LOGOS 11月末世界市場レビュー2024

LOGOS 11月末世界市場レビュー2024

2024年11月末主要指数
11月末　　 10月　　 　　　　　　　　　　　　　 　　 　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　
ダウ工業平均/ 44,910.65 (+7.5%) 41,763.46 (-0.1 %)
S&P500指数/ 6,032.38 (+5.7%) 5,705.45 (0.0%)
NASDAQ指数 /19,218.17 (+6.2%). 18,095.15 (+1.0%)
日経225平均/ 38,045.78 (-2.6%). 39,081.25 (+3.1%).
米ドル対円/ ￥149.75. ￥152.11
ポンド/ ￥190.68 ￥196.24
ユーロ/ ￥158.44. ￥165.55
金 / 2,649.00 (-4.0%). 2,760.20 (+3.5%)
米 10年国債/ 4.22%. 4.29%

11月5日の大統領選挙でトランプ次期大統領の大勝利となり、いわゆるトランプ・トレードは米国株の急騰をもたらせました。選挙公約の個人並びに法人減税、広範囲に及ぶ関税付加等は米国景気を更に高める観測で、取り敢えずの市場反応はトランプ・トレードに浮かされています。それに対し日経平均は若干ながら下げを演じました。トランプ政権は日本に対し相当の圧力を加える懸念が高まります。石破首相は再選されたものの、過半数割れの与党は少数野党の協力を必要とし、政治の行方は困難を物語っています。米国大統領選は大接戦の予想に反し、トランプ候補の圧勝となりました。日本も連立与党の過半数割れは想定されていませんでした。直接的な影響はないでしょうがパワハラ疑惑で失墜した兵庫県知事の再選も全く意表をつかれた結果です。Xの所有者イーロン・マスク氏はトランプの側近となり、SNSを自由自在に駆使したのがトランプ圧勝をもたらしたことは否めない事実です。日本も国民民主党の躍進や兵庫県知事の復活など、SNSの威力をまざまざと見せつけられています。オーストラリでは16歳未満のS NS利用は法的に禁止となりました。世界の常識は刻々と変化しています。
11月の米国消費者物価指数は2.7%上昇し、トランプ・トレードに伴って米国金利は上昇し、円も円安方向に触れました。しかしその後米景気の翳りも想定し米FRBパウウェル議長は12月に政策金利の引き下げを予測し、月末の日銀総裁記者会見では12月または来年1月には利上げを想定。円は150円割れの円高に転じています。米国ダウ平均にエヌビデアが採用されたこともダウ平均の上昇に寄与しました。
トランプ・トレードもそろそろ終焉し、それよりもトランプ人事の採用が注目されています。味方と忠誠心が任命の最大基準のため疑問視されている人材が対象となっています。大統領就任後トランプは政敵に対し復讐心に燃えるのか、それとも発言よりは職務に相応しい政策を遂行するのかは全く未知数でしょう。
資本市場の今後と相場展開は誰とも分かりません。トランプ大統領は基本的には景気を刺激し、富裕層を一層優遇する政策展開を図るでしょう。その限りにおいて市場に対して強気論が多数を占めています。米財政赤字は現在年間6％で進行しており、さらなる拡大に懸念が持たれています。インフレと金利は高めに推移するでしょう。諸外国はいずれも新政権対策として、如何に摩擦を軽減するかを模索しています。

LOGOSキャピタルパートナーズ
伊藤　武