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大石達也

会社の未来を創る事業プロデュース「仕組み化」コンサルタント

大石達也(おおいしたつや)

有限会社フォーカス・ビジネスプロデュース

コラム

失敗してからチャンスを掴む海外進出成功のポイント!

グローバル展開できる企業をつくる

2018年4月16日 / 2018年7月3日更新

2014年10月、帝国データバンクが発表した「海外進出に関する企業の意識調査」によると、海外から撤退、もしくは撤退の検討をしたことがある企業は、39.4%という結果が出ています。つまり海外進出した企業の5社に2社は海外進出が上手くいっていない、表面的には失敗してしまったということになります。

こうした数字を見ると、これから海外進出をと考えている企業は大きな不安が生まれるかもしれません。しかし失敗するにはそれなりの理由が必ずあり、それを知っておけば、いざという時の対応もしやすくなります。

そこで今回は海外進出の失敗事例をご紹介します。

海外進出に失敗する理由とは?

海外進出に失敗した事例をご紹介する前に、まずは良くある失敗理由についてご説明します。
海外進出に失敗する理由は大きく2つに分けられます。1つは事前の情報収集を徹底的に行わなかったこと、そしてもう1つは目先の利益だけを考えて進出してしまったことです。

1つめの情報収集を徹底的に行わなかったことに関しては、経営者仲間に勧められた国だった、競合他社がその国に進出して成功していたからといった理由で進出を決めてしまうケースが少なくありません。

もちろん安易に決めたわけではないでしょうし、信頼できる相手の勧めとあれば、必ずしも悪い決断とは言い切れません。しかしそれぞれの企業には合う合わないがありますし、現地での展開方法も違います。やはり自社で徹底的な情報収集、分析、検討を行わなければ、成功を手にすることは難しいでしょう。

そして2つめの理由である目先の利益だけを考えて進出してしまうことですが、コスト削減目的で海外進出を決める企業にこうした傾向があります。
人件費や土地代など日本よりもコストがかからないという理由で海外進出を決めたものの、現地スタッフとして優秀な人員を雇うために、競合よりも高い給与体系を取っているうちに、日本と変わらない、あるいはそれ以上にコスト高になってしまうことは少なくありません。

特に最近は日本だけではなく、欧米やアジアなどの競合も増え、最初の目論見から大きく離れてしまい、撤退することになるといった形です。

失敗事例

海外進出を失敗する企業は、大手、中小の規模は関係ありません。中小企業でも大きな成功を果たす場合もありますし、逆に大手が失敗して撤退ということも決して珍しいことではないのです。

そこでここでは大手企業が海外進出に失敗した事例を2つご紹介します。

●ユニクロ
現在もアジア、北米、欧州など世界各国で多店舗展開を行っているユニクロですが、はじめからすべての国で上手くいっていたかというとそうではありません。特に2001年、ユニクロが初めて海外進出をした国、イギリスのロンドンでは巨額の赤字を計上し、撤退を余儀なくされています。

ユニクロがイギリス撤退となった最大の理由は、現地の商習慣を知り尽くした人材を登用したものの、ユニクロの経営理念、企業風土を明確に伝えることができず、それが店舗運営にも反映されてしまったことといわれています。ローカライズはもちろん重要ですが、ユニクロ独自の色を出すことができなければ、競合との差別化ができず、思ったような結果を残すことはできません。

また、いかに無名なブランドの知名度を上げるか、そのマーケティングの方向性と具体策、さらには出店戦略にも課題があったといわれています。

その後、ユニクロはこれらの教訓を生かし、米国や欧州、アジアでも快進撃を続けてきたことはみなさんもご存知のとおりです。

●ソニー
ソニーは2005年から稼働していた中国広東省広州市の工場を、中国経済減速の影響もあり、2016年11月に売却し撤退することを発表しました。

この時、現地の雇用者は一斉にストライキを決行。ソニーは結果的に職場への復帰を条件に1人あたり最大1,000元(約1万6,000円)を補償金として支払うことで事態を収束させました。

工場を売却して撤退ということ自体は、経営判断ですので、ビジネス環境が変わった場合の選択肢の一つです。今回のケースでは、労働争議を招き、本来払わなくてもよい多額の補償金を払うことになったことが、果たして本当に最良な経営判断であったかに疑問が残ります。

これは、日本企業に多いケースとして、自社に非がない場合でも、補償金を支払うことで早期解決をしてきたという前例を悪用されたことによります。その意味では被害者でもあるわけですが、ただ事前にこの想定できるリスクに対して、どれだけの対応策が協議され、準備されていたかが気になるところです。

これは現地の商習慣を知り尽くした人材を登用したユニクロの失敗例とは反対の結果ですが、海外進出をする際は、その国、地域の商習慣、文化をしっかりと把握し、できうる限りの対応策を事前に検討しておかないと、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性があります。

事例を踏まえ、海外進出を成功させる

今回、海外進出に失敗する事例とその考えられる理由をご紹介しましたが、海外進出にはさまざまな成功、失敗事例があふれており、それらの情報は新聞や経済雑誌などでも容易にみつけることができます。また、成功と失敗の理由は、細かく見ていくと進出事例の数だけバリエーションがあるといってもよいでしょう。

これら事例の研究をしっかり行い、その上で現地の情報収集と分析、また現地の商習慣や人々の意識などといったソフト面においてもしっかり研究をしておくことが成功のための最低限の必要条件です。そして、海外進出にかける自社の明確なビジョンやポリシーと、それらを現地スタッフと十分に共有することが次の重要な課題となります。

その意味では、とりあえず海外進出をして、後は現場の社員におまかせでは、上手くいくはずがありません。まずは経営者自らが明確なビジョンを持つことが重要であり、海外進出を成功させる第一歩となります。

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この記事を書いたプロ

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