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藤原ユカ

ロジカルシンキングを土台に制作物に魅力を吹き込むデザイナー

藤原ユカ(ふじわらゆか) / デザイナー

レスカルゴデザインオフィス

コラム

女性向けのデザイン=ピンクという思い込み

2019年8月7日 公開 / 2019年9月13日更新

テーマ:デザインの周辺

コラムカテゴリ:ビジネス

ピンクイメージ

ピンクに関する、実は「あるある」なご意見から…

ある展示会に出展中、来場者の方にこう尋ねられました。
「女性向けなのにどうして黒なんですか?」

「女性向けのデザイン」と大きく掲げたタペストリーのベースカラーに黒を使っていたため、「女性向けなら普通、黒ではなくてピンクじゃないのか」と思われたそうです。

女性向け=ピンク。確かに女性は比較的ピンクが好きな人が多いという印象がありますが、だからと言って女性向けならピンク、というのはちょっと急ぎすぎです。

女性向けの商品と言っても、持って可愛いもの、美しさを追求するもの、かっこ良さが要求されるもの、実用的なもの…いろいろな性格のいろいろな価格帯の商品があり、女性も可愛いものが好きな人、きれいなものが好きな人、かっこいいものが好きな人、シンプルなものが好きな人、落ち着いたものを好む人…いろいろな人がいます。また、嗜好性とは別に、年齢や職業、環境などによっても選ぶものが変わってくるでしょう。

あえて女性っぽく見えない方がいい商品もあるでしょうし、いかにも女性向けっぽくつくられたものを嫌う人もいるかもしれません。

どういうわけか少数派として語られることも多い「女性」ですが、なにしろ人口の半分は女性なのですから、その趣味嗜好を十把一絡げに考えるのは戦略的にも大雑把すぎてしまいます。

それに色に関しては、女性の方が自由度が高いとも言えます。

例えばピンクのシャツ、男性でも着ている方は時々いらっしゃいます(大抵よくお似合いです!)が、ピンクの小物を持っている方はあまり見かけない気がします。

対して女性の場合、ピンクでも青でも茶でも黒でも、様々に好きな色のものを着たり持ったりしているのではないでしょうか。それなのに女性=ピンク、という単一的な結論に飛びついてしまうのはちょっともったいない感じもあります。

識別として用いる場合も…

ただ、そうした嗜好とは関係なく「女性は赤やピンク、男性は黒や青」というように、色が識別の助けとして機能する場合もあります。商品ではないですが、公衆トイレのサイン(この場合は赤が多いですが)が例としてわかりやすいかもしれません。

商品では例えば、小さい顔用のマスクなど(大きさゆえに一般的に女性向け)も好き嫌いとは関係なく、女性(や子ども)に適したサイズということがわかりやすくなります。

ですから「女性向け」自体が珍しいもの、今まで性別に関係なく存在していたものを女性により適したものとして開発した商品などは、その思い込み(刷り込み)を利用してわかりやすく特異性をアピールすることができるでしょう。

逆に女性向けなのが普通の商品やサービスや、その販促ツールであれば、もう少し自由に、他の選択肢も含めて考えても良いのではないでしょうか。どういう位置付けの商品なのか、まずはそこを見極めること。そして、女性向けであることを表すのは色だけではありませんので、総合的に考えるのも大切です。

また、こういう思い込み、価値観も時代とともに変化します。

学校での持ち物…ランドセルなども、今でこそカラフルなものが流通していますが、昔は女の子は赤、男の子は黒がほとんどでした。私が子供の頃に一人だけ、黄色いランドセルで通学している女の子がいましたが、その子の目立つこと目立つこと。でもこの赤と黒の色分けは本当は特に意味のないもので、実は別に決まりもなかったのですね。なんとなくそういうものだろうと親も店も思い込んで、あてはめていたわけです。結果的にその女の子自身もちょっと目立つ存在になっていて、周りの私たちも別にみんな一緒でなくてもいいんだな、と教えてもらった気がします。

最近ではジェンダーに関係なく選んで着られる制服を採用する学校も登場しましたし、イギリスで暑い夏に半ズボンを禁じられた男子生徒が(禁じられていない)スカートを履いて登校した、なんてニュースもありました。イギリスでの話は理不尽な校則への抗議のためでしたが、写真を見ると意外に楽しそうで、スカートを履くことにあまり抵抗もない様子。

今、機能している色分けも、将来的にはあまり意味がない時代になるかもしれません。現在女性向けであること自体が特殊なものも、他に同じようなものが増えればその中で差別化も考えなくてはいけません。多様性の求められるなか、その時々で、適した色、適したアプローチを考えていくことが、ますます重要となるでしょう。

間違えると危険なピンク

余談ですが、一口にピンクと言ってもとても幅広く、かわいらしいベビーピンクもあれば、シックな抑えめの大人ピンクもあります。他にもショッキングピンク、サーモンピンク…濃さによっても、黄寄りだったり青みがかっていたりと混色の微妙な配分や、他との配色によっても、イメージがとても違ってきます。うっかりすると安っぽい印象にもなりかねない、またステレオタイプ的な捉え方が透けて見えれば反感さえ持たれかねない、実は意外に危険な色であったりします。

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