まちの専門家をさがせるWebガイド マイベストプロ東京
藤岡正光

企業の成長支援に力を入れる公認会計士、税理士

藤岡正光(ふじおかまさみつ)

藤岡公認会計士事務所

お電話での
お問い合わせ
03-4405-6019

コラム

会社設立時の決算月は何月にすればよいでしょうか?

会社設立

2017年7月20日

会社を設立するときに決めなければならないことは様々ありますが、その一つとして決算月を何月にするかを決めなければなりません。過去のコラム「会社設立の準備にかかる前に決めておくべきこと」で事業年度の決め方について簡単に触れていますが、本コラムでは詳細に解説します。
決算月はあとで変更することができますが、変更手続は面倒ですし、一度決めてしまうとなかなか変更できないものです。事業年度は1年だからと決算月を設立から1年後としてしまうと後々思わぬ負担が生じることがありますので、ここでは決算月を決定するためのポイントをいくつかあげてみましょう。

事業年度とは

事業年度(決算月)とは何かを復習しておきましょう。

個人事業主の場合は、1月1日から12月31日が事業年度となり、翌年3月15日までに確定申告をすることとされていますが、法人の場合は事業年度を自由に決めることができます。決めた事業年度は定款に記載するとともに、税務署へ提出する法人設立届出書に記載します。

事業年度は1年以内とされ、事業年度の損益状況や財政状態を明らかにするため決算書を作成し、株主総会で承認を経て、税金の申告を行います。

日本では、国の会計年度が4月から3月までとなっていたり、税制改正などの法律の施行が4月1日であることが多いなどの理由から、約20%の法人が3月決算にしています。また、個人事業主から法人成りした場合や暦にあわせて12月決算を選択する法人も多くあります。

事業年度(決算月)の決定は、業績の把握、決算等の事務負担、納税資金の確保などに影響を与えますので、会社の実情に応じて慎重に決めることが必要です。

決算月を決めるためのポイントとは?

多くの法人が採用している3月や12月を決算月にすればよいのかといえば、必ずしもそうとはいえません。決算月を決めるための主なポイントとしては次のような内容があげられます。

①各月の業績の変動を考慮する
②資金繰りを考慮する
③消費税の免税期間を活用する

業績の変動が決算に与える影響を考慮する

ビジネスによっては、各月の業績が変動することがあります。

例えば、小売業の場合、通常2月、8月は閑散期にあたります。12月から1月や6月から7月のセール時期に売上がピークに達しますが、その後の2月や8月は売上が減少するとともに在庫も減少します。
在庫をもつビジネスでは決算にあたって棚卸を実施しなければならないため、在庫が多く忙しい時期よりも在庫が少なく業務に支障が少ない2月や8月に棚卸を実施する方が負担が少ないといえます。

また、通常の業務に加えて決算作業が加わってくるため、売上の少ない閑散期の方が事務負担も少なくなりますので、多くの小売業は2月又は8月を決算月としているケースが多いといえます。

また、建設業など公共事業の割合が多い法人の場合は、国や地方自治体の予算の執行が年度末に集中するため、1月から3月は繁忙期になり、入金も3月に集中することになります。このような業種では、国や地方自治体の年度に合わせた方が年度予算を組みやすいことや、3月末までに工事等が完了することから、3月を決算月としているケースが多くなります。

このように業績の季節変動があるビジネスの場合は、在庫の有無、事務負担の問題、売上代金の回収時期などを考慮することが重要ですが、総論としては売上がピークになる月を決算月にすることは避けた方がよいと考えられます。決算業務と繁忙期が重なったり、業績の見通しが立てづらいなどデメリットの方が多いからです。

納税資金の確保など資金繰りを考慮する

事業年度終了後には、決算及び税金の申告を行い、2ヶ月以内に税金を納付しなければならないため、納税資金について考慮する必要があります。
支出の多くある月が納税時期と重なると資金繰りに対する影響が無視できません。

毎年必ず発生する大きな支出として、夏季及び冬季賞与、源泉所得税の特例納付、労働保険の年度更新、固定資産税の納付などがあります。また、季節変動があるビジネスでは仕入代金の支払いや売上金の回収など営業収支が年度を通じて一定ではないケースもありますので、できる限り資金的に余裕のある時期に税金の納付時期が来るように決算月を決めるという方法もあります。

消費税の課税事業者になる時期も重要

設立時の資本金が1,000万円未満の場合は、会社設立から2事業年度は原則として消費税の免税事業者ですので、免税期間をできる限り長くとるという選択肢もあります。

ここで注意しなければならないのは、設立当初から売上が多く見込まれる場合です。課税事業者の判定は事業年度の売上高が1,000万円超かどうかで判定することになりますが、上半期の売上高が1,000万円超となった場合、翌期から課税事業者になります。

したがって、設立初年度の開始6か月間の売上高が1,000万円超となった場合、免税期間は1事業年度のみとなります。

設立2期目も免税事業者となるためには、設立初年度の事業年度を短期事業年度(事業年度が7か月以下等)になるような決算月を検討する必要があります。

最後は会社のビジネスや方針など諸事情を考える

決算月を決めるためのポイントについて3つあげましたが、3つとも満たすことは難しいため、最も重要視する要素に基づいて決算月を決定しましょう。閑散期を決算月にしたいが、資金繰りが厳しくなるなど相反する場合もあり得るからです。

また、3つのポイント以外にも会社のビジネスや方針によっては、他の要素が決算月の決め手になることもあります。

主要取引先の決算月に合わせたい、今後中国への展開を考えているので12月決算にしておきたい(中国は法定で12月決算のみ)など、個々の会社固有の事情もあるからです。

主要な3つのポイントと会社固有の諸事情を加味して、決算月を決めましょう。

消費税の免税など専門的で複雑な要素もありますので、判断がつきかねる場合は専門家に相談するなども有効です。

この記事を書いたプロ

藤岡正光

藤岡正光(ふじおかまさみつ)

藤岡正光プロのその他のコンテンツ

Share

藤岡正光プロへの
お問い合わせ

マイベストプロを見た
と言うとスムーズです

お電話での
お問い合わせ
03-4405-6019

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

藤岡正光

藤岡公認会計士事務所

担当藤岡正光(ふじおかまさみつ)

地図・アクセス

藤岡正光のソーシャルメディア

rss
rss
2017-10-27

藤岡正光プロのその他のコンテンツ