各申請から社員の心のケアまで。企業経営者の右腕として働く環境づくりに取り組む「社外人事総務部長」（2/3）

従業員との架け橋になり、経営者の負担を軽くする

　「人を思う」桐生さんのコンサルティング。「人」には、もちろん経営者も含まれています。

　「企業経営は本当に大変なこと。経営者の皆さんは日々ご苦労されながら会社を守っていらっしゃいます。中小企業の場合、社長が人事総務の責任者であることも多いですが、経営で多忙の上にその分野の専門家ではありません。たとえ目が届かなかったとしてもある意味で当然のこと。私どもがサポートすることでご自身のお仕事に取り組む時間が増えると嬉しいですね」

　元会社員にして現在は経営者。労使双方を理解する桐生さんは経営者にとって得難き相談役。M＆Aや人員整理を乗り越えるなど骨太の経験に裏打ちされたサポートは、人事問題が頻発する現代の転ばぬ先の杖です。「経営者さんはご自分の哲学や経営ビジョンをお持ちです。ただ、残念なことに従業員に伝わっていないことが多い。逆に従業員がもつ不安・不満も伝わらない。そして互いに気持ちが遠ざかってしまい、当然業務にも影響がでます。そういった労使の溝を埋めるのも私の大事な仕事です」。桐生さんの働きかけで経営ビジョンを社員全員が共有でき、士気が目に見えてあがった事例も多々。社内の人間ではなく第三者という立場だからこそなんのしがらみもなく、公正な目で行えるアドバイスが多くの会社の危機を救ってきました。

　「“会社は人の集まり、人には一人ひとりに心がある”。いつも胸に刻むようにすると相手にも必ず伝わります」。信頼関係が築かれれば、一人ひとりが持つ力が掛け算となり大きな力を発揮する、と桐生さん。どれほど良い結果が出るかは想像に難くありません。

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