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古川弘恵

おもてなし術と心の磨き方を伝えるおもてなしエバンジェリスト

古川弘恵(ふるかわひろえ)

サロン・ド・英華

コラム

日本の女性の魅力は”たしなみ”を心得てるから!

日本人女性が自然に身につけている美意識は、長い歴史とともに育まれた「たしなみ」ではないかと思います。たしなみとは、好みや趣味、つつしみ、心がけ、物事に対する心得や芸事、武芸などの心得を意味します。日本人女性の魅力となるたしなみについて紐解いていきたいと思います。

日本の女性として身につけていたい“たしなみ”の意味や由来

「たしなみ」という言葉の意味は「好み」「趣味」「つつしみ」「心がけ」「物事に対する心得」「芸事や武道などの心得」ではありますが、英語や外国語で同じ意味をもつ言葉は見つからないそうです。日本ならではの美意識を示す言葉なんですね。

「おもてなし」も同じです。「お・も・て・な・し」という言葉が注目されだしたオリンピック招致の際のスピーチでもあえてフランス語に訳されなかったのは、同じように当てはまる意味を持つ言葉がなかったからというのと同じですね。

日本の近世では芸事や武道の「たしなみ」という形でお稽古をつけていたことが多いのですが、武士の娘は、薙刀(なぎなた)などの武道は敵を倒すためというより、自衛力と胆力をつけることで、何事にも動じない精神を修養するという意味があったそうです。町人の娘は手習い、三味線、踊り、琴華道、茶道などのお稽古を通じて、女性の礼儀作法や一般常識を学んでいたそうです。

同じ型や作業を繰り返し行う鍛錬が精神を鍛え成長させる

昔の日本の女性が「たしなみ」として行ってきた武術や芸事は、何度も繰り返し同じ型や作業を行うことで、集中力を高めることができるようになります。さらに続けていくと何かしらの発見があり、喜びを見つけることができるようになります。そして、コツコツとひとつのことを続けることによって精神が磨かれ、鍛錬されていくのです。

しかし、何度も何度も気が遠くなるような練習を繰り返すので、端から見ると単調で退屈な動作かもしれません。飽きることもありますし、なんとなくできた気持ちになってしまうこともあります。ですが、できたつもりで調子に乗ってしまったり、手を抜いてしまったりすると成長できないものです。

日々の鍛錬の中では、謙虚な気持ちで自分は一番下手であると思い、努力を惜しまないことが大切です。一方で、勝負や披露する舞台では自分が一番と思い、これまでの鍛錬に自信をもち、堂々とやり抜きます。そうすると、それまでの努力が形となり、人へ感動を与えることができますし、自分の喜びへとつながるのです。

そして、武術や芸事で心身が鍛錬されていくと、日々の家事や仕事でも、繰り返すことを楽しみながら新たな発見を見つける喜びが見出せるようになっていきます。

自分に向かい合い続けて追求し続けた先に自然な自分らしさが生まれる

芸事を極めるには、徹底的に型を守ることが基本です。そして、型を身につけてはじめて、型から離れ、自分自身のスタイルが自然に発生するという考えを「守破離(しゅはり)」というのですが、能の第一人者である世阿弥が著書の「風姿花伝」に記しています。

精神を極限まで集中させると、人の動きや声が鮮明に意識できるようになるそうです。集中することで意識は広がり、人は何者にも縛られず自由であることを感じられるようになるのだそうです。

自分自身のスタイルについても同じではないでしょうか。一朝一夕で生み出されることではありません。何度も繰り返し自分らしさを追求し、向き合い続けた先に自然と生まれるものなのです。

それは、自分の生き方や日々の暮らし方、服装、持ち物全てに通じるのではないでしょうか。

一期一会の精神が豊かな時間・人生を作り上げていく

人は今の状態がいつまでも続くと錯覚しがちです。すると、日々は同じ事の繰り返しで色あせて見えたり、むなしく見えたりして、すぐに怠惰になってしまいます。

しかし、現実の世界は絶えることなく変化しており、永続的なものは存在していません。ですから、「これは永遠ではない」「これが最後かもしれない」と思うことで、一瞬一瞬が大切に感じられるのではないでしょうか。

茶道に由来する「一期一会」は、茶席に臨む際には「一生に一度の出会いであることを心得て、お互いに誠意を尽くす」という心構えのことです。華道に例えるなら、一輪一枝とのその姿かたちとの出会いは二度と同じものに出会えるものではありません、だからこそ、今の出会いを大切にし最大限に生かすことが自然の命に対する誠意というものなのです。

最初で最後かもしれないこの一瞬を大切にする。この人とは今後一生会う機会がないかもしれない。この機会を逃したら次はないかもしれない・・・。と常に「今」「この一瞬」を大切にする心を持つことは、イキイキとしたエネルギーへとつながると思いませんか。

また、趣味を持つ、自分の好きな物を大切にするということは、何かを心から慈しみ愛するということだと思います。ファッションにしても、身につける物にしても贅沢な物をたくさん集めるのではなく、本当に好きな物を必要なだけ持つこと。それは、とても心豊かな時間が過ごせるのではないでしょうか。教養を身に着けることも大切で、人生を豊かにすることにもつながります。その教えは、欧米の考え方にもあり、日本でも伝統芸術や文化に触れることや学ぶことから、同じように心の成長にもつながっていきます。

人を大切にする、物を大切にする、自分の心を大切にすることは、現代の日本人女性にとっても、とても豊かな人生へつながる心の持ち方ではないでしょうか。

オリンピックも控えこれからますます国際化が進むと、色々な国々の人達との交流も増えてくることでしょう。異文化の人達とコミュニケーションをとる中で特に大切な事と言われているのは、相手の国の習慣、文化、歴史を理解することが大切とされる一方、日本人として日本の伝統文化を理解することも重要になってきます。

単に語学が堪能というだけではなく、特に日本の伝統文化とされる「道」といった華道、茶道、武道、書道など、日本の素晴らしい芸術文化の精神を理解し、「たしなみ」として、また「おもてなし精神」として日本を誇りとし世界にアピールが出来る人間力を磨くことが、ますます重要視されていくのではないのでしょうか。

ぜひ、少しずつでも良いので、取り入れていただければと思います。

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