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八巻稔秀

独自のエクササイズで骨格を本来の形に整えるスポーツトレーナー

八巻稔秀(やまきとしひで) / スポーツトレーナー

TYカラダ調整セラピー

コラム

腰が痛くなるスクワット、痛めるその原因は? きちんとしたフォームがケガ防止・パフォーマンスアップにつながる。

2019年10月29日 公開 / 2021年3月22日更新

テーマ:トレーニング・エクササイズの”実は”

コラムカテゴリ:スクール・習い事

コラムキーワード: 腰痛 改善トレーニング方法パーソナルトレーニング

今回は、代表的なトレーニングエクササイズ・
スクワットをやると、腰が痛くなってしまう・・・・

そんな方に向けたお話になります。
おすすめするスクワットの方法のご紹介の前に、
こんな方法だと効果は限定的か、もしくは逆効果ですよというものをご紹介します。



筋肉が付いても、体に悪そうなスクワットが散見される・・



スクワットのエクササイズを実際行ったり、スポーツをしたりで
腰が痛くなったという方も多いのではないでしょうか?


すると、「腰の筋肉を鍛えた方がいいのですか?」と
聞いてこられる方がいらっしゃいますが、
この考え方は間違いです!


腰の筋力が無いから腰が痛くなる訳ではありません。


腰が痛くなるようなフォームでスクワットをやっているからであり、
腰が痛くなるような姿勢でスポーツをしているから、
腰が痛くなるのです。


腰が痛くなりそうなスクワットとは
具体的に
「下降した時に、上半身に対して骨盤が後傾するスクワット」
「上昇時に、骨盤が起き切らず腰椎から体が起きるスクワット」

大きくこの2つが挙げられると思います。


下降時に、骨盤と腰椎のベクトルが反対になると、
関節にずれが生まれ、痛みの要因になります。
また、上昇時に腰を反って体を起こす事でこのずれを助長して
ぎっくり腰のような症状が出やすくなります。
関節がずれるまで行かなくとも、腰を反る動作では腰椎の筋肉がたくさん使われますから
疲労した腰の筋肉が筋肉痛のようになります。

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腰に負担をかけるスクワット・かけないスクワット。
スクワット時の骨格を解説



スクワット時の骨格

(左)バーベルを担いでのバックスクワットで多い例。
骨盤が前傾したまま膝だけが伸びきり、腰椎から上体が起きる。
腰まわりの筋肉が過緊張し、酷使する事で腰痛の原因に。

(中央)正しい骨格に近いイメージ。直立時骨盤は前傾ではなく直立。
スクワットで上昇する時にゴールにするべきはこの位置。

(右)スクワットの下降時、上半身の前傾に対して骨盤が後傾方向に動くと
仙骨と腰椎の進行方向が逆になり、関節のズレが起こる要因になる。
上半身が前傾した場合、骨盤も同じ方向へ前傾しているかを指導者は見る必要がある。

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腰が痛くなる人は、筋力が弱いのではなく、「使い過ぎ」



慢性的に腰が傷む人は、腰の筋肉をむしろ使いすぎているか、
腰の関節に負担をかけているのです。
スポーツで腰が痛くなる人は、
この動作に準じる動作を無意識に行っているのだと思います。



ただ、上のようなスクワットは、トレーニングの教本にもそう書いてあったり、
学校などでそう教えているところもあります。
ですからやる側より、教える側の問題でもあります。
教える側が、スクワットをどう捉えているかによって大きく意味が違ってきます。



私も昔このようなスクワットをして腰痛になった事があります。
なぜこのようにスクワットをするように教えているのか聞いた事はありませんが、
腰から体を起こすスクワットは、体に良くない動作を植え付けてしまうので、
やるべきではないなと考えています。

筋力トレーニングとして考えた場合でも、
「脚を太くしたい」という人以外はあまりやらなくてもいいと思います。

悪い姿勢も身についてしまいますし、
腰や膝にも悪影響です。



スクワットは全身の協調エクササイズ。
言うほど正しくやるのは簡単じゃない!



スクワットというと、脚を中心に鍛える筋トレの種目で、
筋力を上げるためにアスリートがバーベルを担いで行うところから、
シニア層が足腰の筋力強化の為に行うところまで、
幅広く行われているエクササイズです。


私ももちろん、すべてのクライアントさんにやっていただいてます。

きちんとポイントを理解した上で、
最低限どこを気をつけてやればいいのか
わかっていて出来れば何の問題も無いですが、


「脚の筋肉を鍛えるエクササイズだから」と言って、
見ようみまねでやると、かえって体を傷める事にもなります。


スクワットは全身を使った運動です。
特に股関節より下の脚の関節を多く使います。


その中で、股関節を上手く使えていない人が非常に多く、
それでスクワットを行う事で腰や膝などに過度の負担をかけている人が多いようです。




スクワットを行う目的は、筋力アップだけではない!



