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加藤豊

資産価値を担保する中古物件売買・リフォームの専門家

加藤豊(かとうゆたか)

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コラム

その物件、隣の不動産会社でも取り扱っています

不動産業界の仕組み

2016年5月4日 / 2016年10月5日更新

「あの不動産屋は気に入らないが、物件は気に入ってるんだよな。まいったなあ」
そうお思いのあなた、迷うことなく別の不動産屋さんに行きましょう。なにも困ることはありません。

ほとんどの物件を共有し合う不動産業界

不動産会社というのは、規模の大小にかかわらず、大手だろうと零細だろうと、ほとんどの物件を「REINS」(レインズ)[1]という情報システムで共有しています。不動産会社専用のSUUMOみたいなものです。



不動産の店舗に入って、担当営業がカチャカチャとパソコンをいじりながら「この物件どうですか」とおすすめしてきたら、十中八九、そのパソコンの画面上には「REINS」の画面が開かれています。

ですので、あなたの気に入ったその物件は、お隣の不動産屋さんでも購入(賃借)手続きができ、その上、心地いい不動産会社でさまざまなご相談ができるのです。

※ただし、「非公開物件」といわれるごく一部の不動産会社しか取り扱っていない物件は取り扱いがない場合があります。それを確認する手っ取り早い方法は他の不動産会社に「この物件取り扱っていますか?」と、電話なりメールなりで聞いてみることです。

そもそも買い手に不利な不動産業界構造

物件とお客様をつなげる不動産仲介会社は、成約してはじめて仲介手数料をいただきます。逆から言えば、成約しなければびた一文おカネを受け取れません。
するとどうでしょう、中にはお客様へいいことばかり言って契約を促す会社もでてきます。もともと不動産業界は、買い手にとって不利な構造が出来上がっているともいえるのです。

だからこそ、不動産会社を選ぶ際には「悪いことこそ包み隠さず伝えてくれるか」を一つの指標としてください。どんな物件にも一つや二つ、懸念点はつきものです。いいことばかりしか言ってないか、「この物件のリスクはなんですか」と聞いた時に明快な回答がない場合は要注意です。

そもそも、物件の評価は不動産会社でも意見が分かれます。大きなおカネが動く不動産購入、一つの不動産屋だけではなく、複数の不動産屋に意見を聴くのも一つの手です。もともと買主に不利な業界構造であり、一方で物件に縛られない業界構造でもあります。

不動産業界は長い間、需要(住みたい・買いたい人の数)が供給(物件の数)を上回った状態が続き、物件さえ出せば黙ってお客様がおカネを払ってくれるという上から目線の営業がまかり通った時代がありました。
残念ながら今でも不動産取引をモノ売り(物件販売)と捉え、半ば横柄な態度で営業をされる会社が少なからず存在するといえます。

不動産業界の構造をしっかり理解した上で、不動産(物件)と、そして不動産会社と賢く付き合い、長い目で見て安心安全な不動産購入をしましょう。

不動産業界はモノ売りからサービスへ

物件購入においては、物件そのものも大切ですが、売主側との金額交渉や、契約に至るまでの金融機関との(金利水準含めた)折衝、購入してからの資産価値の維持など、物件そのもの以外にみえないところで多くのサービスを提供してこそ、安心安全な不動産取引が実現するのです。

不動産取引は、「多額」かつ「長期」という特徴を持ったお取り引きです。そしてその名が示す通り、購入後は「不動」なものだからこそ、安全な取引がかかせません。

「物件を出すだけ」「住宅ローン手続きをするだけ」「契約書を作るだけ」という会社ではなく、その物件のもつリスクを時間軸を持って説明しているか、住宅ローンの種別や金利水準の決まり方、お客様の属性に合わせた金融機関をご提案しているか、契約書の文言、特に特約条項のもつ意味はなにか、契約の前に行われる重要事項説明書を事前に充分精査してもらえるか、など、長い目で見て極めて重要な勘所をしっかり押さえた不動産会社を選びましょう。

「物件はどの不動産会社でも取り扱っているんだから、まずは(物件以外にも)きちんとフォローしてくれる不動産会社を選ぼう」
そういう姿勢が、安心安全な不動産取引の第一歩です。

[1] 正式名称はReal Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)で、その頭文字をとってレインズ(REINS)と呼んでいます。これは国土交通大臣の指定を受けた「指定流通機構」である全国4つの公益法人によって運営され、それらに加盟した不動産会社のみ使えるシステムです。ほぼ100%の不動産会社が加盟しています。

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