私が学習塾に結婚相談所を併設した理由

皆さん最初はかなり驚かれるのですが、私の塾には「結婚相談所」を併設しています。全国規模の組織に加盟していて、お見合いの設定から交際・プロポーズ・結婚式の段取りまで含めて、本格的な支援を行っています。教え子を中心に会員数は多く、（難関校受験の合格率同様）成婚率も結構高い方だと思います。全国広しと言えども、学習塾に結婚相談所を併設しているところは他にないのではないでしょうか？ （もしあるようでしたら、情報交換等したいので、ご連絡をいただけると嬉しいです！）

「なぜ塾に結婚相談所を？」という質問は、今までに何度もいただきました。不思議に思われるのは当然だと思います。元々は、個人的に元教え子たちの婚活相談に乗っていたことがきっかけでした。30代の女子が多かったのですが、結婚はしたいのだけどなかなか相手に恵まれない。子どもも欲しいけど年齢的にリミットが近づいて焦って来て、というケースがほとんどでした。飲みに行って話を聞いてあげて、教え子同士引き合わせて……というようなことをしていたのですが、ボランティアで時間を取ることに限界を感じたことと、相手を探すところでのスケールメリットの必要性を感じて、本格的に結婚相談所を立ち上げたという経緯です。（私と女性講師が資格を取りました。）
教え子が多いこともあり、費用は大手に較べるとかなり安い金額で設定しています。最近は、噂を聞いたという教え子の友だちや、バツイチの保護者の方、塾でお付き合いのあった業者の方等、会員の幅がかなり広がって来ました。現在は、新型コロナウィルスの影響でホテルのラウンジ等での対面のお見合いが難しい状況があるのですが、オンラインでのお見合いが当たり前となって遠方の会員ともお見合いが組みやすくなったので、逆に機会が増えているという側面もあります。

この数十年で、未婚率がかなり高くなって来ていることは、皆さんご存知だと思います。現在「生涯未婚率」は男性が25％、女性が15％くらいですが、近い将来、男性30％、女性20％に届くのではないかという予測すらあります。
50年前は、（97％の人が結婚していたのですから） 結婚するのは当たり前の時代でした。21世紀になってから未婚率は一気に上がり、5人に1人（将来的には4人に1人？）が一生結婚しない時代が到来しようとしているのです。
これには様々な理由があるのですが、私は世間で言われているような、経済的な部分や、仕事と子育てとの両立に不安があるからという理由は、本質的なものではないと感じています。一番大きな理由は、「適当な人と出会えない」「結婚を前提とした交際がうまくできない」ということではないでしょうか。どんなデータを見ても、将来的には結婚したいと答える人の割合は依然90％を超えていますし、これは私の教え子たちの状況とも合致します。簡単に言うと、「結婚したいけどできない」という若者が増えて来ているのです。

数十年前は、身近にそういう若者がいたら、会社の上司、親戚や近所のおじさん・おばさんが、「いい人がいるよ！」と紹介してくれたり、お見合いの「釣書」（プロフィール）を持って来てくれたりと、様々おせっかいを焼いてくれました。今の時代は、そんなことをすると「セクハラだ」と言われてしまったりするので、（親も含めて）なかなかプライバシーに踏み込めなくなっています。そのために、若者たちが自分で結婚に向けた行動を計画的・具体的に取って行かないと、なかなかご縁に結びつかないのです。

そんな状況なので、周りの大人たちが、タイミングを逃さずに的確にアドバイスや具体的な支援を行って、背中を押してあげることが今まで以上に重要になって来ています。子どもの頃から付き合いがあり、本人の性格やタイプ・家庭環境等をよく知っている「塾講師」だからこそできる支援があると考えています。それが、私が教え子たちの婚活に注力している理由です。