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中塚翔大

障がい者専門のキャリアコンサルタント

中塚翔大(なかつかしょうた) / キャリアコンサルタント

株式会社キャリアート

コラム

障害者アスリートの雇用について

2020年7月29日 公開 / 2020年7月30日更新

テーマ:障害者雇用

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 障害者雇用

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いま障害者アスリートの雇用に目を向ける企業が増えています。それは、延期にはなってしまいましたが東京パラリンピック開催が近づいていることの影響が大きいといえます。

障害の有無にかかわらず、自己の可能性にチャレンジし続けるアスリートの姿は、私たちに夢や希望を与えてくれます。そして彼・彼女らのがんばりのおかげで、障害者アスリートを取り巻く環境は年々良くなっています。

今回は障害者アスリートの雇用についてお伝えいたします。

障害者アスリートと企業の関係

障害者アスリートをサポートする企業が増加しています。この背景には延期となりましたが2020年、東京パラリンピック開催で障害者スポーツにスポットがあたり、関心を持つ会社が増えたことが挙げられます。

4年に1度、オリンピックの開催都市でオリンピック終了後に行われるパラリンピックは、回を追うごとにそのレベルが高くなっており、注目度もアップしています。したがって、パラリンピックに出場するためには、質の高いトレーニングを積み重ね、国際大会で結果を出す必要があります。

そのためには、選手たちをサポートする企業の存在は不可欠です。

障害アスリートの雇用に関するデータ

スポーツにはお金がかかります。オリンピックでさえ、メジャー種目でなければ、競技団体の運営予算は十分とはえいず、個人負担を余儀なくされる選手も少なくありません。ましてやパラリンピックは、どの種目も競技人口が少なく、個人負担で活動する選手がほとんどです。

一般社団法人日本パラリアンズ協会が発表した「第3回パラリンピック選手の競技環境調査」は、リオパラリンピックとソチパラリンピックの代表選手を対象に調査し、次のような結果を報告しています。

競技のために個人負担した年間の費用は「100~150万円」がもっとも多く21.6%、「50~100万円未満」が20.7%、さらに50万円未満が18.0%となっています。冬季の選手はさらに負担額が多く、「250万円以上」が35.7%にも及びます。

全選手の負担金額の平均は年間147万円ほどとなっています。

費用の内容は、遠征費や道具購入費、義足、車椅子の購入費、コーチ指導料、施設使用料などです。やはり企業のサポートなしでは厳しいといえるでしょう。

約7割の選手が企業と契約関係

企業と契約している選手は68.5%で、契約形態は「契約・嘱託社員」と答えた人がもっとも多く50%、「アスリートとしてのスポンサー契約」36.8%、「正規社員」23.7%となっています。

このようなポジションを得るためには、アスリート自身が企業を回って売り込む方法、競技団体からの紹介や斡旋で入社する方法、人材紹介会社を活用する方法などがあります。さらに日本オリンピック協会は、平成26年度から日本パラリンピック委員会と連携し、パラリンピックを目指す障害者アスリートの就職支援も行っています。

世界レベルである必要はない

以上はパラリンピックに出場経験のあるアスリートのデータですが、障害者アスリートを雇用したいと考える企業は、必ずしも世界レベルを求めているわけではありません。

ある調査によると、「求める競技レベルは不問」とする企業が80%という結果が出ています。日本で活躍する選手や、地域で活躍する選手を応援したいという企業も多いです。また、一定の就業が見込め、業務とのバランスで考える企業や、人柄・スキルなどを重視する企業もあります。

雇用形態では契約社員・嘱託社員という形で雇用を検討している企業がもっとも多く75%、正社員で検討する企業も50%となっています(複数回答可)。

障害者アスリートの雇用が企業にもたらすメリット

障害者アスリートの雇用拡大は、選手にとっては大いに歓迎すべき状況ですが、企業にとってもたくさんのメリットがあります。

まず、障害者を雇用することで法定雇用率を達成し、企業としての社会的責任を果たすことができます。
法定雇用率は現在2.2%ですが、3年後には2.3%に引き上げられます。これを達成できない企業は不足人数×5万円を国に納めなければなりません。

しかし、障害者アスリートを起用することで、法定雇用率の達成に寄与することができます。

さらに、社員に対しての好影響もあります。アスリートの活躍を社内一丸となって応援することで、社員の一体感が高まり、愛社精神の形成や職場のモチベーションアップにつながります。

世間に対してのアプローチという側面でもメリットがあります。企業の知名度も上がり、世の中からの評価も高まりイメージアップに貢献できることになります。


以上のように、障害者アスリートを取り巻く雇用環境は近年拡大しており、特に東京パラリンピックを控えた今は、良い条件で就職できるチャンスといえるでしょう。
スポンサー探しでなく人材紹介という形で、障害者アスリートの就職や転職を支援する会社もあるので、相談してみてはいかがでしょうか。

株式会社キャリアート 代表取締役 中塚 翔大
https://www.careerart.net/

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この記事を書いたプロ

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