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渡邊佑

マインドひとつで世界を変えるプロフェッショナルコーチ

渡邊佑(わたなべゆう)

合同会社Coaching 4U

コラム

【メルマガ寄稿記事】トップダウン「のみ」の目標が達成されづらい理由

2017年12月30日

合同会社Coaching4Uの渡邊です。

一年が過ぎるのはあっという間で、3月決算の企業・法人ではそろそろ来期の計画にについて社内調整を行なっている時期ではないかと思います。

ところで、この計画や目標について、
皆様の組織ではトップダウンで決めていますか?それともボトムアップで決めていますか?

私は日頃から組織変革、組織開発のコーチングやコンサルティングをしている関係から、様々な組織の目標設定の場面を見ています。

その経験から得た結論は、

【トップダウン「のみ」の目標は達成されづらい】

ということです。

なお、ここでの前提は、
「トップダウンがダメで、ボトムアップ良い」といったボトムアップ礼賛主義ではありません。トップダウン型の目標設定、ボトムアップ型の目標設定どちらにも一長一短があります。

例えば、ボトムアップ型の目標設定の短所は、「視点の低さ」です。ボトムアップで行われる目標設定では、どうしても発想の軸足が「現場視点」により、「経営視点」「中長期視点」「戦略視点」が欠けがちです。「改善」を前提とした目標は出てきても、大胆な投資意思決定や、戦略変更といった「改革」を伴う目標は出てきづらいです。

これは認知科学の観点から言うと、トップと現場では物事の視点、つまり見ている「抽象度」が異なる為、どうしても前述のようなことが起きてしまいます。

では、トップダウン型の目標設定であれば高い「抽象度」から考えることが出来るからいいのでは?というと、その点では良いのですが、別の問題が起こります。

その問題をお伝えする前に、2つマインドの仕組みをご紹介します。

まず、「RAS(ラス)」についてです。
以前のコラムでもご紹介していますが、これは「重要な情報」を選別する脳の情報のフィルター機能を果たしています。そして、この「RAS」は「自己責任」を伴わない情報は通しません。
例えば、赤ちゃんの夜泣きに妻は気づきますが、夫は爆睡しているなんてことがあります。これはあくまで例え話ですが、この例で言えば聞こえる音量は同じですが、「育児」に対する責任感が「聞こえる」か「聞こえない」かを分けています。

二つ目は、「プッシュ・プッシュバック」の原理です。
学生時代、テスト前に勉強しようと思っていたら、親から「勉強しなさい!」と言われて急にやる気がなくなった、、、そんな経験はありませんか?
人は外部から何かを強いられると無意識に「押し返す」という自然なマインドの働きがあります。

以上の二つのマインドの仕組みを前提に、「トップダウン型の目標設定が何故達成しづらいか」について考えて見ましょう。

まず、トップダウン型の目標は、「自分で決めた」というよりは「上に決められた」という感覚が強いはずです。よって、「自己責任」は希薄になりがちです。正しく「自己責任」の伴った目標設定が出来ると、マインドは「それを達成するための手段・方法」を探し出すのですが、トップダウン型で一方的に決められた目標では、「自己責任」が伴わず、「RAS」が達成の為の情報を通してくれません。達成の為の手段が見えなければ、当然達成出来ません。

そして、何より「強いられた目標」になっていると、無意識のレベルで「プッシュ・プッシュバック」が起きモチベーションの低下が起きます。モチベーションが低ければ、当然計画された目標の達成確率は低くなります。

以上の理由から、【トップダウン「のみ」の目標は達成しづらい】という結論に繋がります。

ボトムアップ型のみでは視点が低くなってしまい、トップダウン型のみでは達成しづらくなってしまう。では、どのように目標を設定すればいいのでしょうか???

簡単ではありませんが、
やはり、【「トップダウン」と「ボトムアップ」の調和を図る】ということに尽きると思います。

具体的なプロセスの一例は、
①まず、トップダウンで事業環境や事業構想、企業のゴールを提示する
②①を踏まえた上で、ボトムアップで計画立案
③②で上がってくる計画とトップの意向が合うまで助言、計画の練り直し等、キャッチボールを続ける(※「自分たちが立てた目標」という感覚を持ってもらうことが大切)
です。

特に、③に相当の時間的、精神的労力がかかりますが、マインドの仕組みを前提に、達成を目指すのであれば、必要な投資であると考えます。

むしろ、この過程を横着してトップダウンで目標を決めてしまい、「目標は与えられるもの」「目標は達成しなくても仕方がない」という雰囲気を組織に築いてしまう弊害や、未来に亘る損害が計り知れません。

皆様の組織でも今一度、「目標設定」のプロセスについて再考頂けますと幸いです。

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