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田中康志

経営・事業を支援する広報・マーケティングアドバイザー

田中康志(たなかやすし)

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コラム

問題がさらなる問題に。こんな事態を招く前に、日ごろから信頼を構築することを心がける

企業ブランディング

2018年6月1日 / 2018年9月24日更新

前回のコラムについて、かなり反響がありました。

もし、そうなった場合、どう対応するのが良いのかと。

う~ん、こればかりは絶対にこうすべきという言葉が見当たりません。なぜならあなたの人生の責任を私が負うことができないからです。ただ、絶対に言えることは、そうならない準備、関係を構築していくことです。

私が以前勤務していた会社で、午前中にある大きな問題が発生しました。社員がある事故を起こしたのです。朝から取材で外出していたのですが、取締役から緊急で連絡がありすぐに対応するようにと指示を受けました。本社から約50㎞離れた店舗での取材終了後、すぐに会社に戻りました。車で移動していたのですが、なんども記者から問い合わせがあり、そのたびに車をわきに止めて対応です。

ようやく社に戻り、その問題について各部門にヒアリング、ことの顛末を時系列にまとめます。そして問題の原因を正確に理解します。ここである問題に直面しました。それは事実を公表すると会社の恥になるのです。しかし、事実に触れなければこの問題の渦中にいる社員の将来に影響するのです。事実はある担当者が、ちょっとしたルールを知らずに社員に指示を出し、指示に従い行動した社員がたまたま事故を起こしたもので、担当者がそのルールを知っていれば指示を出すこともなく、問題が発生することはなかったのです。

すでにメディアはこの事故を起こした社員について徹底的に取材してきていました。人物像から思考まで。もちろんそのような問い合わせには応えません。事実確認中で引き延ばせるにも限界があります。実際、事実確認中でしたが、時間がかかりすぎると隠蔽しているのではと疑念を抱かせてしまいます。そうなるとさらに追い込まれますので、ここでも常に気を配ります。

この現状と事故の原因について経営陣に伝えました。ただ、どちらを選択するかではなく、「会社として恥を覚悟してください」と伝えました。

経営陣は私の提案に「担当者の指示は会社の指示と同じ。すべては会社の責任だ。会社の会社のことは気にしなくていい。未来ある社員を守れ」と同意してくれました。

そうなれば、恥を背負うのは私の仕事です。メディアに事の顛末を時系列に説明、その原因は会社の甘い判断にあったと回答しました。記者からは「おたくのような会社がそんな稚拙なことをするとは考えられない。なにを隠しているんだ」と信じてもらえず、このやりとりは長時間に及びましたが、事実は事実、夜の10時を回ってようやく理解を得ることができました。

最後は記者から「さまざまな角度からカマをかけて質問しましたが、ブレることもなかったですし、こんな誠意をもって対応いただきました。信じるしかないですね。あなたが恥をかく必要もないのに・・・広報は大変ですね」とうれしい言葉をかけていただきました。

この記者すでに朝刊の紙面を用意していたので、この後、デスクや整理部にどう説明したのでしょうか。かなり怒られたのではないでしょうか。真実を理解してくれた記者は、もしかしたら同士のような感情を持ち、デスクや整理部に頭を下げてくれたのかもしれません。

この問題の翌日、普段と変わらない何事もない日常でした。この問題を知っていた社員から「正直、問題を起こした社員が罰せられると思ってました。でもそうはならなかった。うちの会社すごいですね」とわざわざ私の席まで伝えに来てくれました。

この問題から数年が経ち、私も離職しているのですが、いまだにこの問題の対応について経営陣からお礼を言われます。この前、記者から1時間おきに12時間にわたり問い合わせが続いていたことを話したら驚いていましたが。

ピンチはチャンス。結果として広報がより認められる存在になったのも事実です。それには経営陣の覚悟があったからこそです。広報担当者は客観的になにが良くてなにが悪いのかを理解しています。しかし、正しい事を伝える覚悟を決めるのか、会社に従う覚悟を決めるかは紙一重です。そのためにも経営陣が誇りを持って覚悟を決めることを望みます。

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