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川九健一郎

人と組織を「体験」を通して成長させるコンサルタント

川九健一郎(かわくけんいちろう)

株式会社ビジネス・サクセスストーリー

コラム

政府が後押しする「働き方改革」のメッセージを捉える

人材育成

2017年5月26日

1.「労基署」「旅館業法」など141項目の改革提言

政府の規制改革推進会議(大田弘子議長)が5月23日、安倍晋三首相に答申書を提出した。規制改革に取り組む141のメニューを示し、内閣に「実行」を求めています。

 昨年大きな議論になった「生乳の流通自由化」や「農業資材の流通構造の見直し」など農協改革の項目が盛り込まれたほか、労働基準監督署の業務の民間開放や、行政手続きコストの2割削減といった新規項目が加わりました。政府はこれを受けて6月にも、改革工程を定めた「規制改革実施計画」を策定、閣議決定します。

2.「働き方改革を後押し」

推進会議は、「重点的フォローアップ」項目を掲げています。
その項目は以下の通りです。

(農業WG)
 ・農業協同組合改革の確実な実施
 ・牛乳・乳製品の生産・流通等に関する規制改革
 ・生産資材価格形成の見直し、流通・加工の業界構造の確立
 (人材WG)
 ・労使双方が納得する雇用終了の在り方
 (医療・介護・保育WG)
 ・診療報酬の審査の効率化と統一性の確保、など
 (投資等WG)
 ・通訳案内士制度の見直し
 (本会議)
 ・民泊サービスにおける規制改革
 ・地方における規制改革
 ・地方版規制改革会議

このなかの項目で「働き方改革」を後押しする項目が目につきます。
①「転職先がより見つけやすくなる仕組みづくり」
②「転職して不利にならない仕組みづくり」
③「安心して転職できる仕組みづくり」――といった項目です。
人手不足が深刻化する中で、人材を流動化して、人材余剰の産業から人手不足の産業への雇用をシフトしようという狙いがみえます。
 具体的には①の「転職先がより見つけやすくなる仕組み」として、「ジョブ型正社員の雇用ルールの確立」を掲げています。また、②の「転職して不利にならない仕組み」としては、有給休暇の付与日数が20日なるまでの継続勤務期間を可能な限り短縮することなどを求めています。
 さらに、③の「安心して転職できる仕組み」としては、「使用者が基本的な労働法の知識を十分に得るための方策について、幅広く検討を行い、必要な措置を講ずる」としています。ブラック企業と言われる過酷な労働条件を課している企業の多くでは、経営者自身が労働法の知識が乏しいケースが少なくないからです。

3.政策転換期による労働市場の変化

これまでの雇用社会は「入社」型(メンバーシップ型)雇用社会でした。企業に入社した時点でメンバーとして位置づけられ、長期間の就労を行う雇用社会です。しかし、現在の雇用社会は、多様な雇用形態に変化しました。
経営の効率を考えた場合、正規社員の登用よりも柔軟性のある非正規社員の比率を高めた経営にならざるを得ない現状があります。現在国の施策としては、非正規社員の正規社員への転換をもとめた助成が行われています。

「ジョブ型正社員の雇用ルールの確立」を目指す提言が行われたということは、欧米型の雇用環境のモデルに移行していくということです。これは以前にも、掲げられたことがあったモデルです。
しかし、この「ジョブ型正社員 」の移行は抜本的な改革が必要です。そもそも日本の雇用環境の前提としてあるのが、若者の4月の一括採用です。これは現在も変わらずです。

『若者と労働』の著者:濱口桂一郎氏が主張されていますが、「ジョブ型正社員」の導入には、学校教育と企業システムの改革が必要と言われています。よほど、企業が本気になるような政策でなければ、中途半端な「ジョブ型正社員」の労働市場ができ上ることでしょう。
例えば、「働き方改革」の項目①「転職先がより見つけやすくなる仕組みづくり」などが先行して導入され、雇用環境がより流動化が行われたとしても、受け皿の企業側が不整備であれば、厳しい労働を迫れられる非正規社員の増加に拍車がかかってしまう恐れがあるでしょう。

規制改革は、日本社会の節目です。働く我々も「働き方改革」に注視していく必要があります。
適切な「働き方改革」の推進を願います。

参考:日経ビジネス「労基署」「旅館業法」など141項目の改革提言
    『若者と労働』 著者:濱口桂一郎

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