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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

コラム

改葬の手続きをするときに、これだけは押さえておきたいこととは?!

終活~葬儀とお墓に関する基礎知識

2017年10月6日 / 2018年9月19日更新

 

【今日のポイント】

 お墓関連の相談に、地方にある墓を自分たちの生活圏のお墓に移す「改葬」相談があります。
実は、改葬の相談や業務依頼の際に、出来れば事前に調べておいてもらいたい事があるのです!

 それは、「改葬する遺骨の正確な数 なのです。」


【改葬前のお墓の中は?】

 今のお墓の中はどうなっているか? 遺骨はどういう形状で納められているのか? 意外に知らないままで相談に来られる方が多いのです。 特に何らかの事情で納骨の際に欠席した方が改葬を申し出たような場合、どのような形式で遺骨を納めたかを知らず、その後立ち会った親族が死亡し、親族間でも詳細が不明になっているとなれば、手に負えません。

 お墓の中がどうなっているか? 以下の2点を知りたいのです。

 ① 改葬したい遺骨の数量
   一般には遺骨一体に骨箱一つとなりますが、実際の数量を確認していない場合があります。

  ~父母、祖父母は確実だが、その他の遺骨もあるようだ?
  ~先祖代々の骨箱があると聞いたことがある・・・でも何個あるかが分からない。
    稀に複数の骨箱で先祖の遺骨を納めている場合もあるのです!

 ② 遺骨や遺灰の埋葬形式
   地方や宗派によっては、骨箱を使わず直接墓石内部の地面に遺骨や遺灰を撒く場合もあります。
  こうなると、もはや個々の判別は不可能で、一体何名分の遺骨が納められているのか? 
  誰の改葬になるかが分からなくなるのです。

 

【なぜ数量の確認が必要?】


  改葬の手続きについては、過去に何回かこのサイトで紹介しているので、詳細は省きますが、お墓を管轄する市区町村役場で「改葬許可申請書」を申請する際に、改葬する故人を特定しなくてはいけないからです。

参考資料)
改葬の手続き

 改葬許可証は、一体につき、一部申請する必要があります。
 「両親の改葬」という申請は出来ないのです。

 祖父、祖母、父、母、といった個別の氏名、本籍、住所、性別、死亡年月日、埋葬又は火葬の年月日と場所、等の情報を記入して申請する為なのです。

 一部の遺骨を移す「分骨」であればお墓自体は残存する為、この手続きは不要ですが、改葬の場合はお墓を撤去し、更地化しますので埋葬されてある遺骨や遺灰は全て回収しなくてはいけないのです。

 また新たなお墓に移す場合も、新しい霊園やお寺でも骨箱の単位で改葬を受け入れるとになるので、予め骨箱の数を確定させないといけません。 特に納骨堂の場合は収納スペースが限定されますから、必須の案件になります。


【どうやって調べる?】

 では、何体の改葬が必要なのか? 事実確認の為にはどうやって調べたらいいのか?

 ① お寺に直接訪ねる。
    比較的最近、前回の納骨に携わった住職が健在であれば、直接確認が出来ます。
   同時に正確な納め方(遺骨で骨箱に、遺灰で撒いた)が分かります。

    問題は、事前に改葬の為と話せればという点です。 
   長年放置してきた中で、唐突にこのようなことを問合せしてくれば・・・?
   改葬を考えていると見破られるのは確実ですね。
   

 ② 父親や祖父母に尋ねる。
    両親や祖父母が過去に納骨経験があれば本来は間違いはないでしょう、
   ですが意外に立ち会っていないケースは多いのです。 

    当人が次男や三男、または長男でも葬儀から納骨の時期に海外駐在だった。 
   サラリーマンの宿命で遠隔地に赴任中で立ち会えなかった。
   あるいは、相当な時間が経過しており記憶があいまいな場合は、却って混乱を生じてしまいます。


 ③ ベストは自身の目で確認すること。 
    お墓参りの時などに 事前に了承を得ておき、墓の内部のカロート(納骨室)を確認してみましょう。 
   納骨時の記録なども自宅に保存していないか、念の為父や祖父母に質すことも必要です。


 ④ 無理なものは無理?
    よくあるケースですが、祖父母の埋葬年月日、火葬の年月日までは記録が残っていても、
   曾祖母の代になると仮に骨箱は確認出来ても付帯する情報が無く、
   申請書に記載が必要な項目が満たせない場合があります。

    私の経験では、依頼者が80代の方で改葬対象者のうち祖父母の火葬、埋葬年月日が分からない、
   どうしたものかという相談がありました。

    これを受けて私の方で事前に調査の結果、確認出来なかった旨を当該自治体窓口に伝え、
   先方了解の下 「不明」と記載して申請し、無事に受理されたことがあります。

    失礼ながら、80代の方の祖父母ですから、不明もやむなしと判断されたようでした。


 【調べる時間が無い、手間を省きたければ?】

 よく改葬の最大の難関は、今のお墓の管理者(菩提寺の住職など)から改葬の承認を得ることと言われますが、改葬する遺骨の数と、その保存の現状について、現状を把握しないまま改葬相談に入って、いきなり暗礁に乗り上げ、そのまま放置、挫折というケースも見受けられます。

 改葬前のお墓が至近距離にあれば、自身で調べることもそれほどの負担にはならないでしょうけど、遠隔地の郷里のお墓の場合は事前に根回しや、ある程度の情報取集をしませんと、何度も足を運ぶことになります。 

 もちろん、この状況からの相談受任は可能ですから、専門家である我々が動くことで改葬する遺骨の数や現状を把握することから業務をスタートさせることは、ある意味時間と手間を省くことになりますが、その分相談者にとっては「余計な出費」が発生する事にもなります。

 個々の事情や背景にもよりますが、自分たちで調べられる範囲は、事前に時間をかけて調べておくことも 手続きを円滑に無駄な費用をかけないで進めることになるのです。
 

この記事を書いたプロ

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2018-09-19
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