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青木信昭

遺産相続、離婚問題に強い経験豊富な弁護士

青木信昭(あおきのぶあき)

アストレア法律事務所

コラム

遺言無効について(3) 遺言者の生前に遺言の無効を争えるか

遺言無効

2018年1月17日 / 2018年3月28日更新

Q 私の父は、認知症となって介護施設に入っていて、主治医からは、認知症が治る見込みはないと言われています。最近、兄と喧嘩をしたときに、兄から、父の財産は全部自分が相続することになっていると言われ、父の名前で1年前に作成された公正証書遺言を見せられました。しかし、父は、その当時から認知症で判断能力がなくなっていたはずで、そのような遺言を作れるはずがありません。父は身体は元気なので、今後何年も生きる可能性がありますが、父が生きている間に、遺言の無効を争うことはできますか。
A お尋ねのケースにおいて、遺言の無効を争えるかどうかについては、争えるという見解と、争えないという見解の両方があります。争えるという見解は、医学的に回復の見込みが全くなく、したがって、遺言を取消したり変更したりする可能性が全くないことを前提として、そのような場合には、将来の紛争を予防することや、証拠の散逸を防ぐために、無効確認の訴訟を起こすことを認めてよいと考えるものです。これに対し、争えないという見解は、遺言は遺言者が死亡したときに効力が生じるものであり、生前には何らの法的効力も有しないから、有効か無効かを争うことはできないというものです。

Q 裁判になったケースはあるのですか。
A 遺言者が生きている間に、推定相続人(遺言者が死亡したときに相続人となる者)が、遺言者と受遺予定者を被告として、遺言の無効確認の訴訟を起こした事案は、実際にあります。一審は、争えないということで訴えを却下しましたが、二審は争えると判断し、結論が別れました。最高裁判所は、平成11年の判決で、争えないという見解を示しました。

Q それでは、父の生前は、何もできないということになりますか。
A 残念ながら、最高裁判所の判決がありますので、無効確認の訴訟を起こしても、訴えは却下されてしまいます。しかし、お父様が亡くなったときは、相続人として、遺言の無効確認の訴訟を起こすことはできますので、それまでは、訴訟に備えて、遺言作成当時にお父様に判断能力がなかったことを裏付ける資料を収集しておくしかありません。

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