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「できた、うれしい、楽しい」をモットーに音楽の最初の扉を開き、音楽の基礎作りを

楽しく基礎作りするピアノ・エレクトーン教室主宰の音楽家

正田弥生

正田弥生 まさだやよい
正田弥生 まさだやよい

#chapter1

リトミックの要素を取り入れたレッスンを開催。音楽を心のよりどころに

 「『できた、うれしい、楽しい』をモットーに、音楽への最初の扉を一緒に開きます」と話すのは、東京都府中市で「まさだエレクトーン・ピアノ教室」を主宰する正田弥生さん。1歳児から大人まで幅広い層を対象に、電子オルガンとピアノ、リトミックを指導しています。

 「まず興味を持って始めることが大事なので、『とりあえずやってみよう』『ほら、こんな楽しみ方もできるよ』と伝えながら、音楽の土台作りをしています。生徒さんと共に考えながら進めていくのが当方の特徴です」

 電子オルガンやピアノにもリトミックの要素を取り入れ、一人一人の成長を細やかにサポートしています。
 「例えば、カウント1でテニスボールを地面に落とし、2、3でキャッチする。これを繰り返すことで、『3拍子』が体感できるようになります。大きなステップでなくとも、『小さなできた』を積み重ねてどんどん夢中になった結果、『音楽の基礎が学べていた』という流れになればいいですね」

 府中市と国分寺市の幼稚園でもリトミックを教え、「大学卒業時からさまざまな園に赴いてきたので、幼いお子さんとすぐ仲良くなれるのは私の強みかも」と朗らかに語る正田さん。生徒と向き合う中で意識していることがあるそうです。

 「コンクール出場は特にすすめていません。というのも最終目標が入賞になりがちで、私の本来の目的からそれる気がして。将来、教室を離れたとしても、楽譜があればお気に入りの楽曲が弾けて音楽が心のよりどころになる。ここでは、そんな人を育てていきたいと思っています」

#chapter2

原点は3歳半で始めたピアノ。音大でリトミックを学び教室をスタート

 正田さんの音楽の原点は、両親の希望で3歳半の時に始めたピアノ。幼稚園卒園時までピアノ教師のレッスンを受け、当時使っていた教本はいまだに手元にあるとか。
 「幼い頃から感じたままに曲を作り、メロディーを奏でるのが大好き。お天気のいい日には晴れ晴れとした気分を音符に乗せていました。中学時代はファンだったアイドルのレコードを買い、1人で歌、踊り、ピアノ演奏の三役をこなしていました」

 その後、国立音楽大学附属高等学校に入学し、授業でリトミックと出会います。「リトミック専門コースで即興演奏や作曲ができると聞き、国立音楽大学教育音楽学科第Ⅱ類に進学。リトミックへの理解を深めました」

 1990年の結婚を機に府中市へ。4人の子を持つ母となり、1993年に夫の両親と同居する自宅で現在の教室をスタート。家族の協力を得て順調に続けていましたが、2016年頃に存続の危機を迎えました。
 「子どもが小さいうちは、お友達関係で輪が広がっていました。でも、子どもが成長するにつれ新たな生徒さんが入らなくなったんです」

 ついに生徒数が1桁になり、教室の宣伝をすることに。ブログを開設し、無料ツールを使って自らホームページを作成しました。
 「パソコンは得意ではないですが、やらなきゃと必死でした。1年で目指していた15人になり、翌年は30人近くに増えました。みなさん、食事に行く時などネットで検索してどんなお店か確認しますよね。公式サイトがあるのは信頼につながると気づきました」

正田弥生 まさだやよい

#chapter3

アドラー心理学に触れることで自分自身が変化し、レッスン内容にも反映

 生徒が集まらず試行錯誤をしていた時期に、正田さんはFacebookでアドラー心理学を用いてピアノレッスンを行う松井美香さんの存在を知ります。
 「すてきな笑顔にひかれたのと、自分の教室を変えたい理由から、松井さん主催の勉強会に参加しました」

 アドラー心理学に触れる中で、人の考えや気持ちを否定しない理論は、リトミックの「音楽の捉え方は人それぞれでいい」という概念に近いと感じ取り入れることに。すると正田さんにも変化が表れます。
 「それまでの私は、期待に応えなければ、こう指導しなければ、こう弾いてもらわねばといった『ねばならない』にがんじがらめになっていました。少しずつ取り払うことで、生徒さんと音楽を楽しむ仲間のような感覚が芽生えました」

 自分自身の内面に加え、取り組む姿勢も変わっていったと言います。
 「鍵盤楽器には、『運指(指使い)』といって指の使い方にルールがあります。自分の弾きやすい指運びにするか、教本に書いてある通りにするのか。本人の自由にしてもらうようになってから成長が早い。自分のレッスンを自分で考えて作り上げていくことで、主体性も生まれるんですね」

 一方、コロナ禍では人が集うことを控え、音楽体験の機会が減っていることを懸念しています。
 「状況が落ち着いたら生の演奏を聴かせたい。生と映像では全く違います。リアルな場でトロンボーンの四重奏を聞いた時、音の振動に鳥肌が立ったのを今も覚えています。いつかそれを経験させてあげたい」と力を込めます。

(取材年月:2022年8月)

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専門家プロフィール

正田弥生

楽しく基礎作りするピアノ・エレクトーン教室主宰の音楽家

正田弥生プロ

音楽家

まさだエレクトーン・ピアノ教室

「できた、うれしい、楽しい」をモットーに、リトミックとアドラー心理学の要素を交え、体験を通して基礎と考える力を養うピアノ・エレクトーン教室を主宰。幼稚園でリトミックを指導し音楽に触れる第一歩を担う。

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