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工藤正彦

マニュアルの仕組みづくりコンサルタント

工藤正彦(くどうまさひこ)

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コラム

マニュアルづくりは、「考えや感覚」を鍛える


「今回気づいたことなんですが……」
マニュアル作成メンバーの一人が、おもむろに口を開いた。
「やっぱ、感覚だけではダメですね。そのことがよーくわかりました」
「ホントにそう思った」
他のメンバーも口々に同感した。

「何となく……」「感覚的に……」「その場、その時に、えいやっと……」といった判断や行動は、
「なぜ、どのように」という具体的な追究の前では、しどろもどろになる。

「うまく言えないんですが……」
「うまく言う必要はありませんが、具体的に言ってください」
こんなやり取りが繰り返されてきた。
ウンザリしたと思う。「もう、どうでもいいじゃない」と思ったことも多々あったと思う。
マニュアルづくりは、「誰が読んでもわかる」という論理性が要求される。
マニュアルの「再現性」は、細部にこだわることで、保証される。
こうしたことの積み重ねが、「マニュアル」をつくっていく。

感覚がダメということではない、必要ないということではない。
「そのときの感覚を大事にする」ということは、決して悪いことではない。
ただ、「感覚」という言葉で片づけてしまっては、次がない。それ以上でも以下にもならない。
そして、それはその本人以外には知りえない、わからない世界の話になる。

「研ぎ澄まされた感覚」
「豊かな感性」
マニュアルづくりが、本人のそうした感覚を磨く機会になることも多い。

「まてよ。これは具体的にどういうことだ?」
「なぜ、自分はこうするんだ?」
と自問自答する。
自分の考えや行動を冷静に見つめる。分析してみる。
そして、言葉で、文字で整理してみる。
これが、マニュアルづくりだ。
だから、自分の「考えや感覚」を鍛える機会・場になるのだ。

マニュアル屋さんも、この繰り返しの中で成長してきたと思う。
マニュアルづくりは、自分を成長させる機会でもある。
こう積極的に捉えてほしいと常に思っている。

社員から突っ込みがあった。
「成長していなければいけませんよねー」
「何が?」
「もの忘れが多い。チェックミスが多い。言葉が出てこない。新しいことを覚えられない。
 これ、矛盾していませんか?」
「…………」
「成長というより、後退では?」
「……うるさい!」

それはマニュアルのせいではなく、単なる「加齢」だ。トホホ……。
新しい年を迎えたのに、何でこんなことを言われなければならないのか。
今年も先が思いやられる。
あーぁ、毎日ホントにシンド!


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工藤正彦 著作

『成功したければマニュアルどおりにやりなさい。』(実務教育出版) 2015年

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