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加藤豊

資産価値を担保する中古物件売買・リフォームの専門家

加藤豊(かとうゆたか)

有限会社ミトミ

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コラム

近畿で始まっている「住宅ファイル制度」とは?中古住宅の評価が変わる?!

住宅ファイル制度」でリフォームによるバリューアップを反映して評価

2016年1月より、「近畿不動産活性化協議会」が中心となって「住宅ファイル制度」を開始しています。

住宅ファイル制度とは、建築士(インスペクター)やリフォーム業者、防蟻(ぼうぎ・シロアリ)業者、媒介業者(宅建士)、不動産鑑定士、金融機関などが、それぞれの専門分野において様々な観点から客観的に調査・協調することで中古住宅流通市場の活性化をはかるものです。


具体的には、インスペクション(建物診断)やシロアリ検査を実施、それらを住宅ファイル報告書としてまとめた上で、既存(中古)住宅の経済的残存年数を把握して中古住宅の適正価格額を算出するものです。

これは、構造などによって画一的に定められた法定耐用年数ではなく、建物のメンテナンス状況などから実際に経済的な価値はあと何年かを示す「経済的残存年数」を把握することに一つの特徴があります。「築後20年程度で建物評価がゼロになる」という取引慣行を改めるものといえます。



これら制度によって、リフォームを行うインセンティブが生まれ、中古住宅の流通が促進されるでしょう。さらに、空き家の増加を食い止めることにも寄与することも期待されます。

現在は、近畿2府4県の宅建協会や不動産鑑定士協会、リフォーム協会、金融機関、非営利活動法人、メンテナンス事業組合など近畿圏を中心とした不動産関連の事業者が参加団体として加盟していますが、今後その地域や団体も拡大し全国のモデルとなっていく可能性も秘めています。

●売主にも買主にもメリット。契約「後」の買主による最終チェックで中古取引がより安心
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住宅ファイル報告書に基づいて適正な価格を示すことで、売主にとってはリフォームによる建物価値の向上や適正な価格反映(不当に安い売却を回避)、買主への不安払しょくによる円滑な取引実行などがあげられます。

また、買主にとっても、中古住宅の品質を具体的に知ることができ、また、住宅ローンを組む際の提出資料としても住宅ファイルを利用できるため、融資額や融資期間が改善することが期待されます。


この制度による取引の流れは、契約後に買主が住宅ファイル報告書をチェックし、実際の状況と異なる場合には売主に補修や売買金額の減額を申入れることを想定しています。

さらに、売主がそれに応じない場合には契約を解除できる特約をつけることも提言しています。

売主が最低「16万円」の負担。取引の標準となるにはハードルあり?

実際の利用は、売主が不動産会社などへ住宅ファイル報告書の作成を申し込み、窓口である協議会が各専門家に調査します(戸建てのみならず中古マンションも対応)。

具体的には、宅建士による物件調査、インスペクター(建築士)によるインスペクション(建物状況調査)フラット35適合検査、耐震診断など、防蟻(ぼうぎ)業者によるシロアリ点検を実施、これら調査報告書を元に、不動産鑑定士が住宅価格を調査します。


既存戸建住宅建物積算価格査定システムの公表について(公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会(JAREA)


価格報告書」には、「調査価格(適正な担保評価額)」「建物の経済的残存耐用年数」「躯体の期待残存耐用年数」「物件の市場競争力」などが記載されます。

これらはワンストップサービスで質の高いサービスとして魅力的ではありますが、個々のサービス自体は現在でも各社で無料提供されているものもあり「最低16万円」の負担が売主にとってどのように受け止められるかは今後の課題かもしれません。

●関西アーバン銀行が住宅ローンを開発。住宅ファイル制度を利用した中古物件を対象
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2017年1月23日には、関西アーバン銀行が、住宅ファイル制度を利用して売買を行った中古住宅購入資金や増改築資金などのローンを優遇する商品の取り扱いを始めました

特徴は以下の通りです。

・住宅ファイル報告書の評価額を利用して、建物を担保評価
・建築日が1982年1月1日以降であれば、自然災害補償特約を無料で付保(上乗せ料率 0.1%を優遇)
・証会社の事務取扱手数料を通常50,000円(税抜)を25,000円(税抜)に割引

法定耐用年数の画一的な評価でなく、実際の建物状況を反映した評価額を利用して担保額を算出することに、これまでの評価手法と大きな違いがあるといえるでしょう。

記録を「残して」「使う」。今後は売買時に重要書類の存在有無も確認

良い中古住宅がきちんと評価される不動産取引市場の形成」に向け業界が一体となって取り組む中、常に付きまとう問題が情報蓄積です。

住宅ファイル制度でもしっかりとその履歴を残すことを重視しています。また、改正宅建業法においても宅建士による重要事項説明時に以下のような書類の保存の有無を明らかにすることとなりました。

・建築基準法令に適合していることを証明する書類
新耐震基準への適合性を証明する書類
・新築時および増改築時に作成された設計図書類
・新築時以降に行われた調査点検に関する実施報告書類

これらはどれも建物の状態を推し量るために必要な重要書類です。もし書類がないとなれば、売り逃がしたり価格交渉されるかもしれません。

既存住宅の流通が促進される中、情報それ自体が価値を持ち資産防衛に繋がる取引が始まるともいえます。

インスペクションやリフォームなどを「実施」するに留まらず、必ず「保管」して、「活用」していくことも忘れないでおきましょう!

P.S.
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