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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし)

寺田淳行政書士事務所

コラム

年間110万円以下の生前贈与でも届く税務署からのお尋ねとは?

業務上の実例紹介

2014年4月28日 / 2015年3月31日更新

 
 いよいよ連休に突入ですね。
そういう私は、所用で事務所にていろいろ片付けております・・・

 こんにちは!
生活に密着した法律相談と第二の人生支援に邁進している
新橋駅前の寺田淳行政書士事務所の寺田 淳です。


 今回は先週私自身が体験した内容を紹介したいと思います。

 最近は合法的な贈与での財産分与の方法が雑誌等に採り上げられる例が多いですね。
中でも「年間110万円までの贈与なら非課税」は最も単純で分かりやすい内容です。
株式等の有価証券、不動産の名義変更でも、基礎控除額の枠内であれば堂々と生前贈与が可能です。

 私も昨年11月に父名義の田舎の土地の一部の名義変更をしました。
無論、評価額は50万円にも満たないまさに「深山幽谷」の土地です。
 念のため、税務署に確認をしました。
「全然非課税枠内の名義変更ですけど、申告の必要はありますか?」
「申告でないにしても何か税務署に対しての手続きは必要ですか?」

 これに対して、「非課税の枠内でしたら、何の報告も手続きも必要ありません!」
と断言されました。

 これにて一件落着、どんな土地にせよ私は「地主」になったのです♪♪

 それから約半年が経過した今月下旬、品川税務署からある郵便物が届きました。

 「贈与税の申告についてのお尋ね」というものが届いたのです。
 
 内容は昨年発生した不動産の贈与の事実と贈与税納付の事実が無い点の問い合わせでした。

半年の間に制度が変わったのか? 
もしかして非課税枠オーバーの確証を持って通知してきたのか?
でもどう計算間違いしてもオーバーするような評価額ではなかったはず…??

 早速、詳細を尋ねました。 回答をまとめますと以下の通りでした。

1) 前年に発生した財産の贈与について贈与税の有無を確認するものです。
   4月中~下旬に一斉通知してます。

2) 原則名義変更があった場合の確認なので枠内、枠超えに関係なく通知しています。
  (私の場合がまさにこれでした)

3) 同封の「贈与税の紹介に対する回答」用紙に回答を記入して返送をお願いします。


 補足しますと、名義変更後何か月以内に発送される訳ではなく、4月に一斉に発送されますから前年1月に名義変更をした場合等、1年以上たってから届く場合があります。

 この時点では税務署は個々の評価額を算出はしていません、名義変更の事実を基準としてますから、事実上不動産の贈与や、株式等の有価証券の名義書き換えの場合にチェックが入るようです。さらに、既に贈与税申告を済ませていても何らかの事情で届く場合もあるそうです。所謂「人為的理由」ですね。

 肝心の「回答」の書き方ですが、2種類の回答欄があります。

 申告手続きを済ませている方は「既に〇〇税務署に〇年×月▽日に申告済み。」「申告時の住所」を記載すればOKです。 証憑の写し等の添付は不要だそうです。

 申告していない場合は「次の理由で申告していない」にその理由を記載します。
私の場合は「基礎控除の枠内だったから」、これだけでいいと言われました。
ここも、実際の評価証明書の写しの添付、同封の必要はないと回答を受けました。
(添付資料は、あればありがたい事ですが必須ではありませんとの事でした。)

 該当項目を記入し、同封の返信用封筒で返送します。これで、一件落着です。

 この「お尋ね文書」については国税庁のHPでは見受けられませんでしたし、問い合わせた際もHP等で紹介や解説はしていないとの事でした。


 不動産なり株式なり、記録の残る財産を贈与された場合、それが基礎控除の枠内であっても翌年4月に通知が届くことがあるのです。 貴方が、今年に入って110万円以下の生前贈与を受けていますと来年の今頃にこのような連絡が来る場合があります。今から記憶に留めておいて下さいね。

 
 補足ですが、この通知は「行政指導」の一環として行っているものですから、面倒なので返信しないとか証書の添付が不要だからと事実と異なる回答を記入しますと、次段階の調査に移るそうです。当然税務署側から見れば心証は良くないですから、どういう調査になるか、推して知るべしですね。

 今回は、特に問題もなく既に返送しましたが、個人的には2点、気になる点が残りました。
一つは、何と言っても「基礎控除の枠内の贈与でもこういう通知が行く場合がある」という事を税務署が事前に伝えてない事です。特に私はわざわざ問合わせをしたのにです。せめてHP等で説明しておくべきです。

 二つ目は、通知の届く時期です。
連休直前のこの時期に届くのは如何なものかと思います。 文中には「5月7日」頃までにご回答をとありました。今年のカレンダーでは連休明け初日です。場合によっては連休中に届き、存在を確認したのが旅行帰りの6日だったら、けっこう焦る事になりますね。

 あくまでも、7日頃、ですから目安と捉えて下さいとの回答でしたが、その下には「期限後の申告の場合には無申告課税(納付すべき税額の5%)が課せられる場合があります」と書かれています。
素人には相当なプレッシャーになるのではないでしょうか?

 個人的には発送の主旨は理解し納得出来ましたが、以上2点については検討の余地ありではと思った次第です。

 今月、私と同様の通知を受け取った方、実態は上記に書いた通りですから「思い当たる節」が無い方はご安心を。堂々と事実を書いて返信するだけの事です。
 今年に入って贈与を受けた方は、来年このような通知がある、と認識しておいて下さい。硥

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