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中塚翔大

障がい者専門のキャリアコンサルタント

中塚翔大(なかつかしょうた) / キャリアコンサルタント

株式会社キャリアート

コラム

障害者手帳を使わず就職・転職するには?

2020年1月27日 公開 / 2020年2月24日更新

テーマ:障害者 就職・転職

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

コラムキーワード: 障害者雇用発達障害 支援

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◇障害者手帳を使わずに就職・転職するには?

精神障害や発達障害がある人の場合、一度は一般枠で企業に勤めたことがある、という人も少なくありません。中には大卒で就職した後で病気が発症したり、障害が発覚したりするケースもあります。

企業に就職した経験があれば、障害との付き合い方を見直すことでもう一度一般枠で就職できる可能性もあるため、障害者手帳の受給をしない人も多くいます。障害を持っていても障害者手帳なしで就職・転職する方法をご紹介します。

◇障害はあっても障害者手帳は取得したくない場合

身体障害や知的障害は、社会のサポートが不可欠なケースがほとんどですが、精神障害や発達障害は、薬を服用したり、障害特性を知って自己対応したりして、ある程度障害をコントロールできます。

一般枠で企業に就職した経験のある人の多くは、自分に障害があることは認めつつも、障害者手帳を取得することなど考えられないと思っているのではないでしょうか。

自分で完全に障害をコントロールでき、障害をオープンにしなくても一般枠で就職できる自信があれば何のサポートも必要ないかもしれません。しかしながら、障害について周囲の理解が得られなければ、職場でひとり、大きなストレスに耐えながら仕事をすることにもなりかねません。

まして、前職での人間関係でストレス過多により退職したり、職場のトラブルから発達障害が発覚したりして退職を余儀なくされたような場合は、再就職の意欲もなかなか湧かずにブランクが長くなってしまいこともあります。

障害者枠で就職するには障害者手帳を取得する必要がありますが、なくても障害に配慮してもらえる就職・転職の方法があります。障害者手帳を申請するのには気が引けるけれど、自分の障害を理解してもらえる職場に就職したい人には、一般枠と障害者枠の中間の選択もあるのです。

◇障害者手帳を使わず障害をオープンにして転職・就職する方法

自分の障害と向き合って、周囲の人ともうまくやっていける自信があれば、履歴書等の書類には障害があることを書かずに一般枠に応募する方法があります。面接の段階で、能力と意欲を十分にアピールしながら、障害についても理解をしてもらえるよう努めます。

気力とプレゼンテーション力が必要なので、気弱な人や自信がない人にはおすすめできませんが、やりたいことがハッキリしていてそれに向かってがんばれるのなら有効な方法です。

そこまでの気力がない人は、第三者のサポートを得るため行政サービスを利用しましょう。まずは、ハローワークの障害者雇用に対応してくれる専門援助部門に相談しましょう。障害のあることをわかった上で、一般枠の求人への応募を橋渡ししてくれます。

企業側でも、ハローワークの職員から障害について客観的な情報が受け取れるため、一定の安心感があります。これまでの職歴や資格などから判断して、一般枠での採用を検討してくれる可能性があります。

就職の意欲はあるけれどもう少し準備期間が欲しいという場合は、障害者職業センターや障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所などの行政福祉サービスを利用しましょう。

これらは障害者雇用を支援する機関ですが、障害者手帳がなくてもサービスを受けることができます。代わりに、医師の意見書や診断書を提出して「障害福祉サービス受給者証」を取得すれば支援が受けられます。

障害者職業センターは、センターに通って就職するための具体的な準備支援を受けます。職業適性の確認、就職後のケアまでしてくれるので人気があります。障害者就業・生活支援センターは、就業と生活の両面での相談支援をしてくれます。なお、これらのサービスは全て無料です。

就労移行支援事業所は、1日何時間、週何日など、自分が希望する就業時間や日数に合わせて事業所に通い、ビジネスマナーや就職活動の方法など就業に必要な訓練を行います。2年間通所できるので、時間をかけて自分の障害の特性を知り、自分に合った長く続けられる働き方を身につけられます。

就労移行支援を受けるには、収入があれば所得に応じた負担が必要ですが、就職後には就労定着支援が最大3年半受けられます。

◇障害者手帳がなくてももらえる発達障害者雇用開発助成金

発達障害の人は、障害者という認識がないままに大学や専門学校を卒業して、通常の流れで一般企業に勤める人が多く、そのままその職場で働き続けられれば問題ないのですが、障害特性への周囲の理解がないために離職する率も高くなっています。

仕事や職場が自分に合わないだけだと思っていても、長く勤められないことが続けば生活が安定しません。自分の障害と向き合って、障害に理解のある就職支援のエージェントに相談するか、行政サービスを受けましょう。

発達障害でも医師の診断書があれば障害者手帳を申請することができますが、障害者手帳を持つことに抵抗がある場合は、なくても行政サービスが受けられます。また、そういう人が多い背景もあり、発達障害で就職がうまくいかない人のために企業への「発達障害者雇用開発助成金」があります。

助成金の後押しで一般枠での採用を拡大する狙いですが、年間最大90万円、最長でも1年半の助成なので、企業としては障害者枠で障害者を雇用するほどのメリットがありません。

一般枠にこだわって努力をするか、障害に理解のある職場を求めて障害者枠での就職を決めるのか、まずは自分の障害を理解することから始めましょう。

株式会社キャリアート 代表取締役 中塚 翔大
https://www.careerart.net/

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