税制を活用して日本経済に新しい風を（3/3）

パートナーとして顧客と共に成長したい

　起業や再建を支えるという仕事柄、顧客と共に取り組む期間は最低でもおよそ3年という長期にわたります。その間、役所や取引先に対して企業の一員として対応するケースも多いため、結果として顧客企業の役職に就くことも。櫻井さんは監査役としての肩書きも多数持っていますが、これらは税理士としての実績の証とも言えるでしょう。

　「受けた依頼に対しては、単なる税理士業務にとどまらず、パートナーという感覚で取り組んでいます。自分が起業した人間だからこそ、共感も理解もできる部分がたくさんある。これまでの体験や知識を生かして、お客様と共に成長していきたいですね」

　今後は、起業支援、企業再建支援、不動産オーナーに対するコンサルティングという三つの分野を軸にしながら、新しいことにもチャレンジしていきたいそう。最近では経営管理サービス（株）という会社を立ち上げ、小規模事業者の規模拡大支援の一環として、専門知識がなくても使える会計ソフト『無料会計』をインターネット上で提供し始めました。

　「税制や会計制度を利用する立場の人間として、これからは制度を作る国に対しても積極的に声を上げていきたいですね。特にエンジェル税制については、関東経済産業局の普及促進検討会に参加するなど、活用方法について意見を求められる機会も増えてきました。今後も仕事の幅を広げ、税理士としての立場から、今の不景気に風穴を開けるお手伝いをしていきたいと思います」

（取材年月：2012年1月）

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