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芳賀哲

50歳からのネクストライフと働き方改革講師

芳賀哲(はがてつ) / 研修・講演講師

株式会社 個コラボ

コラム

役職定年後50代の社員を上手く活用するために、理解しておくべきこととは?

2019年6月10日 公開 / 2020年7月9日更新

テーマ:50代社員を組織で躍動させるマネジメント

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 退職 手続き退職金制度 導入

50代の将来への悩み
役職定年や定年後の継続雇用など、キャリアの節目となる出来事を多くの人が50代で迎えます。一定の年齢に達したことなどで管理職から外れる役職定年ですが、大企業の中のほぼ半数が役職定年制を導入しています。
若いときには実感がわかなかった言葉が、リアルな年収ダウンを伴い降り掛かってくるとき。50代社員たちは「いずれこうなることはわかっていた。でも納得がいかない。」といった複雑な思いにかられます。
今回は、そうした50代社員の意識や実態に触れながら、企業としての今後の接し方を考えます。

役職定年後の50代社員の悲哀

新卒で会社に入り転職経験もなく勤め上げた人が役職定年を迎える時、「いまさら転職しても、うまくやれる自信がない」「役職定年後の低い収入も受け入れて、ここにとどまるしかない」といった心境に陥るようです。

早い段階から人生設計の立て直しができていない人は特に、退職金の実態や年収激減の現実を目の当たりにしてぼうぜんとするようです。

・子どもにまだ教育費がかかる
・手に入れたわが家の住宅ローンが残っている
・妻に働くことを促すと、泣かれた

などなど。出世コースをひた走り、役員の座におさまった同期との立場の違いを思うと、ふがいなく感じてしまうこともあるでしょう。

しかし、企業としてはそんな身につまされる話にばかり同調しているわけにはいきません。

積極的に行動しない50代社員の負のスパイラル

将来の夢が断たれると仕事への張り合いが失われます。無力感が強くなると、徐々に自己無用感が加わり、コミュニケーションの取り方にも変化が表れ始めます。

結果、50代社員は問題の多い働き方となり、負のスパイラルを起こすことがあります。

・本当は意欲を失うことなくがんばるはずだったというジレンマ
・後はあてがわれた仕事を体力相応にやるだけだという居直り
・がんばったところでどうせ評価されることはないというあきらめ
・割り切って毎日会社に足を運ぶだけだという枯れた考え

など、胸中穏やかではない思いから、腰掛け的な勤務状態を貫く可能性が懸念されます。

50代社員のモチベーションを上げ、やる気を引き出すために


2018年に明治安田生活福祉研究所が行った「役職定年後の仕事に関する調査」によると、役職定年に伴い年収減となった人の約60%が「モチベーションが低下した」と回答しています。 

また、役職定年の前後で年収が変わらなかった人のうち、4人に1人が「モチベーションの低下」を認めています。

役職定年後も就労を続ける社員のうちの約30%が「異動」を経験していますが、その中で異動したことを「満足」と捉える人が約70%もいます。

その理由は、

・元上司が所属部内に残ると新しい役職者がやりにくいから
・元部下が上司になると自分もやりにくいから

といった具合に、異動前の職場への配慮が高い割合で認められます。


逆に役職定年の際の異動に「不満足」と回答した人が、その理由として挙げているのは

・それまでの知識・技能・経験が活かせなくなった
・前の所属でまだやりたい仕事があった
・やりがいの持てない職務になった

などでした。

50代シニア社員が思い描く将来は、夢とはほど遠いものとなる場合が多いです。役職定年後には肩書もなくなり、収入も下がるのでモチベーションは維持できなくなるのが現実のようです。

働き手本人の性格や職務の特性、職場環境に応じた異動や役割の工夫が必要です。

・仕事は自分で選べない
・与えられる地位も自分では操作できない
・自分に何ができるのかわからない
・本当は何がしたいのかわからない
・これまでの経験の活かし方ってあるのだろうか?

役職定年を迎えた50代シニアが抱える数々の負の感情を、時機に応じて組織が個別で支援していくこともできるはずです。職場に身を置くだけの腰掛けシニアが増えると、他の社員のモチベーションまで下がります。

50代社員の気持ちを理解することの重要性

企業側が役職定年後も何かの形でがんばってほしいと願う気持ちと、50代社員のあいだに物言わぬ不信感が漂う微妙な空気も当然あります。その溝を埋めるためには、50代社員の「役立ち感」を高めることが第一です。

現実として、役職定年のシニアに期待を込めた仕事をあてがうことは、ほぼできないかも知れません。しかし、経験で培ったことを活かせるであろう仕事、また興味や関心が高い仕事に関わることができればどうでしょうか?

「承認感」を高めることも重要です。役職定年という、ある種の終わりを迎えた時期特有の、何かと気が引けてしまう気持ちというのは、それまでの積極的なコミュニケーションを阻害したり、人間関係を億劫にさせるようです。

職場の仲間の中にどのように引き入れ、チーム行動に参加してもらうかで、今後の働き方が決まると言えます。大切なのは直接的な評価処遇です。

日々の取り組みに自信と誇りを持ってもらい、もっと良い仕事ができるといった意欲をかきたてる働きかけが大切です。

なによりも、自分が持っている経験を何に役立てるか、自分で発見することを支援することが大切です。

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この記事を書いたプロ

芳賀哲

50歳からのネクストライフと働き方改革講師

芳賀哲(株式会社 個コラボ)

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