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工藤正彦

マニュアルの仕組みづくりコンサルタント

工藤正彦(くどうまさひこ)

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コラム

最初が肝心! 「どのようなマニュアルを作りますか?」


何事も最初の一歩は、とても大切だ。

それは、マニュアルづくりも同じこと。
どっちの方に一歩を踏み出すかで、あとの展開がまるで変わってしまう。

「営業マニュアルを作りたいんですが……」
「はい、ありがとうございます。どんな内容をお考えですか?」
「一般的なものでいいんですが……」
「どのレベルの人が対象ですか?」

こんなやり取りを続けながら、テーマや主な項目を絞り込んでいく。
もちろん、マニュアルを導入する目的や会社の課題などは、事前確認の必須事項である。
どんなマニュアルを作りたいのか。
仕事を依頼してくる以上、明確になっているかといえば、実はそうではない。
漠とした依頼が多いのだ。

冒頭に書いたように、「営業マニュアル」という非常に大雑把な言い方で、依頼をしてくる。
ひと口に「営業マニュアル」と言っても、その内容・範囲はすこぶる広い。
営業パーソンに必要な心構えやビジネスマナーから、営業活動の基本であるアポ取りから始まる
一連の内容、さらには「お客様別対応」といったテーマを絞り込んだものもある。

また、優秀な営業パーソンのノウハウをマニュアルにする、営業成功事例集のマニュアル化といった
ものも、「営業マニュアル」という大きなテーマには含まれるのだ。

このへんのところを事前にしっかり詰めて、「作成プロジェクト」立ち上げる。
いざスタートしてみると、「こんなの作っても役に立たない」などといった声がメンバーから出たりする。
「じゃ、どんなのがいいんだ?」と振り出しに戻る。まさに、「会議は踊る」である。

ある会社で、なかなかテーマが絞りきれずにいたら、事務局から
「すみません。内部でもう一度何にするか話し合いますので、今日はお帰りください」
と言われて帰ったことがある。
翌日電話がかかってきて、
「申し訳ありません。意見がまとまらなかったので、今回のお話はなかったことにしてください」
思わず「えっ!」である。

また、あるところでは、「ハイパフォーマーのノウハウをマニュアルにしたい」という話から、
「とりあえず、清掃マニュアルを作ります」になったこともあった。
これはこれで重要だと思うが、最初のリクエストとのあまりのギャップに驚いてしまった。
かようにテーマの絞込みというのは、簡単なようでいて難しい。

マニュアル屋さんのところには、「テーマ選定基準」なるものがあって、
それを紹介して検討してもらったりするのだが、それでもなかなか思うようにいかない。
紛糾、迷走、混乱……これが現実である。
もちろん、このプロセスは、マニュアル屋さんの腕の見せどころでもあるのだが、
「総論賛成、各論反対」の嵐を乗り切る、まとめるのは、ときに至難の技でもある。

一番困るのは、トップの意図とのズレだ。
ある会社で、トップから「ハイパフォーマーであるAさんのノウハウをマニュアルにしたい」という
依頼があった。
しかし、打ち合わせや取材を進めていく中で、事務局や当のAさんより、
「もっと基本的なことをマニュアルにした方が役に立つ」という話になってしまった。
確かに、基本的なことのマニュアルはなかったので、それもそうだと思い、了解した。
但し、トップの最初の依頼内容と違うので、了解を必ずとっておいてほしい旨頼んでおいた。

第1稿が出来上がり、チェックをお願いしたら、トップからクレームが入った。
「こんなものを頼んだ覚えはない」
「しかし、……」である。テーマの変更を了解してもらっていたと思ったが、そうではなかった。
結局、「もう、いい!」となってしまった。何とも後味の悪い終わり方をした記憶がある。

かように、最初の一歩は難しい、と言える。
しかし、始めてみなければわからない、動いてみなければつかめないモノもある。
そこら辺の見極めが難しい。
高い授業料を払ってしまったが、その後はおかげさまで“どんでん返し”は、ない。

「このテーマで、この切り口で、このアプローチで良いですね?」
あれ以来、しつこいくらい同じことを繰り返し聞いている。
学習の成果を出さないと、他に示しがつかない。
あーぁ、毎日ホントにシンド!


■作成・活用事例 ~ 株式会社クオーレ ホームページ
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工藤正彦 著作

『成功したければマニュアルどおりにやりなさい。』(実務教育出版) 2015年

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