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青沼理

戸建住宅から大型ビルまでの設計技術を持つ建築士

青沼理(あおぬまおさむ) / 一級建築士

青沼建築工房有限会社 一級建築士事務所

コラム

土壁の断熱性能

2011年11月18日

テーマ:建築メモ

コラムカテゴリ:住宅・建物

土壁の熱伝導率:0.62~0.69 (W/m・k)

グラスウール10Kの熱伝導率:0.05 (W/m・k)

データを比較すると、断熱性能は10倍以下 という値

世界先進国的には、不十分なレベルだが、
現在の日本での断熱基準となる次世代省エネ基準『等級4』で
東京(IV地域)での値は、

グラスウール10K、100mm(10cm)

これと同等の断熱効果を土壁でとるとすると

(土壁熱伝導率)0.69÷(グラスウール)0.05×100mm=1380mm

なんと、1.38mもの壁が必要となることに!


断熱性能だけで見ると、残念ながら土壁は断熱材とはいえない。

なのに、なぜ土壁の家は 「夏涼しく、冬暖かい」 といわれるか

それは

土壁は熱容量が大きいから、と言うことになる。

土の熱容量は、グラスウールの約80倍。

熱容量とは、
たとえば、就寝前に暖房を切ってから、明け方までどのくらい室温が下がるか、というときに
土壁の蓄熱性が大きな効果を発揮して、室温の変化が少なくすむ効果がある。


しかし、いずれも 『しっかり施工して、本来の性能を発揮する』 ということを忘れてはならない。



※ 熱伝導率とは物質内の熱移動のおこりやすさを表す係数。
(熱伝導率が低い=熱が伝わりにくい  ⇒ 断熱性能が高い。)



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