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  1. 倫理的消費(エシカル消費)と障害者支援につながる消費、事業所の役割
風間英美子

障害者の「働きたい」を後押しする障害者就労事業コンサルタント

風間英美子(かざまえみこ)

有限会社キュベル

コラム

倫理的消費(エシカル消費)と障害者支援につながる消費、事業所の役割

2018年3月27日 公開 / 2018年6月12日更新

テーマ:工賃向上

倫理的消費(エシカル消費)とは

消費行動の中で、倫理的消費(エシカル消費)という言葉に関心が高まってきているそうです。馴染みのない言葉ですが、消費者基本計画によると「地域活性化や雇用なども含む、人や社会、環境に配慮した消費行動」とのことで 、消費者それぞれが各自にとって 社会的課題解決を考慮したり、 そうした課題に取り組む事業者を 応援しながら消費活動を行うことと説明されています。

具体的には、人に対する配慮として障がい者支援につながる商品であったり、社会に対する配慮としてはフェアトレード商品や寄付付き商品、環境への配慮としてはエコ商品・リサイクル商品、地域への配慮としては地産地消・被災地産品などの消費行動があります。

倫理的消費(エシカル消費)が持つチカラ

倫理的消費(エシカル消費)がなぜ必要なのか、どんな意義があるのか、その持つチカラは何かというと、消費者に対しては、①消費という日常活動を通じ社会の課題解決に貢献できる ②商品やサービスの選択に安全・安心、品質、価格以外の尺度が増えて消費(お買い物)の幅が広がる、などがあります。

事業者に対しては、「企業市民」「企業の社会的責任」の重要性を認識し、①供給工程(サプライチェーン)の 透明性を向上する②差別化による新たな競争力を 創出する ③利害関係者から信頼感や イメージの向上を得ることができるなどがあります。そして行政に対しては、人権や環境に配慮したまちづ くり、地産地消、消費者教育などの取組といったことが挙げられています。

倫理的消費(エシカル消費)の現状における意識は?

それでは倫理的消費(エシカル消費)の意識はというと、消費者庁による「『倫理的消費(エシカル消費)』に関する意識調査」によれば

・ エシカルに関連する用語の認知度は、「エコ」 (50.9%)、「ロハス」(32.5%)、「倫理的消費」(6.0%)、「エシカ ル」(4.4%)。

・ 倫理的消費に対する消費者のイメージについては、「これからの時代に 必要」(29.3%)、「優しい」(15.5%)といったポジティブなイメージを挙げ る人が多い一方で、「よくわからない」(48.4%)が圧倒的に多い。

・ エシカルな商品・サービスの購入経験がある人は3割強(33.0%)だが、「購入意向あり」との回答は6割強(61.8%)となっており、需要の更なる拡大の余地はあると考えられる。

・ 倫理的消費(エシカル消費)への関心度については 35.9%(「非常に興 味がある」(5.8%)、「ある程度興味がある」(30.1%))となっている。一方で、エシカルな行動の実践状況 については実施しているとの回答(「よく実践している」(3.2%)、「時々実 践している」(25.8%))が 29.0%となっていて、実際の行動に結び付いていないと考えられる。

・ エシカルな商品・サービスに対して、通常の商品・サービスより割高で も許容できるとの回答は6割程度(60.6%)であるが、10%を超える割高を 許容する回答は少ない(8.8%)。ただし、倫理的消費に関心の高い層では割 高でも許容できるという回答が7割強(71.2%)にも及ぶため、消費者の理解が進むことが解決の一助となる可能性が示唆される。

・ エシカルな商品・サービスの購入を検討する理由として、「社会貢献につながること」を挙げる回答が多い。一方で、エシカルな商品・ サービスを購入しない理由として、「価格が高い」ことに加え、「本当にエ シカルかどうか分からない」、「どれがエシカルな商品か分からない」とい った回答が多くなっており、これらの情報をどう消費者に伝えていくかが課題。

(出所:「倫理的消費」調査研究会とりまとめ/ 『倫理的消費(エシカル消費)』に関する意識調査」 )

倫理的消費(エシカル消費)と障害者就労事業所が生産する商品

調査の中でエシカルに関連して認知される用語の中に「障がい者支援としての消費」が上がってこないことは残念ですが、この消費を示す適切な用語が存在しないからかもしれません。しかし用語がないだけで「人に配慮した消費」という意味では認識されていると思われます。

興味深いのは、倫理的消費(エシカル消費)に関心を持って購買行動を起こしている人たちが存在するが、その購買理由は「社会貢献につながる」で、非購買理由は「本当にエシカルかどうか分からない」。つまり、自分の消費がどのように社会貢献につながっているのかが分かることが重要、ということになります。とすると、「障害者就労事業所が生産する商品」を考えた場合、これらを消費したら社会課題の解決に貢献するということが分かることが重要ということになります。

さて、「障害者就労事業所が生産する商品」を消費したら、どのような社会課題の解決に貢献するのでしょうか?

おそらく、事業所のみなさんは、障害者の社会参加に貢献するとお答えになるでしょう。では具体的に、障害者の社会参加がどのような問題に直面いていて、それが「「障害者就労事業所が生産する商品」を消費してもらうことで、どのように解決するのでしょうか?

「障害者就労事業所が生産する商品」の消費が社会課題の解決に貢献する - 実はここが見えているようで見えていない部分、障害者就労事業所が伝えきれていない部分なのではないかなと感じました。これは「福祉をウリにする」≒「寄付を求める・慈善行為を求める」という意味とは全く異なります。

新しい消費行動に関心が高まりつつある中、消費者に伝えるべき内容 - なぜ障害者就労事業所が商品を生産するのか、これらの商品を消費者が消費したら、どのような社会課題の解決につながるのか、を、障害者就労事業所の皆さんで改めて考えてみてはいかがかと感じました。

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