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栗原庸介

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栗原庸介(くりはらようすけ)

栗原司法書士事務所

コラム

女性専用車両を守れ!

女と男の法律論

2018年4月6日 / 2018年4月7日更新

ここ最近、わざと理由もなく女性専用車両に乗り、
ある種の主張をする男性がいるらしい。
(以下、その複数を指して「A氏」とする)

いわく、女性専用車両は痴漢でない男性をも排除する
不当な手段であり、性差別を解消すると称した男性差別だという。

申し訳ないが、私は1ミクロンもA氏には賛同できない。

女性専用車両は、性被害に遭うのは圧倒的に女性が多いという
事実に基づいており、女性差別を是正する手段である。
それを指して「男性差別である」という批判は
その前提を欠いており失当というべきである。

そして、男性は女性専用車両に乗らなくとも、
通常の車両に普通に乗れるのであるから、
痴漢でない男性を排除などまったくしていない。
(逆に、ある種の女性は男性と同じ車両には怖くて乗れないのだ。
そういう苦しみを想像できなくてはならない)

この点については私個人の見解ではなく、
裁判所の判断も出ている。
2011年7月に東京地方裁判所により
「(女性専用車両は)平日の通勤時間の一部、しかも6両の車両のうち1両のみで、
男性が目的地まで乗車するのを困難にするものではない」として
「鉄道会社による女性専用車両の設置は妥当」との判決がくだされている。

裁判所が不当でないと言っているのである。

A氏は、もし女性専用車両に乗れず精神的苦痛だというのなら、
提訴して最高裁まで争えばいいのであって、
A氏のような女性を困惑させる実力行使のやり方で「男性差別」を訴えることは、
痴漢は重大犯罪だという認識に立っていない証拠であり、
同時に女性に対する暴力や差別を助長・是認するものと言わざるを得ない。

それだけでなく、A氏の行為は民事上や刑事上の責任が生じる
可能性があることを指摘しておく。

鉄道会社には憲法で保障された営業の自由がある。
トラブルで電車が遅延し対応を要すれば、
民事上の不法行為に該当する可能性があるし、
威力業務妨害罪などに該当する可能性も否定できない。
A氏は今のようなやり方ではなく、
司法に救済を求めるか、その他の意見の発信手段をとるべきだ。

それに、男性というだけで乗車できない車両があることを「男性差別」と言うのであれば、
この状況をつくり出している痴漢などの性犯罪者をこそ憎むべきで、
女性専用車両を非難するのはお門違いだ。
女性専用車両ではなく、痴漢を撲滅するべきである。

また、A氏の主張かどうかは定かではないが、
女性専用車両を批判する声として一般によくあるのは、
「普通の車両はめっちゃ混んでいるのに、女性専用車両は空いていてずるい」というものだ。

しかしこれも同じように、憎むべきは、非人道的なラッシュを作る要因となっている
日本企業の働き方や交通システムであり、女性専用車両に問題を押しつけるのは
やはりお門違いである。

もちろん、女性専用車両は本来は次善の策というべきものとは思う。
しかし、表面的に男性が乗れない、ずるい、
わざと乗ってやれ、というのはあまりにも短絡的ではないだろうか。
男として、もっと他にやるべきことがあるはずだ。

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