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藤原ユカ

ロジカルシンキングを土台に制作物に魅力を吹き込むデザイナー

藤原ユカ(ふじわらゆか) / デザイナー

レスカルゴデザインオフィス

コラム

高齢者向けデザインは文字を大きくすれば良い、の誤解

2019年8月16日 公開 / 2020年1月17日更新

テーマ:制作のコツ

コラムカテゴリ:ビジネス

文字サイズ

文字を大きくすることの影響

前回、年齢によるステレオタイプについて書きました。
今時の50代、60代、その上の世代も、以前より見た目も気持ちも若い方が多いと思いますから、そこは気をつけるべきポイントです。

コラム:年齢によるステレオタイプ

ただ、そうは言っても体の変化は訪れます。

そのうち、デザインや制作に大きく関わってくるのが視力の部分です。

加齢による視力の衰え、いわゆる老眼は40代から始まると言われています。そこで、アンチエイジングをうたうものや、高齢者向けのパンフレットやチラシなどの制作の場合、「文字は大きく」というリクエストをいただくことも多く、それがなくても、制作サイドである程度気を配るのが普通です。

ところが文字を大きくするということは、すなわち同じスペースでの文字量が減る、つまり情報量が減ってしまうということです。

そこで情報量をキープしようとすると文字組の面積が大きくなり、その分ホワイトスペースが削られてしまいます。すると今度は紙面全体が「文字ばっかり」になってしまって圧迫感を覚え、「読めるかどうか」以前に「読みたくない」ものになってしまいます。

かといって情報量を削りすぎてしまうと、商品によっては例えばメリットをいくつもあげてはいるけれど、どれも根拠の説明がきちんとされず、購入への説得力が欠けてしまうといった事態も考えられます。

また、どこまで読めるかの個人差も大きく、老眼鏡をかければ問題ないし、苦にならないという人もいます。どの程度まで文字を大きくすれば良いのか、目安はあっても実は明確な正解はありません。

とにかく文字を大きくしようと、補足の説明や注釈まで大きめにしたり、本文を大きくしすぎて見出しとの差が少なくなってしまうと、メリハリがなくなり、紙面を見たときに、全てが同じ状態で一度に目に飛び込んできてしまいます。

結果、読みづらい(どこから読んでいいのかわからない)という状況を呼び込んでしまいます。

個人差やコアターゲットより若年の層まで広げて考えると、それほど大きな文字でなくても問題ない人もいる訳ですが、配慮が度を過ぎると、そういう人たちまで犠牲にしてしまうことになりかねないのです。

文字を大きくするだけが「読みやすさ」への解決ではない

前述の通り、読みやすさは文字の大きさだけではありません。紙面における文字面積の割合=適度な余白(ホワイトスペース)やメリハリも関係してきます。それに加えて、文字組自体の構成(幅や行間、文字のつまり具合や改行など)も重要です。

以上は年齢に関係なく言えることでもありますが、視力の衰えを考える時は、書体(フォント)の形や色の使い方も考慮すべきポイントです。

例えば、読みやすい設計がしてあるUD(ユニバーサルデザイン)フォントを採用すれば、文字の大きさを変えずに可読性を高められます。UDフォントに限らず、書体によっても読みやすさに傾向があります。また、年をとるとだんだんとわずかな色の差がつきにくくなりがちですから、それを不用意に使わない、きちんと読んでほしい文字にははっきりした色使いをするなども有効です。

ただ、フォントや色使いは全体のイメージを大きく左右する要素でもあります。

表現したいイメージと齟齬がないかなど、全体のバランスをきちんと考慮することが必要です。例えば微妙な色使いが内容の理解とは関係ないところで使われるのであれば、ある程度イメージを優先しても良いはずです。

落としどころを見つけましょう

このように読みやすさにはいろんな要素が絡んできます。

大きめの文字で情報を削ぎ落とし、すっきりシンプルにすることで、効果がある場合もあるでしょうし、闇雲に大きな文字を実現するために明らかに情報(購入への判断材料)が足りないとなると、逆効果も生んでしまいます。

情報量やイメージも含めて、できれば配慮さえ感じさせない、バランスの良い落としどころを見つけることが大切だと思います。

今回のポイント
・文字の大きさは情報量に影響する
・読みやすさには余白やメリハリ、文字の組み方も関係するため
 大きさだけを優先してしまうと、逆効果も生んでしまう。
・書体(フォント)や色使いも読みやすさの要素
・全体のバランスを考えて、程よい落としどころを見つけるのが大切

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