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天野仁

離婚・男女問題・金融関連に強い弁護士

天野仁(あまのひとし) / 弁護士

弁護士法人ステラ

コラム

離婚における親権と監護権の違い

2018年5月7日

テーマ:親権

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 親権 離婚

親権は親の権利のように受け止められがちですが、本来は子どものためにあるものです。

実際に親権は、権利だけではなくて、子どもを養育し、保護する義務であり、親としての責任であると言えるでしょう。また、親権を争う時に監護者という立場もよく出てきますが、親権と監護権の違いはどこにあるのでしょうか。

身上監護権の内容

親権とは、子どもの利益のために子どもを監護・教育する権利、義務のことを言います。

親権は大きく身上監護権と財産管理権に分かれます。身上監護権は次のようなものから構成されています。

【身分行為の代理権】
子どもが身分法律上の行為を行うにあたっての親の同意・代理権

【居所指定権】
指定した居所に子を居住させる権利

【懲戒権】
監護教育するために、必要な範囲で子を懲戒、しつけをする権利

【職業許可権】
子が職業を営むにあたって、親権者がその職業を許可する権利

財産管理権の内容

未成年者は自分の財産を管理する能力がないため、親権者に子どもの財産を保護、管理する財産管理権が認められています。
これらに加え、親権には、子どもが法律行為をする場合の法定代理人としての立場も含まれています。

財産管理権は下記2つがあります。

【包括的な財産の管理権】
子どもの財産を管理するための権利

【子どもの法律行為に対する同意権】
原則的に、未成年者は親権者の同意があれば法律行為を行うことができます。法律行為は、売買や贈与、賃貸借、アルバイトなどの労働契約などが該当します。

親権者になれなくても監護者になれる

婚姻中は夫婦が共同で親権を行使しますが、離婚後はどちらか一方が親権者となります。しかし、親権の中の「身上監護権」を分離させて、親権者とは別に監護者を定めることもできます。

監護者は、子どもの財産を管理することはできませんが、子どもの身の回りの世話や教育をすることができます。 たとえば、親権は父親にあっても、母親が監護者として子どもを引き取り、一緒に暮らすというようなケースもあります。

親権者と監護者は同一の親であることが原則ですが、財産管理を担うのは経済面や財政面に精通した父親が、養育については子どもも幼く母親が良いとされた場合などには、このような方法が取られる場合があります。父親、母親の適性によるため、親権者が母親、監護者が父親という可能性もあります。

もっとも法律上、離婚の際に届出ることになっているのは親権者のみです。したがって、離婚協議において親権者と監護者を分けた場合は、口約束だけではなく、公正証書等の書面を作成しておくと良いでしょう。

以上のように、親権を分離させることは可能ですが、それが子どもの生活にとって有益かどうかを熟慮する必要があります。

この記事を書いたプロ

天野仁

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天野仁(弁護士法人ステラ)

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