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岩尾啓一

真のキャリアコンサルタントを育成する専門家

岩尾啓一(いわおけいいち) / 講師

特定非営利活動法人日本キャリア・マネージメント・カウンセラー協会

コラム

キャリア・コンサルティング、カウンセリングの聴く事って

2023年3月24日

テーマ:キャリアコンサルティング

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

以前にTVで心療内科の医師のインタビューがあり、患者さんに対する時に一番大切な事は、マスク越しであろうと「うなずく」ことだと話されていました。確かに、うなずくことは大変重要な事だと基本中の基本と理解していますが、私たちカウンセラー・コンサルタントは「うなずく」だけでは不足していると考えています。
「うん」「うん」が肯定なのか否定なのか相談者には分からないからです。うなずいた後に「それはね」とか「わかるけど」とか「だけどね」という否定の前提となる言葉が続けば、相談者は話すことを「この人では駄目だ」と話すことを止めてしまいます。そうなれば傾聴が出来なくなってしまいます。

相談者には、大きく二つのパターンがある様に思います。自分の思いや考えに対する反対意見や否定的な意見を聴くか知るかして、既に理解している場合。

二つ目は自分の思いや考えしか頭になく、対比する材料を持たない、感覚的というのでしょうか、「一筋に自分の思いや目的を持ち、自分の考えに浸りきっている」パターンです。

自分の考えと対比する否定的な意見を理解している人は、今更自分が理解している否定的な考えを聴く必要が無いので否定的な反応が聴き手から言葉として出てくれば、そこで話すことを止めてしまうでしょう。聴き手であるカウンセラーやコンサルタントからすれば「聞く耳を持たない頑固で柔軟性が無い人」となり、聴くことも苦痛になります。
自分の思いに一筋な人も、思いや熱意が強ければ強いほど、否定的な意見に対して客観的に判断できない場合が多く、異なる意見やリスクの有無など本人にとって「否定的」と感じる会話には拒否反応を示し聴くということが出来なくなります。

聴き手であるカウンセラーやコンサルタントには、「言葉」にして肯定的な「そうですね」とか「すごいね」とか「良いね」とかで相談者が語ることを促し相談者と同じ側にいることを伝えます。「寄り添う」という様な表現を使う人もいますが、気持ちだけでなく「言葉」という表現を使って、受容と共感(ラポールの形成)をすることがカウンセラー、コンサルタントとしての第一歩だと思います。

何故、言葉で表現して励まし、うなずいて相談者の考えを肯定することが難しいのかということですが、本能的に自分の経験や価値観や思いが役に立てないかという思いが聴き手にあり、より良い解決を目指してしまう。しかしそのような気持ちが無ければ他人の相談事を聴く仕事である資格を取りたいと思わない、とも言えます。

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