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工藤正彦

マニュアルの仕組みづくりコンサルタント

工藤正彦(くどうまさひこ)

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コラム

品格あるマニュアル

昨年の話だが、皇族の結婚の話題で盛り上がっていたとき、婚約者の男性がメディアの取材に応えて、
「~差し控えさせていただきます」とか「~とお言葉をいただきました」等々
普段使い慣れていない言葉をしどろもどろに使っているのを見て、大変だなぁと思ったことがあった。

皇族に限らず、特に上流階級の人が好んで?使う言葉というものがある。
平民?からすればちょっと違和感を覚えるが、彼らにとっては当たり前の言葉づかい。
その物腰とも合わせて、上流階級ならではの“品格”を醸し出していると思う。

ふと思った。もし彼ら向けのマニュアルを作成したら、どうなるだろうか。
たとえば、「掃除マニュアル」。
もちろん上流階級の方々は自分では掃除をしないと思うが、
使用人に「しっかり掃除をさせるためのマニュアル」、
題して「お上手にお掃除をしていただく心得マニュアル」というのはどうだろう。

拭き方
  ① 全員にお掃除用布巾を用意させます。
  ② 拭き方の心得を申し伝えます。
    <拭き方心得>
      ・ 布巾を手に取り、木目に沿って手を滑らせること
      ・ 光り輝くまで繰り返すこと
      ・ 心を込めて優しく行うこと
  ③ 締めの挨拶をします。
     「皆様、よろしゅうございますか。しっかりとお励みになってくださいませ。では、ご免あそばせ」
      注)背中に威厳を見せて、静かに立ち去ることが大切です。

こりゃあ、ダメだ。言葉が出てこん。このまま行ったら、まったく“品格がない”マニュアルになってしまう。

「国家の品格」「女性の品格」なんぞという言葉(著書)があるくらいだから、
「マニュアルの品格」というものがあっても良いと思うのだ。
装丁も優美で、当然和紙でできている。
得も言われぬオーラが出ていて、手に取ると思わず「ははぁー」と言って持ち上げる……てな具合。
一度はそういうものを作ってみたいものである。
ご婚約の報に接して、こんな楽しい妄想をした次第。今度、宮内庁に営業でも行こうかな。

ちなみに、これまで「このマニュアルは、品格があるね」というお褒めの言葉をもらったことは、残念ながら一度もない。

社員から突っ込みが入った。

「品格は、作る人にもよるんじゃないですか?」
「(むっ)僕には品格がないというのか!」
「ストレートに言いづらいですが……」
「ある人に風格があると言われたぞ」
「それは風格ではなく、錯覚です」
「…………」

クソっ、こいつは見る目がない。採用ミスだ。しかし……もし変なオーラが出ていたら……考えるだけでも、怖い。
あーぁ、毎日ホントにシンド!


■作成・活用事例 ~ 株式会社クオーレ ホームページ
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工藤正彦 著作

『成功したければマニュアルどおりにやりなさい。』(実務教育出版) 2015年

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