スクワットは脚の筋トレの種目と多くの方は認識されていると思いますが、

私がスクワットをトレーニングの中に必ず入れている目的は、
脚の筋力アップではありません。



もちろん、行う事によって筋肉は鍛えられますが、
(上の方法より”バランス良く”鍛えられます)
そこよりも、スクワットという全身運動の中で、
どのように体を動かせば腰や膝に負担がかからないか、
スムーズに股関節などの各関節が動かせるか、というように
「カラダ(骨)を移動させる」技術を体に教え込む事を主な目的としています。



腰や膝が痛くなるのは、筋力が無いとかいう問題ではありません。
体を正しく機能させられていないから、一定の場所に負荷がかかるのです。


一定の場所に負荷をかけ過ぎず、全身を上手く連動させて体を動かすために
スクワットのトレーニングをする。
そのためには、上半身(背骨)の形を整え、
下半身の機能を正しく使ったスクワットが必要です。



筋力・フィジカルトレーニングの代表的なエクササイズ・スクワット。
筋力アップに、スポーツ上達のためにと、
トレーニングに取り入れている方も多いと思います。

ただ、その代償として、腰などが痛くなってしまうという方もいらっしゃるようです。
私も以前は痛めたこともあります。



私は”発想を変えて”スクワットのトレーニングをする事で、
腰なども痛くならず、かつバランス良く筋肉を鍛え、
正しい動作・姿勢も身につけられると考えています。



”腰を反るスクワット”は、パフォーマンスアップの理にかなった動作か?




先ほども出てきましたが、
スクワット時の骨格
特にバーベルを担いでスクワットを行うと、
上昇時に左のような姿勢になります。


このような形でスクワットをしていると、
脊柱起立筋という背骨回りの筋肉を中心に体を起こし、腰を反る癖が付きます。
これで腰の筋肉が過緊張し腰痛などを感じやすくなります。

そういう面でもこのスクワットはあまりおすすめ出来ないのですが、
スポーツパフォーマンスアップの面からみても、このスクワットは非効率です。



◎ジャンプの時、空中でどんな形をしているだろう?


スクワットは、全身を使ったエクササイズですが、
とりわけ股関節以下の脚部の関節を大きく使います。
特に体幹と脚部の関節である股関節は特に大きく使ってあげる必要があります。
一番大きな力を発揮出来る筋肉がそこについているからです。

しかし、上のイラスト左のような形で上がると上昇時の股関節の”伸び”が不十分です。

ジャンプの時の体がどういう形をしているか、思い浮かべてみましょう。
上のイラストのような形で空中姿勢をとっているでしょうか?



おそらく、空中に跳んだ時は体は縦に1直線では無いでしょうか?

なぜそうなるかと言うと、上に大きく跳ぶには
股関節の伸びまで使って地面に力を伝えないといけないからです。


スクワットを”体を上下動させる運動”と考えてやってみよう!



確かに筋力アップという事だけを考えれば、
先のスクワットは有効かもしれません。
足も太くなるでしょう。
しかし、スポーツパフォーマンスに影響をより与えるなら、
股関節はしっかり動かさなければなりません。



◎股関節をしっかり動かすには?


スクワットで大きく股関節を動かすには、
スクワットで脚を鍛えるという固定観念から外れ、
「体を上下に移動させる運動」をしているというイメージで運動をします。


スクワット 下降位


スクワット 上昇位

下から真っ直ぐ体が立つところまで体を移動させる動作が、スクワットです。
下がる時は、この逆に体を降ろしていきます。
上半身は傾きが変わっても、形は常に変わりません。
脚を使って体を沈めたり、持ち上げたりしているのです。
この動作を素早く・片足交互にするなどに応用すると
ジャンプやランなど、スポーツの局面で使える動作になります。


スクワットは、”骨盤調整エクササイズ”



私はスクワットをこのように行うと、骨盤調整の効果もあると考えています。
スクワット 上昇位
しゃがんだところから体を充分に押し上げる事が出来ると、
骨盤・上半身は脚の真上まで移動してくれます。


これはすなわちきちんと「立つ」能力に他なりません。
骨盤後傾や過剰な前傾は、この能力が低い為に起こってしまうと考えていいでしょう。

スポーツパフォーマンスアップはもちろんですが、
姿勢づくりには一層欠かせない要素が含まれているのが、
今回ご紹介したスクワットです。




様々なスポーツやダンスなどの動作には、屈伸動作が必ずと言っていいほどあります。
その動作の基はスクワットの動作なんですね。
さらには、ウォーキングやジョギングも、
左右交互で小さくスクワットをしているようなもの。

スクワットで腰や膝が痛くなる人は、
スポーツシーンやジョギングでもそのリスクが高いと考えていいでしょうから、
きちんとスクワット・歩き方いずれかを改善しておくことが大切です。



筋力アップより、”カラダを正しく動かす力”を高めよう!



とかく筋力アップを勧める風潮がありますが、
私がトレーニング指導をして思うのは

ほとんどの人は
”今持っている筋力すら使いこなせていない”
という事です。



今ご自身が持っているポテンシャルをしっかり引き出せるように、
体を正しく動かす能力を高める事が、
体に負担をかけずに大きなパフォーマンスアップを
実現させる近道なのではないでしょうか?



特に40代くらいからのトレーニングは、
そういった点を重視して行うといいでしょう。




スクワットの動作の本質を理解しているトレーナーって、
ほとんどお目にかかった事がありません。
そういうトレーナーの人は、
「筋力アップ」「筋肥大」もしくは「減量」を目指す人には合っていると思います。


きちんと今回挙げたような、動作の本質を理解出来ていないと、
腰痛を改善したり、膝の動作痛を改善したりという体のトラブル改善や、
大きなスポーツパフォーマンスアップを導く事はきっと出来ないでしょう。

そういう目的でトレーニング等をされている・したい人は、
動作の本質を理解している人を探してコーチングを受けるといいでしょう。


参考にして頂けましたら幸いです。

この記事を書いたプロ

八巻稔秀

独自のエクササイズで骨格を本来の形に整えるスポーツトレーナー

八巻稔秀(TYカラダ調整セラピー)

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