更して対応します。

 蛇足になりますが、以前私も所持していた「猟銃免許」については、従来から「20歳以上」と定められており、今回の改正の影響は及びません、「未成年」という表記でなく、明確な年齢表示による規定であれば、先の10年パスポートのような事例を除けば従来通りの規定という解釈のようです。


【残された懸念事項】

 上記の様な新たな規定や従来通りの規定で完全にカバーしきれない項目は無いとは言えません。 以下に気が付いた点を挙げていきます。

・契約責任
 従来は民法5条によって「未成年者の結んだ契約は親(親権者)の同意がない場合は原則としてその契約は取り消すことが出来る」とされています。 この改正後には18歳以上であれば、親の同意が無くても契約が有効と判断されると解釈出来ます。

 悪徳商法や詐欺まがいの契約の場合でも、(18歳以上の)本人の同意があれば契約は成立となる訳ですね、改正案では18歳という規定でしか表記されていませんから、高校生であっても、社会人であっても18歳であれば、社会経験の有無などに関係なく責任を負うことになるという考えなのでしょうか?

 自分の経験を振り返ってみれば、あの当時の18歳の良識の範囲では「簡単に、あっけなく」甘言に惑わされる「自信?」があります。 今の18歳は 我々世代の頃より「自覚も責任感も格段に向上した」ということなのでしょうか?

・成人式のスタンス
 私見で恐縮ですが、18歳成人となれば、多くの場合成人式は「在学中」のセレモニーとなる訳です。 それも今の成人式の日程では受験や就職活動に翻弄されている時期にです。 18歳の子を持つ親も、当事者である子供もそれどころではないというのが本音になるのではと他人事ながら気になった点です。 

 非常に穿った見方をすれば、昨今の成人式の堕落ぶりを見て 公費を使って実施するに値しないという思惑から緩慢に式自体の衰亡化を図ろうというのでしょうか?


【実施は4年後】

 個人的に、毎回この手の記事を見て思うのですが、見出しでセンセーショナルな文言を掲げるのはいいとして、その実施時期や記事の掲載時点での進捗状況については、「控えめ」な文字サイズと表現で文中や文末に記載されるケースが多いようです。
 今回の報道でも、明日とは言わないにしても、実施が目と鼻の先に迫っていると早とちりする方もいらっしゃるのではないかと思い、念の為最後に紹介しておきます。

 ここで紹介した内容の法案を政府が閣議で決定し、国会に提出した段階というのが現状です。

 実際に施行されるのは今国会で成立した場合で2022年の4月1日からです。 何事もなく進んでも、4年後という事です。

 ここで私が気になったような懸案事項以外にも修正や検討が必要な項目が無いはずはなく、今後の推移に注目していきたいと思います。
 
 

この記事を書いたプロ

寺田淳

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2018-09-19
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